平成19年9月18日(火)(旧暦8月8日)
式根島 HKD&サイマ根

小潮(満潮9時、干潮14時、早い上げ潮、後半緩い下げ潮) 水温22℃

台風と台風の合間、まだウネリが残っているし、
いつ次の台風のウネリが入ってもおかしくない。

時期は9月、一年でもっとも厳しいシーズン。
下田沖根なら実績があるが、既に10人予約が入っていた。

鵜渡根は「5人集まらないと厳しい」と言われていたが、
船長の好意で船を出してくれると。

客はぼくら3人、ウネリでどこに渡れるかわからないが、
北東向きのタタミか、沖の長根か、
いずれにしても一番良い所に渡れそうだ。

気晴らし程度のつもりで行くことにした。

新島の朝焼け
喜久丸は随分揺れた。
新島の使えそうな磯を探しながら、そのまま式根島へ。
式根の一番穏やかそうな付近も波を被っている。

「風と波が強いや、とりあえずここでやってみようか。」
と船長。

今日は「気晴らし」、せめて気分が晴れるような激礁に立ち、
波飛沫を被りながら本流を攻めたかったが、地味な地磯。

すぐ隣にはテトラが見えている。
テトラが見えるのはまだ良い、
海を覗くと真っ白な砂地の底が見えている・・・、

船長は「磯際に魚が付いているから2ヒロでそれを狙え」
「本流が差すようだったら竿1本半くらいで流してみて」
という。

ああいうところに立ちたかった
サラシと本流がぶつかり潮目ができていた
コマセを入れると10cmくらいの小魚がチョロチョロとしている。
一匹、黒っぽいのがエサを拾いにでてきた。
M先生「あれでも狙ってみるか。」

そんな気休めを言いながらM先生は釣りを開始。
ぼくとMasamiさんは船酔いでしばし休憩。

まったくエサをとられないようだ。
チョロチョロと見えていた黒い魚もどこかへ行ってしまった。

30分ほどして僕も開始。
しかし、足元には魚の気配がない。
エサはそのまま戻ってくる。

今入れているコマセがどこにながれているのだろう、
活性は低そうだ、深場の岩陰でエサを拾っているのだろうか。
アプローチを変えてみた。

M先生一番左、Masamiさん左から2つ目、ぼく右の2箇所
磯に沿ってできている潮目を流してみた。
オモリは3B、ウキ下は1本半。
10mほど流したところから砂地から岩礁帯になっている。

コマセは潮上の磯際に入れ、足元から仕掛けを馴染ませ、
岩礁帯に届くくらいから、仕掛けを張って磯と平行に流していく。

イメージは、磯際狙いで朝からセカセカと打ったコマセが、
遥か沖の潮目で効いていて、
それに気づいたのは納竿30分前・・・。
もっと早く気づいていれば!!というパターン。

正解だったらしい、答えは一発で竿に返ってきた。
磯に平行して30m程流したところで、
逆光でウキがよく見えないが、沈んでいる気がした。

とりあえずリールを巻いてみると、ズシッと竿に乗ってきた。
体勢を整えるまもなく、根ズレ。


続いて二投目、逆光でウキが見えない。
M先生「ウキが入ってるぞ!!」

船着き
慌ててアワセを入れたが遅かった。
今度は手前の根に突っ込まれて道糸を飛ばされた。


久々にウキを流してしまった、
ポイントゲッターのキザクラ・カンツキ3B、予備がなく、痛い。

乗ったのは一瞬だったが、
G-Tune1.75号5.0mの胴では耐えられない気がした。
いや、僕がコイツを使い込んでいないからかもしれない。

ふと隣を見ると、Masamiさんが竿を曲げている。
どうやら青物のようだが、バラしてしまった。
実は相当魚影が濃いようだ。

仕掛け交換とともに気分転換も含めて竿もいつもの制覇2号に。

Masamiさんにアタリ
ウキ下は一番アタリが出ている1本半、次の一手は、
同じ磯と平行して流すが、ハエ根にやられないようできるだけ
自分から近いところで勝負をかけてみる。

