『ソーサリー！』全四巻の中で、最も難度が高いのはおそらく最終巻『諸王の冠』であろう。『魔の罠の都』も高い難易度を誇ると思うが、これらは一冊一冊個別に見たときの考えではなかろうか。
シリーズを通して遊ぶ場合において、私が考えるに最も難度が高いのは『七匹の大蛇』である。確かにどんなルートを使ってもクリアできてしまう点や、ぱっと思いつくハードルも、巻き物の解読ぐらいしか思いつかないという人も多かろう。だが、それが既に罠にはまっているのだ。『七匹の大蛇』はクリアした時の状況によって、大きい違いが現れる。大蛇をしとめた数によって、ステータスにボーナスが与えられるのだが、これは大蛇を多くしとめた時の場合であって、逆に大蛇を逃しまくった場合は、ステータスにマイナスが科せられる。『ソーサリー！』を始めとするFFシリーズにおいて、１点のステータスが及ぼす影響は大きい。しかしながら最も大きな問題は、大蛇を一匹でも逃してしまうと次巻『諸王の冠』では最初から正体が割れているという点だろう。全ての大蛇をしとめていれば、油断している砦へと忍び込むだけで済むところを、一匹でも逃してしまうと臨戦体制の真っ只中に忍び込むはめに陥るのだから。大蛇を倒さずともクリアできる＝『魔の罠の都』や『諸王の冠』とは違い、やり直しのチャンスを与えられずに大きな枷を付けられてしまう、まさに蛇の毒らしい展開がなんとも私好みである。蛇の指輪を使って大蛇から情報を聞き出さないと『諸王の冠』攻略が難しくなるというしかけのせいもあって、大蛇は殲滅しなければならない相手となる。
そういうわけで、完全クリアを目指すという条件付になると『七匹の大蛇』が一番かなぁと思う次第である。
さて、ではその攻略をしてみようかと思う。雑記としては久々に踏み込んだ内容となるかな？
まずは『七匹の大蛇』の地図を見ていただきたい。
そもそも『七匹の大蛇』をクリアするためにはフェネストラのもとを訪れてイルクララの呼び子を入手する必要がある。
大蛇を倒す以前にクリアできないと話にならないので、まずはこのようになる。
次は各大蛇の位置を確認。これらの遭遇ポイントを通過するルートを割り出してみる。
これ以外の道は大蛇を漏らしてしまう、完全攻略を目指す場合においてはハズレの道である。
どうせなら『七匹の大蛇』のみの攻略してみますか。
蛇遣いマナタから月大蛇の情報を得るためには第一巻で手に入るボリン皮のブーツが必要となるので、さらにこのルートを外すことになる。
大分絞られてきたと思うが、実はまだこれからである。このままでも運がよければ（そして類い稀なる戦闘能力にめぐまれているならば）クリアは可能であるが、大蛇は皆手ごわい。一筋縄ではいかない。各々が二桁の技量を持つ上に、七匹もいるのだ。幸いやつらには弱点があるので、それをつけば戦いは非常に容易になる。それらの情報を、残されたルートの中で探し出すことが次のステップとなる。
このルート沿いに居る連中に聞き込みをしてみよう。すると…
シャドラク
風弱点
アイテム：疾風笛（風と土に有効）
人馬（喧嘩をしかけて、命を助けてやる）
月弱点
アイテム：砂（火炎弱点）
シャム（贈り物必須）
土弱点
アイテム：ディンティンタの蛇杖
フェネストラ
水弱点
時弱点
アイテム：油のフラスコ（水弱点）
※日輪は既に彼女に捕らえられている
沼ゴブリン
呪文の巻物（時弱点）
既に囚われており、倒す必要のない日輪大蛇を除く六匹のうち、火炎大蛇の弱点以外の情報が聞けることがわかった。火炎大蛇も弱点が聞けないとはいえ、弱点となるアイテム「砂」の入手は可能である。あと、あと少しで完全攻略が出来そうなのだ。どこかに火炎大蛇の情報はないものだろうか…あった。答えは砂嵐地帯にありました。
砂嵐地帯では、戦うことはできないものの火炎大蛇その人と出会うイベントがある。ここで奴は砂嵐に巻かれてしまい、その身にまとった炎を消されてしまうという失態を犯すのだ。しかも主人公の目の前で。コレは致命的である。プレーヤーが火炎大蛇の弱点＝砂と気がつくには充分な材料だ。
| 大蛇 | 弱点情報入手先 | 弱点アイテム入手先 |
| 時大蛇 | フェネストラ | 沼ゴブリン |
| 水大蛇 | フェネストラ | フェネストラ |
| 風大蛇 | シャドラク | （－） |
| 日輪大蛇 | （－） | （－） |
| 火炎大蛇 | 砂嵐地帯 | 人馬 |
| 土大蛇 | シャム（ディンティンタ） | （－） |
| 月大蛇 | 人馬 | …入手できない？ |
そこでルートはこうなる。
セスターキャラバンでの買物はできなくなるが、ここはプレーヤーの悩みどころなので好きなほうを選ぼう。作者のルート散らし具合の妙である。
さて、ルートは判明した。だが問題が１つある。月大蛇の弱点となる「炎」だ。第三巻から始めた場合は、該当アイテムの入手チャンスはない。燃やす物としては、アナランドからの手紙があるが、困ったことに火が起こせない。
以前の巻から続けて冒険している場合は火口箱などのアイテムを入手する手段もあるのだが…。つまり主人公が戦士だった場合、月大蛇のみはガチンコで闘わなければならないのだ。残念。ちなみに主人公が魔法使いだった場合はHOT一撃で終わる。
まとめるとこんな感じだ。
月大蛇 … HOTで一撃、戦士なら剣で戦うしかない。
土大蛇 … HUFで一撃、もしくは素手で持ち上げろ。
火炎大蛇 … 砂を浴びせ、蛇杖で虐める。
日輪大蛇 … 放っておいて問題なし。
風大蛇 … 殻を破壊、もしくはHUFで一撃。
水大蛇 … フラスコで一撃。
時大蛇 … 呪文で弱らせてから、蛇杖で嬲る。
結構弱点をつければ大蛇ももろいものである。そしてその手がかりを知るための道はちゃんと用意されているのだ。…とはいえ選択肢制であるがため、バレバレの場合もあるのが玉にキズといえよう。 （11/20/05）
