♯ヒコさん心の一曲−県道節(沖縄民謡)
♪県道道 作て <ケンドミチ チュクて>
サヨ 誰が為になゆが <サヨ ターがタミになゆが>
世間 御緒人ぬ <シキン ウマンチュぬ>
サー 為になゆさ <サー タミになゆさ>
サヨ 為になゆさ <サヨ タミになゆさ>
◎県道道を 作って
サヨ 誰の為になるのか
世間の たくさんの人の
サー 為になるのさ
サヨ 為になるのさ
・「1号線打った!」と、友人が「弁慶の泣き所」を押さえながら声を上げます。
「1号線」とは「旧県道1号線」、現在の国道58号線の事です。
「弁慶の泣き所」⇒「急所」⇒「大事な所」⇒「県道1号線」つながりでしょうか?
「県道1号線」は、昔から沖縄の南北をつなぐ大事な役目を果たしてきましたから。
・明治12年の廃藩置県で、琉球藩が沖縄県となり、さまざまな施策が実施されました。
「県道1号線整備」もその一つで、道の拡張・舗装の一大事業が開始されました。
道路工事人夫にとって、炎天下での道路工事は、消耗の激しい肉体労働でした。
そんな中、人夫の即興から生まれ、昭和初期に大ヒットしたのが『県道節』でした。
♪いかな監督ぬ <いかなクヮントゥクぬ>
サヨ はまりよいしちん <サヨ はまりよいしちん>
はまるなよシンカ <はまるなよシンカ>
サー 時間暮し <サー ジカングラし>
サヨ 時間暮し <サヨ ジカングラし>
◎どんなに現場監督が
サヨ 「一生懸命やれ」と言っても
あまり頑張るなよ 仲間達
サー 時間給なのだから
サヨ 時間給なのだから
・「♪県道道 作て サヨ 誰が為になゆが」と、汗と土埃にまみれた人夫が嘆きます。
「♪世間 御緒人ぬ サヨ 為になゆさ」と、人夫の一人が意義を説き、仲間を慰めます。
道路工事のアルバイトを経験した友人も、炎天下での作業は相当キツかったそうですが、
後日、人々が行き交う道路を見て、「この道は俺が作ったんだ!」という感慨が走ったそうです。
・「♪いかな監督ぬ サヨ はまりよいしちん」監督は「はまりよ!」を日に50回は言います。
「♪あまり頑張るなよ」と、人夫同士で共同戦線です。なぜなら「♪サヨ 時間暮し」だからです。
また、炎天下の沖縄で、ロクな休憩もとらず頑張り過ぎると、脱水症状を起こし倒れてしまいます。
この「時間暮し」という今までに聞いた事がない言葉が、とてもユーモラスに響く『県道節』です。
(1147-2010/5/29記)
*民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。