コマセをさらに潮上の磯際にいれ、
潮上から仕掛け入れ足元で馴染ませる、そして5mほど流す。

先手を取られるとまた根にまかれてしまう。
クローズドベール、もう片手は最初から竿尻に添えている。

東京湾のヘチ釣りのような要領で竿で仕掛けを流し込んでいく。
ウキの役目はアタリをとるというより仕掛けを運ぶための道具。

5mくらい潮下だったか、磯際から3mほどの距離、
ウキが沈みそうな気配がした、くらいの感じだったか、

足元
ウキが沈むということを脳が理解した時には
体が既にアワセをいれていた。ものの見事に入った。
さっきまでとは違い、魚が走る前に止めた気がした。

しばらくそのまま耐える、ラインは出さないし、巻かない。
少しでも走られると根ズレだ。
10秒くらい経ったか、少し余裕がでた。

足元は7,8mあるので低い位置に場所移動。
Masamiさんが駆けつけてくれた。

一瞬魚影が見えた。間違いなくメジナだ。
グイグイ突っ込むが中泊のアイツラほどではない。
竿の一番強い角度で耐えていれば十分凌げた。

尾長53cm
ウキが見えた、ととも魚の突っ込みが弱くなった。
大型の口太か?タモを伸ばそうとした時だ、強烈な突っ込み。

ロッドが角度を失い、レバーを切る。
強い角度を取り戻したら再度耐える。
尾長のようだ。魚はあきらめてくれた。

足場が高くタモ入れ苦戦、
Masamiさんのサポートでなんとか入った。
タモに入った姿をみて、デカイ・・・、と。

やっと会えた・・・。

尾長53cm
「アイツをいつかとってやろう」M先生と誓ったのは平成17年6月12日の横根釣行。
あの後すぐにM先生と竿を買った、M先生はがまかつアテンダー2.5号5.0m、僕は制覇HR2号5.3m。

あれからクラブ通算147回の釣行103発の瞬殺(尾長らしきバラシ)。
かけてきた費用は計算するのが怖い・・・。
そしてつい最近、M先生に先をこされたばかり(平成19年6月17日)。

長かった・・・。

気持ちに余裕ができたので、仕掛けを少し換えてみた。
ガン玉をBと軽くして、ウキ下も2ヒロ半に上げた。

エサがそのまま残ってくる、ウキ下を3ヒロに落とした。エサがとられない、そして竿1本半まで落とした。
そして数投目で強烈なアタリを捉えたが、前と同じパターンで少し張り出した根で道糸を飛ばされた。
少し油断していた。

少し風が強くなって仕掛けが馴染みにくくなった。
サシエがまったくとられなくなったため、
ウキを中通しの3Bに戻して、20mほど先の潮目を流してみる。
Masamiさんと「あの辺で食ってくれると楽ですね。」
と話していたその時、ウキに微妙な前アタリ。
今度は走り出す前にアワセがガッチリ、場所も完璧。

コイツはデカイ!
さっきのより、ひとまわりデカイ!!とにかく強烈!!!

掛けたタナは深い、糸は絶対に出せない。
ラインを出すことも巻くこともせず、
その間合いでひたすら耐えた。

走らせなかったのが幸いか、主導権はとれている。
制覇が海面に突き刺さっているが、まだまだいける。
長年の相棒、お互いの限界はよくわかっている。

またMasamiさんがタモを持って駆けつけてくれた。
「すごいプレッシャーですよ!」と苦悶に満ちた表情。(笑)

