★ 各タイトル

 今更ながら気が付いたのですが、各巻のタイトルって、「主人公の目的」で統一されているんですな。

 第一巻『The Shamutanti Hills』と第二巻『Kharé-Cityport of Traps』はそれぞれ主人公が通り抜けなければならない場所。確かに前半は旅を続けることが目的なのである。意図的に任務そのものを邪魔してくる存在は皆無だ。

 後半に入ると、キャンペーンシナリオらしく物語は展開をみせる。第三巻『The Seven Serpents』では主人公の任務がマンパンの密偵にバレ、その知らせを運ぶ伝令を全滅させるのが重要な目的となる。

 最終巻『The Crown of Kings』は『ソーサリー!』全編を通じての目的、「諸王の冠」そのものがタイトルとなっている。そう、主人公の目的は大魔法使いを倒すことではない。あくまで冠の奪還なのである。

(9/22/07)

★ 七大蛇の肖像

 挿絵が無いと思っていた時大蛇、風大蛇、水大蛇、土大蛇、月大蛇の面々であるが、よく考えたら英国復刻版と創土版の表紙にそれぞれ描かれていましたよ。ここでは本家と言える英国復刻版を見てみよう。

 左側中段と上段中央が炎っぽく見える。この二匹が火炎大蛇と日輪大蛇であろう。上段中央の蛇は円形の中に居ることからして、これが日輪大蛇に違いない。となると、左側中段は火炎大蛇ということになる。
 次に右側下段の蛇だが、よく見ると茶色のボディに細かいひび割れが見える。時、水、風はひび割れまい。残るは土と月だが、色からして土であろうと思われる。細かいひび割れは、バクランドの荒土にふさわしい。
 左隣に居る青い蛇。これは質感と色からして、水大蛇だろう。泡っぽい部分もあるし。

 さて、ここまでは比較的簡単に特定できた。残る大蛇は時、風、月の三匹。残っている絵は右側上段および中段、そして左側上段である。先ずは右側中段の蛇を見てみよう。緑色だ。……月ではない気がする。よくみてみると、目が四つある。というより牙を含め、頭部全体が二重にダブっている感じだ。他の蛇は全て目が二つであることを考えると、これがこの蛇独自の特徴であるということが窺える。そのような特徴を持つ奴は……時。時大蛇に時間感覚を狂わされると、このような姿に見えるということではあるまいか。

 残るは上段左右の蛇。このどちらかが月で、もう片方が風である。さて……
 左側の蛇は色が明るく、月とも雲ともとれる質感である。一方右側の蛇は暗い色をしている。
 右の蛇をよくみてみると、その輪郭は煙のようにぼやけている。ならば、こちらが風大蛇だろう。残った左側が、月大蛇だろうか? 本文を参照すると、月大蛇は「かがやく」とあり、特徴的にも一致する。実際の太陽と月のように、日輪大蛇の光を受けてかがやく月大蛇。やはりこいつが月大蛇と見て間違いあるまい。

 個人的には確信したと断ずるに足るので、この解釈にもとづいてモンスター情報にイラストを配置することにする。

(3/16/08)

★ カレーの魔法

 モンスターの情報をまとめているときに、ふと感じた違和感。
 ……なんか第二巻のイラスト、少なくないか?

 見てみると、第二巻のみ後半の魔法パートのイラストが、魔法の説明部分の使いまわしなのであった。
 創元版、英国復帰版は使い回しであり、創土版ではイラスト自体無くなっている。現在英国原版は持っていないのだが、おそらくこれも使いまわしなのだと思われる。

 ……きっと「納期」とか「依頼漏れ」とかいう類の大人の事情があったんだろうなぁ…

(3/22/08)

【追記】
 元祖英語パッフィン版が(少し前に)手に入ったのだが、予想通り魔術書イラストであった。

(4/15/10)

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