4月2日(土) 夜の誕生会
夕方、5時過ぎに、午前中は図書館に来ていたけど、午後は姿を見せなかった、レェ、オオン、プー、ボビーが自転車を連ねてやってくる。もう図書館は閉めている
。
悪ガキ自転車部隊
「ウアイきよこ(清子ねえさん)、話があるんだけど、来てよぉ」と扉の向こうで、怒鳴っている。
「何よ」
「今日はさ、スムの誕生日なんだよ。ぼくたち、ケーキを買ってくるから、ここで誕生日会やってもいい?」とレェが言う。
普通は、自分の家でやるものだが、スムの家では、誕生日会をやらないんだろう。
「ぼくたちが、びっくりパーティをやろうと思うんだ。」
「スムは知ってるの?」「まだ知らない」
「それで、ケーキは、あんたたちが買うわけ?」
「うん・・・・・でも、足りないんだ。ケーキは安くても30,000キップするからね」
「いくら持ってるの?」「25,000キップ」
うーん、どうしよう・・・・今日は、日本人の友だちが2人、夜来ることにもなっているし・・・・・子どもの誕生日会まで、うちでやる?図書館の仕事じゃないだろ・・・・・そこまで受けたら、子どもに甘すぎ?そこまでやる?
うーん・・・・でも、友だちの誕生日パーティをやってあげたいという彼らの気持ちも、汲んであげたい・・・
「ケーキ吹いたら、それで帰るから、お願い」と言う。
「わかった。でも、遅くまではいさせないからね。ケーキ吹いたら帰るんだよ」
と、私も少し彼らにカンパすると、
「じゃあ、ケーキ買ってくる」と、みんな、自転車を飛ばしていく。
さっき、ダンナには遠慮がちに「今晩、友だちが二人飲みにくるんだけど・・・」と言ったばかり・・・のん兵衛の私の友だちが来て、私ものん兵衛なので、結局、なんだかんだといつもダンナに迷惑をかけることになる。私自身、明日はシェンクワンに行くので、それでなくとも忙しいっていうのに、この上、子どもの誕生日パーティ?まで・・・・彼になんて言われるだろう?と思いつつ、言うと、
「おまえ次第だよ」とぶっきらぼうに言う。が、すぐ、庭に机と椅子を出し会場を整えて、そして、買い置きのインスタントラーメンを数えて
「これじゃ、足りないな。ケーキしかないんだろ?クアミー(焼きそば)を作ってやるよ」
と言って、バイクに乗ると、肉と野菜を買いに行った。
私自身も、自分がお人よしだな・・・・と思うが、彼の方も、輪をかけてお人よしである。
二人して、「バカ」がつくほど「お人よし」の夫婦だな・・・・と我ながら、思う。
私が、おろおろとしている間に、彼は、大量の焼きそばを作り始めた。
誕生日の当人である、スムが、ターイとノイ、他の二人の女の子と一緒にやってくる。
「私は、やらなくてもいいって言ったのに、みんなが勝手にやろうっていうの」と、本人は少し当惑している。他の二人も、「私たちに相談なく、決まったのよ。来なくてもいいよ・・とか嫌み言うし、私たち来ないわ」とか、ぶつぶつ言っているので、
「何言ってんのよ。だって、ダンナはクアミー作り出しているし、みんなで楽しくお祝いしようよ」
と、言っている間に、自転車部隊が、ケーキとペプシ、そして卵を買ってきた。
「卵焼きでも作ってよ」
と言う。焼きそばが卵入り焼きそばになった。ケーキは、レェが文字を書いたそうで、ぐにゃぐにゃわからない文字がまん中に書かれている小さなケーキ。
さて、子どもたちは、夜の庭で、ペプシを飲みながら、焼きそばを食べ、その後、子どもたちが、ハッピーバースディを歌いながら、ろうそくのついたケーキを誇らしげに持ってきて、スムは願いごとをしてから、ふっと吹き消した。
結局、8時半頃まで、子どもたちはワイワイといる。親にはちゃんと電話をかけてあるというが、心配した親から電話がかかってきた。
、
「もう、帰んなきゃだめだよ。でも、ちゃんとお皿洗ってからね」と言うと、「わかってる、わかってる」と、きゃらきゃら笑いながら、お皿洗いをして、それから、みんなで
「今日はありがとう」
とお礼を言って、帰って行った。
「まっすぐ家に帰るのよ」「はいはい・・・」「ちゃんと帰るのよ」
「うん」とは言うものの、しばらく、わいわいと楽しそうな声が暗闇の中で飛び跳ねていた。
2011年4月10日(日) お正月の前祝いをしました。
