♯ヒコさん心の一曲−新でんさー節(登川誠仁)
♪沖縄歌三味や 他国知り渡て 昔歌方の手本あげて
デンサ デンサ スーリ デンサー
・沖縄の歌と三味線は 昔の歌い手の素晴らしさもあり
世界中に知れ渡っています
デンサ デンサ スーリ デンサー(ハヤシ)(大意)
♪互げに肝合わち 学でちゃる歌や 歌て世の為につぃくしみ
しょり
・沖縄の歌と三味線を 心を合わせながら学び
世の為 人の為に 尽くしていきなさい(大意)
♪雲て居る心明々と照らす 歌と三味線の情知らな
・沖縄の歌と三味線をは 曇っている心を明るくしてくれます
その歌の素晴らしさと情け心を知りなさい(大意)
・登川 誠仁(のぼりかわ せいじん)先生は「セイ小(セイ
ぐわぁ)」という愛称でも親しまれている三味線早弾きの
名手です。また、映画「ナビーの恋」のヒット以来、コマー
シャル等にも引っ張りダコの俳優(?)でもあります。
「沖縄オバーパワー」という言葉があり、本にもなるくらい
ですが、「沖縄オジー飄々(ひょうひょう)パワー」の代表格
が、故嘉手苅 林昌(かでかる りんしょう)先生と登川
誠仁先生ではないかと、私は思っております。
・「美ら弾き(ちゅらびき)登川 誠仁」というCDでは、早弾
きの名曲「多幸山(たこうやま)」から始まり、「ヒヤミカチ節」
と続き、最後は「乱れ打ち」で終わっています。若き日の登川
誠仁先生の早弾きの妙技がすべて詰まっているCDです。
また、最近出た「登川誠仁独演会」というライブ2枚組CDでは、
登川 誠仁先生作曲の曲を中心に、曲間のウチナー口(沖縄方言)
による語りが最高におもしろく、まさに「セイ小」の独壇場という
ライブ盤です。
・登川 誠仁先生は、「歌の心」、「豊節」、「油断するな」等、
たくさんの作曲もされています。その中で私が一番好きなのが
『新でんさー節』です。「新」という事ですから元歌は?と
なりますが、それは八重山民謡の「でんさー節」です。
「でんさー節」は、教訓歌ですが、歌詞を変えて歌われ事も
多い曲です。歌詞を変えて歌うという点では「上り口説(ぬぶい
くどぅち)」と良く似ています。
・私が考える『新でんさー節』の良さは、「曲のノリの良さ」です。
沖縄民謡にはノリの良い曲はたくさんありますが、『新でんさー
節』のノリは、「新しいノリだ!」と私は考えています。
それは、西洋音楽でいう「変拍子」だったり、ハヤシの「デンサ
デンサ スーリ デンサー」の「スーリ」の部分のリズムの斬新
だったりとポイントを上げられますが‥‥
「歌っていて気持ちイーィ!」これが一番の理由である事は、
間違えありません。
(1143-2005/05/21記)
*敬称は略してあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。