そして陽はまた昇り。

とある晴れた日の街角にて
子供たち

あくる朝は見事に晴れていた。
昨日聞いた物語の後味の悪さもさっぱりと晴れている。

今日もあの携帯劇場師は広場にいるのだろうか?

だが、広場にオルゴールの音は響いていなかった。

子供たちが私のところへ来た。
彼らは手にした絵本を私に見せ、読んでくれとせがむ。

私でいいのかいと尋ねると、
携帯劇場のお姉さんが、私に読んでもらうと良いと言っていたという。

なんでも――読み手として優れているのだと。

聞けば彼女は、今朝早く子供たちに最後のあめだまを配り、
次の街へと旅立っていったらしい。

子供たちが差し出したあめだまを口の中で転がしながら、
私はその絵本を開いた。