ラオスのお正月は、4月14日、15日、16日。ここラオス、タイ、カンボジアなどはこの時期がお正月で、この暑い時期、水を掛け合って祝う。本当は、仏様にお水をかけることから・・・なのだろうが、とにかく無礼講で水を掛け合う、大騒ぎのお祝いの時期となる。
それに先だって、図書館でもお正月を祝おうということになる。
まず、9日の土曜日には、準備。子どもたちで、お祝いの儀式、バーシーに使うマクベーンという飾りもの?を、「買わずに自分たちで作ろう」ということになる。必要なのは、バナナの葉、マリーゴールドの花、それから糸、そして、竹のヒゴのようなもの・・・・さっそく、子どもたち
「包丁、包丁」と、包丁を手にすると、竹を割り、削って、竹の細い棒を作り出す。それから、竹の先に包丁をくくりつけ、バナナの葉を切り落とす。バナナの葉は、ラオスでは、ちまき作りから、仏教行事の飾りにまで、とにかく、いろいろに使われる。こういうことにかけては、この辺りの子どもたちは、手慣れている子が多い。
竹を割って、細い竹の棒を作る。これは、バナナで、マクベーンを形作る、留め金?として使われる。
マクベーンを作るユイ。手慣れている。バナナの葉で作った円錐型に、マリーゴールドの花をたくさんつけて出来上がり。
私は、バナナの葉にヒントを得て、椰子の葉を使って、明日使う、大きなカブを制作。
10日の朝、早くから子どもたちがやってくる。ダンナは食事係なのだが、今回は、クアミー(焼きそば)を作る。インスタントラーメン、4箱。80食分から。さっそく、女の子たちは、ニンニクをむいたり、野菜を洗ったり、手伝う。
子どもたちは、朝から「水かけにしていいの?」と、水をかけたくて仕方がない。今日は、本も出していない。濡れたら大変だからだ。
「待って。全部プログラムが終わって、クアミーを食べ終わって、いいよと言ったらいいけど、それまではダメよ!」ときつく言うが、うずうずしているのか、風船に水を入れて割る子がいたり、あちこちで、すでに濡れている子がいる。
「色水かけていいの?」最近は、色水やら、小さなビニール袋に水を入れて、水爆弾のように投げたり、粉を投げつけたり、とにかく、だんだん水かけはエスカレートしてきている。
「ダメ。普通の水だけよ」
と言うが、ポケットにビニール袋をしのばせている子もいる。それも、ゴミになるだけだし、痛いから、禁止したかったが、すでに準備済み。
まずは、子どもたちの寸劇から・・・・・結局、当日に限って、「親と買い物に行っているんだ」とかで遅れる子がいたり・・・普段は、大声の子が、いつものようではなかったり・・・・なかなかうまくいかないもんである。
大きなカブも、もう少し練習が必要だけど、カブのへんてこな人形はなかなか可笑しかった。
さて、みんなでバーシー。お祝いの言葉、相手の健康や発展を祈る言葉を言いながら、みんなで糸を結びあう儀式。
昨日作ったマクベーンを囲んで、みんなで座る。
新しい年、この1年がいい年でありますように。みんな元気で、たくさん本を読んで、図書館が楽しい場所でありますように!
その後は、ゲームをしてクアミーを食べ、いよいよ水かけ。水をかけながら、ディスコ状態。大人でさえも、大騒ぎになる水かけだから、子どもはなおさらのことだろうけれど・・・・・いやいや、大騒ぎ。
ラオスの人は、やっぱり、踊るのが大好き。子どもも大人も・・・・
最後には、「もう水がもったいない。地球は水不足何だから、もう、これくらいでやめにしよう」などと、私が言いだしたが、言うだけ無駄。
大きなたらい2つ分にできたクアミーも、最初は余ってどうしようかと思ったけれど、大騒ぎした子どもたちが、
「まだある?」と、再び食べ始め、最後には全部平らげた。
まぁ、水かけ祭りなんだから、仕方ないか・・・・とは思うけれど、ずぶ濡れでしっちゃかめっちゃかのお正月のお祝いでした。
さて、これから2年目に入る、ドンパレープ子ども図書館。
はてさて、今後、どうなっていくことやら・・・・・
ここに来る子の中には、難しい状況にいる子も少なくないのだが、とにかく、子どもたちには、元気に、まっすぐに伸びていってほしい。
サバイディー・ピーマイ(あけまして、おめでとう)
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