ウキが見えた、もう少し、さっきの1.5倍の重量。
ロクマルかもしれない・・・。
60cmのタマミが浮いてきた。


タマミ60cm
次、「その辺の潮目で食ってきますよ。」
とMasamiさんに言った時だった、
Masamiさんにも強烈なアタリ。

ギューン!ブチッ!!
本人曰く0.8秒だったらしい。


M先生も同じようなのを掛けて15秒くらい格闘をしたよう。
最後、つい糸を出して無念のバラシ。
気持ちで負けたそうだ。

その後潮どまりでアタリが遠ざかる。
Masamiさんに40cmくらいのヒラマサがヒット。

ぼくはしばらく際の際を狙ってみる。
10投目くらいでウキが一気に消しこんだ、

アワセをいれたが、クローズドベールにしてたのに、
ベールが空いてしまい、ロッドは空を切った。

魚はまだ付いている、
再度アワセを入れたら竿が海面に突き刺さった。
デカイ!と思ったらロッドが跳ね上がった。
残念ながらハリ外れ、ハリスは無傷だった。

M先生、やり取り中
Masamiさん曰く「ありえない竿の曲がり方だった。」
取れる魚だったのに、惜しいことをした。

そしてまた少し潮が流れはじめた。
足元ではアタリがでないため、
先端の釣り座の際をめがけて3人で流していく。

M先生が超良型のイサキをしとめた。
これがまたデカくて黒い。鎧を纏っているようだ。
そして僕にも。

Masamiさんは「ハゼ系」を釣っていた・・・。
これまた苦悶に満ちた表情。

尾長らしきアタリは遠のいて行く。
風が南西から北東に変わり、ウネリがとれてきた。

そろそろ見回りの時間だ。
磯を変えるか、このままここで粘るか、悩んだ。

M先生良型イサキを仕留める

過去、磯変えをしていい思いをしたことはあまりない。
釣れているなら絶対変わらない方が良い、というのが経験則。

これ以上潮が引いたらここは釣りにならないから、
という気もしたが、それ以上に式根の名礁に立ってみたい
という好奇心に負けた。

船長が連れて行ってくれたのはサイマネ。
式根島の名礁だ。

一番新島よりに位置し、新島との水道を本流が駆け抜ける、
沖には大きなシモリが3つほど見える。

足元から水深は十分にあり、まさに名礁だった。
さっきの磯とは全然雰囲気が違う。
潮はゆっくりと流れていた。

残念ながらシモリとは逆方向へ、だ。
しかし、磯際から垂直に落ちていて、海はディープブルー。
雰囲気抜群。

ヒッコンドウを後に

サイマネへ

たたずむ二人
各々やりたい場所へとはいる。
しばらくコマセを入れていると、
40cmくらいのヒラマサがわんさか浮いてきた。

ぼくはシモリとの間を深ダナで狙っていく。
タナは竿1本半〜2本、しかしそれらしきアタリは出ない。
後で思うに、2本半、3本まで落としていけばよかったか。

Masamiさん、チョロ政とお戯れ中

ぼくの釣り座から

ここも本命ポイントらしい
深ダナ、磯際、本流、最後にはぼくはメタルジグ、M先生は裏側の根がガチャガチャしたところ・・・。
やれることはすべてやったが、残念ながら結果は出なかった。
手前も沖も、40cmクラスのヒラマサの絨毯だった。

M先生も執念

最後、沖の潮目を狙ってみる
尾長はどのタナで食わせるべきか、これは諸説あると思う。

武者泊ほてい渡船の親父は
「1ヒロ以内で食わせろ、2ヒロで食わせても無駄だ」と言い切る。

中泊ながはま渡船のポーターは
「浅いところに見えよってもウキ下1本半ねらうといいよ」

地元宇和島の吉田釣具は、
「暑い時期は重たいオモリで深いところ狙いさい。
浮いてくる大きいエサトリに惑わされたらいけん。
グレは変温動物、熱射病になるから朝夕以外は浮いてこれない。
岩陰でじっとして、落ちてくるエサだけ食べよる。」

この夏のテーマは「高水温期の深ダナ狙い」だった。
流行からすれば随分と時代遅れで、矛盾しているようだが、
同じアプローチで2匹の50cmオーバーを仕留めることができた。

秘境、早島

尾長とフエフキ

クーラー
(エサ)
 オキアミ15kg、配合餌(もって行ったが使わず)

(仕掛け)
 制覇2号、道糸2.5号、ハリス3号、ボイルグレ8号/アワセ尾長6〜8号、ウキ3B〜5B、ウキ下1本〜1本半、

(教訓)
 B級磯を侮るなかれ
とじる?