★ 大足

 「Bigfoot the Elder」。カレーの呪文の二つ目を知るスラングの司祭が出す問題の中に登場するこの人物、旧訳では「賢者ビックフット」と訳され、創土版では「長老の大足」と訳されている。浅羽訳の特徴である少カタカナ語訳の例にもれない大足であるが、一部ファンの間では「やりすぎ」の例として取りざたされているようだ。

 Bigfootといえば、まず思いつくのがロッキー山脈の雪男、サスカッチの別名である。RPGなどではモンスター名として使われているケースもあろう。
 さて、ビックフットという訳が既に一般的であるのに、新しい訳では「大足」となっている…。これが「やりすぎ」といわれる所以だと思われる。だが個人的な感想を述べさせてもらうならば、意外と違和感が無かった。「Bigfoot」を「大足」と訳されることで、なんとなくネイティブアメリカンの呼び名のような印象を受けたのだ。「暴れ馬(クレージー・ホース)」「白い野牛(ホワイト・バッファロー)」「熊の爪(ベア・ポー)」みたいな感じである。ビックフットがもともとロッキー山脈に生息する生き物の呼び名であることを思い出して欲しい。ロッキー山脈はネイティブアメリカンの文化圏である。自分が違和感を感じなかった理由はここにあると後から思い当たった次第。(実際はネイティブアメリカンの呼び名は彼等本来の言語であって、英語なのは歴史的に上書きされた状態といえるだろう。本当は文化圏がどうとかいうのはズレた話なのだが、あくまでイメージ的な問題と捉えて欲しい。)
 あと、ビックフットって雪山に生息してるイメージが強いんだけど、スラングの司祭の問題ではカラス麦、小麦、トウモロコシなどを育てている上に、財産として金貨を貯めているですよね。どうにもビックフットのイメージと結びつかず、これは同名の雪男のことではなく、個人の「呼び名」であると考えたほうがしっくりきたというのも大きい。

 正直を申せば、旧訳だとビックフットと賢者のイメージがどうしても合わなかったので、創土訳でスッキリした感がある。

(9/28/06)

【追記】
『タイタン』の中には、ビッグレッグ(大足)、アックスクリーパー(斧断ち)、シルバーハート(銀の心臓)といった人名が記されている。この三名はドワーフである。これは件の Elder を「ビッグフット(大足)」と考えることができるのではないかと思い当たった。
 同じく『タイタン』にはエルフのことも載っている。彼らは三つの名をもっており、そのうち常日頃使うのは通り名的なものだという。例として挙げられているのはアッシュ(とねりこ)、ヘイゼル(はしばみ)、ウィロウ(やなぎ)といった名で、これもまたビッグフット(大足)に通じるものがある。だがエルフの場合は樹木など自然にちなんだものに限られているように感じる。大足長老ことビックフットの場合は、身体的特徴ということで、ドワーフなのではないのかと思われるが……いかがだろうか?

(12/19/23)

★ ロルタグの書斎にて

 『ソーサリー!』の挿絵に、ジャクソンとリビングストンの肖像が入っているのは結構知られていることと思う。今更感が強いのでさらりと流すが、第四巻のナイロックの店の挿絵に、2人の肖像画が並んでいる。イラストレーターであるブランシュの洒落心なのだろう。

 さて、本題のロルタグの書斎である。ここの挿絵には本棚が描かれており、よくよく眺めると色々と掘り出し物があったというわけだ。ちょっと紹介してみよう。

 まずは「カレー(Kharé)」。四行詩はのってないと思われる。

 これは「ジャクソン(Jackson)」。伝記だろうか? ちなみにソーサリー!はなかった。

 最後は御自身、「ブランシュ(Blanche)」。VOL.Iとある。どうやら続きがあるらしい。

(9/28/06)

【追記】
 ジャクソン&リビングストン両氏に縁深い『ホワイトドワーフ』もありました。流石はカレー有数の知識人だ……

(5/13/23)

★ ゲーム「ブック」ならでは探し

 創土社風にゲーム「ノベル」としたほうがいいかな? いや、ここはわかりやすさ重視でいこう。
 何の話かといいますと、ゲームブックが書籍(紙媒体)であることならではの長所を探してみようと思ったわけです。

 さて、ゲームブックを電子化すると、賽の目やステータス管理やフラグ管理などを自動処理できるというメリットがあり、しかも指セーブや一回戻るなどのチート対策もできる。指セーブや無敵モードなどが書籍ならではの醍醐味とするむきもありますでしょうが、「ブック」はともかく「ゲーム」という観点から考えると、決して書籍型の優位性として数えてはいかんような気がします。また最近は携帯端末も増え、持ち運びという面では書籍の優位性は以前ほど大きくは無くなってきていると言えるかと。

 自動処理では不可能な、紙媒体ゲームブックならではのゲーム性…。しばらく考えていた私は、一つの答えを見つけましたよ。それは、「プレーヤーの記憶力に依存するパラグラフジャンプ」という仕掛けです。『ソーサリー!』で言えば、カレーの街でフランカーを探すときの処理があたるかと思います。第三のスローベン・ドア(炎の幻影)や、マンパン砦の裏口の合言葉など、ジャンプしないとデッドエンドというタイプのパラグラフジャンプは、必ず進まなければならないため自動処理でOKかと思いますが、フランカーの場合のように気が付かなくてもそのままゲームが続行する場合は選択肢自動提供だと興醒めな気がするんですがどうでしょう?(フランカーの場合は特に、「貴方が彼の顔を覚えていられるかどうか」という判断基準なので…。)

 個人的には蛇の指輪で大蛇から情報を聞き出すのもやはり自動処理だと味気ないかなとか思いますが、こっちはそれでもいいのかもしれない。でもコレタスに声をかける場所とかはプレーヤーが判断するからこそかなと。

 何をいまさらという内容かもしれませんが、私にとってはちょっとした発見でした。意外と気が付かないものだね。目から鱗とはこのこと。みたいな。

(2/10/07)

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