★ 合言葉セイフティ

 色々と誤記やらなんやらで記述や構成が甘いと言われることもあるジャクソンですが、自分は1つ「流石」と思った箇所があります。それは第四巻の構成の一部です。

 マンパン砦には合言葉を要する場所が二箇所あります。忘却の魔法がかけられている第二のスローベンドアと、砦から脱出するための隠し扉です。ヒントがもらえる場所をあわせた配置だと、第二のスローベンドアにて隠し扉の合言葉を試すことが可能なのです。隠し扉の合言葉はプレーヤー自身が行うパラグラフジャンプ、スローベンドアの方は用意された選択肢の中から選ぶ形になっています。つまり、選択肢の中から合言葉を選ぶのではなく、パラグラフジャンプを試みることがプレーヤーの判断により可能となっているのですよ。
 普通なら「話が繋がっていないから、ハズレかぁ」となるはずなのですが、なんとこのスローベンドア、パラグラフジャンプをしてもきちんと話がきちんと繋がるのです。もちろん結果は失敗。主人公は記憶を真っ白にされてしまいます。おこりうる想定をきちっと抑えた作り。流石と感心したのでありました。

(7/26/12)

★ 肝っ玉母ちゃん

 マンパンで君を待ち構えている奴らは、どいつもこいつも一筋縄ではいかない連中がそろっている。特に気をつけなくてはならないのは、スローベンドアの秘密を託された三人だが、それ以外の奴らも油断は禁物だ。戦争屋、赤目たち、物見たち、ノームのリッドらは小賢しいデッドエンドへの一手を隠し持っている。マンパンの選手層は極めて厚いのである。

 ここで紹介したいのが、上記の連中のような悪知恵ではなく、驚くべき直観力と行動力を誇る1人の女丈夫である。マンパンの台所を受け持つホブゴブリンのスログだ。食事という生命活動に必須な要素を抑えているのだから、既にこの時点でマンパンを裏から支配していると言えよう。しかも秘蔵の食べ物を口にするためならば、武器をおいていくという者までいるというから、砦の戦力バランスまで影響をおよぼしているときたもんだ。

 では、スログの直観力と行動力を紹介しよう。この女料理人と君が対決するシーンにおける、彼女の魔法に対する行動には目を見張るものがある。君がKINを使ったとしよう。するとこの女、危険を察知するやいなや即座に行動する。なんと手にした包丁で、触媒である鏡を割ってしまうのだ。当然戦わせるべく呼び出そうとした分身は現れず、それどころか飛び散る鏡の破片で君は目を負傷、デッドエンドへ一直線だ。
 この戦いでは、DOCも術選択肢に存在する。これがまた傑作で、スログはまたしても迅速に動く。彼女はこの術の効果を見抜いたのか、君の手から薬をもぎとって自分で飲んでしまうのだ。DOCの効果は彼女のほうにも現れる結果になる。
 敵が使う魔法の傾向を見抜くだけでなく、実に素早く、的確な対処を行っているのがわかるだろう。恐ろしい女だ。

 このように強力な伏兵であるスログ、どうやら大魔法使いもその実力を買っているらしい。彼女にKIDを使うとわかるのだが、スログは大魔法使いの姿を知っている。おそらくそれは影武者、マンパン砦の建設やヒドラ退治の頃の姿であり、つまり彼女が相当の古株であることが伺える。最初に見たとおり、彼女のマンパンにおける影響力は相当なものである。そんな人物が、長い期間にわたって要職に就き続けているのだ。大魔法使いが自分の身を守るために様々な手を打っている現状から考えるに、スログは相当の信頼を得ているということになる。

(7/26/12)

★ 世界の真理

 南カレーでルーン研究にいそしむ長老ロルタグ。この方の繰り出すリドルは彼が研究するルーンに関するものであるが、その解法はルーン文字とかまったく関係なく、単純に「全部集めるとサイコロの目と対応するよ」というものであった。どこがルーンですかいと厳しい御意見もあるようです。実はかくゆう自分もごにょごにょ
 最近自分は逆にこのリドルが気に入ってきています。というのは、サイコロってこのゲームやってて絶対に使う小道具じゃないですか。戦闘だけでなく、運試し、そもそもキャラメイキングからサイコロのお世話になります。ページにも印刷されているし、唐突に繰り出されるリドルの答えとしては「ああなるほど」となる部類だと思うのですよ。もしもこれがまったく関連の無いジャンル(たとえばトランプの枚数とか)だったとしたら、もっと不条理に感じるのではないか?「ええー? ここでそれ?」みたいな。

 ここまで辿り着くまでの間に、幾度と無くお世話になったサイコロ……。そう、この問題がルーン文字として「学者」であるロルタグの手に依って出題されるというのは、多分にメタ視点入っているとも考えられます。プレーヤーの存在をうっすらと示すルーン文字。よくある構図ですが、『ソーサリー!』の中に発見すると新鮮な気分だ。
 そもそも『タイタン』などを見るかぎり、諸王の冠を巡る冒険は神々のゲームである可能性もあるので、そういう意味でもここでサイコロが出てくるのはありかと思うわけです。

(7/31/12)

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