2月25日 スペイン語のこと

 スペイン語の名詞には性があります。
名詞の前には必ず冠詞
男性名詞:el(複数:los)
女性名詞:la(複数:las
を付けます。

男性、女性の区別があるものは当然
el hombre(エル・オンブレ/男)
la mujer(ラ・ムヘール/女)


el piso(エ・ ピソ/マンション):男性名詞
la casa(ラ・カサ/家):女性名詞

一般的に語尾が「-o」が男性、「-a」が女性
従って、
Mario(マリオ/男性の名前)
Maria(マリア/女性の名前)
el camarero(エル・カマレーロ/男の給仕)
la camarera
(ラ・カマレーラ/女の給仕)
解りやすいです。

el sol(エル・ソル/太陽):男性名詞
la luna(ラ・ルナ/月):女性名詞
まあ何とか納得できます。

el tragaluz(エル・トラガルス/天窓):男性名詞
la ventana(ラ・ベンターナ/窓):女性名詞

なぜ天窓が男性で、普通の窓が女性なのか?
このへんになると、理由が知りたくなってきます。

いつか日本からマリアムにメールで質問したことがあります。
名詞の「男性」「女性」はどのようにして決まるんですか?
初めは、この質問の趣旨が伝わりませんでしたね。
最初の答えは、「o」の付くのが男性、「a」の付くのが女性、、
というような答えが帰ってきました。

そうじゃなくて、「男性名詞」「女性名詞」を決める原因は何ですか?
それでも質問の意味が伝わらず、
男性名詞・女性名詞の見分け方に対する答えが帰ってきました。
彼らにとっては、もう決まっていて当たり前のことなので、
質問そのものがナンセンスだということが解りました。

そして解ったことは、「さしたる理由はない」ということです。
はっきりとは解りませんが、恐らく
“発音しやすい” “全体としてバランスがいい”
といったような理由ではないかと想像します。

誰がどう考えたって、el viento「エル・ビエント/風」が男性で、
la lluvia「ラ・ジュビア/雨」が女性
の理由など説明できるはずがありません。

私の参加している、社外委員会「電気設備技術基準国際化委員会」で、
ドイツから技術者を招聘して技術会議を行ったとき、
いいチャンスなので、同じような質問をしてみました。
「男性名詞」「女性名詞」を決める原因は何ですか?

ドイツ人の答えは簡単
ドイツ語には中性名詞があるから、そんなことは問題にならない。
ドイツ語では、性の区別のないものは中性名詞です。
思い出しました、大学で習ったドイツ語は
確かに中性名詞というのがありました。
そうだったのか!
ドイツ語は論理的、スペイン語(ラテン系言語)は情緒的ですね。


スペイン語は牧畜民族の言葉だけあって、
身近な家畜では、雄・雌が別の単語になっています。
el toro(エル・ トロ/雄牛):男性
la vaca(ラ・バカ/雌牛):女性

el carnero(エル・カルネーロ/雄羊):男性
la oveja(ラ・オベーハ/雌羊):女性

日本語にこれに類する言葉はあるのでしょうか?
誰かいい例があったら教えてください。

もう一つ、魚については面白いですよ。
スペイン語では、
生きてる魚と死んでる魚には区別があります。
el pez(エル・ ペス/魚:生きてる魚)
el pescado(エル・ ペスカード/魚:死んでる魚=食品としての魚)
-adoは過去分詞を作るときの接尾語なので
pesc-adoは「釣り上げられた魚」というような意味になります。
さすがに、生きてる魚が男性名詞で、
死んでる魚が女性名詞、
というようなことはありませんでした。


街を歩いていると、いろいろ面白いものが見つかります。
上の写真、2階に窓が5つ付いていますが、
ずいぶん窓が歪んでいませんか?
写真が歪んでいるんではありませんよ。
本当に窓が歪んで付いています。
1番左の窓の傾き方など、どう説明できますか?
長い年月のうちに歪んでしまったとも思えません。

多分日本人なら、これじゃ恥ずかしくて住めませんね。
周りの人が、いろいろうるさく言って来るでしょう。
しかし、スペイン人は外の見え方は余り気にしません。
外はこうでも、しっかり家の中は整然としていて住みやすく
なっていると思います。


夕方、プラサ・デ・アルマスのバスタ−ミナルに行って、
ポルトガル行きのバスの切符を買って来ました。
このまま、だらだらと時間が経ってしまうともったいないので、
明日の木曜フラメンコの演奏会を見たら、
しばらくセビリアを離れることにします。

前の日へ 滞在一覧へ 次の日へ

トップ アイコン