♯ヒコさん心の一曲−汗水(アシミジ)節(宮良 長包)
♪汗水ゆ流ち 働ちゅる人ぬ <アシミジゆナガち ハタラちゅるヒトゥぬ>
心嬉しさや 他人ぬ知ゆみ <ククルウリしさや ユスぬシゆみ>
他人ぬ知ゆみ ユイヤサーサ <ユスぬシゆみ ユイヤサーサ>
他人ぬ知ゆみ シュラヨーシュラ <ユスぬシゆみ シュラヨーシュラ>
働かな <ハタラかな>
◎汗水を流し 働いている人の
心の嬉しさは 人にはわからない
人にはわからない ユイヤサーサ
人にはわからない シュラヨーシュラ
働かななければ(わからない)
・昨年、私の勤め先から諸般の事情により退職し、家業の果樹園を継いだ同僚がおりました。
「父がマンゴー栽培で賞を取った様に、自分も賞を取れる程の良質のマンゴーを育てたい」と、
送別会で語る彼の言葉には、微塵の不安もなく自信溢れるもので、私も嬉しく思いました。
新年には「近くに来たらお寄りください。」と、果樹園の地図入り年賀状が届きました。
・「50歳から畑仕事なんてできるの?」と事情がわからない人からは、疑問が出そうですが、
彼の場合は、若い頃から土日にお父さんの果樹園を手伝っていたという準備がありました。
台風や水不足、病害虫などから果樹園を守り抜く仕事には、大変な苦労があると思いますが、
汗水の分、手間をかけた分、実った果実を手にする時の喜びは、ヒトシオだろうと思います。
♪心若々とぅ 朝夕働きば <ククルワカワカとぅ アサユハタラきば>
五・六十になてぃん 二十定み <グ・ルクジュになてぃん ハタチサダみ>
二十定み ユイヤサーサ <ハタチサダみ ユイヤサーサ>
二十定み シュラヨーシュラ <ハタチサダみ シュラヨーシュラ>
働かな <ハタラかな>
◎心も若々しく 朝夕働けば
五・六十になっても 二十の若さ
二十の若さ ユイヤサーサ
二十の若さ シュラヨーシュラ
働かななければ(わからない)
・『汗水節』は、戦前(昭和三年)の勤勉貯蓄の精神高揚を目的とした懸賞詩から生まれました。
入選した仲本 稔の「勤倹力行の奨」の詩に、宮良 長包が作曲した曲が『汗水節』の元歌です。
宮良 長包の民謡調の元歌が、民衆に愛され、そのうち更に民謡化されて、現在の形となりました。
「♪シュラヨーシュラ 働かな」のハヤシも元歌にはなく、歌い継がれていくうちに生まれました。
・「勤倹力行の奨」という名で、この様な生い立ちの教訓歌が、歌い継がれる事は稀だと思われますが、
汗水を流しながら働く事の素晴らしさを、わかりやすい言葉で表現した仲本 稔の詩の素晴らしさと、
民謡をベースとした宮良 長包の巧みな曲作りが、民衆の共感を呼び、歌い継がれたのだと思います。
「♪心若々とぅ 朝夕働きば 五・六十になてぃん 二十定み」は、羨ましくも心励まされる歌詞です。
(1149-2010/6/12記)
*敬称は、略させていただきました。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。