ラオスからこんにちは 6

2003年6月7日

 ビエンチャンの家で寝ていると、この頃は毎晩、ドスンドスンガラガラという音がしますので、いったい何かといぶかしく思っていたのですが、ふと気がつくと、家の裏の大家さんのマンゴーの木からマンゴーの実が、1つ2つと落ちては、私が寝ている部屋の上の屋根にあたって、大きな音をたてていたのでした。昨夜も、ドスンドスンと音がしたので、さては、裏にいけばマンゴーが拾えるな、しめしめ・・・と朝、出てみると、すでにおそし、大家のおばちゃんが腕いっぱいにマンゴーを抱えているのを発見。しまった。やはり考えることは同じか・・それにしても、私は「騒音被害」をこうむっているのにな・・・などと思いつつ、こっそり裏庭をさぐってみると、めぼしい実はすでに拾われたようで、きれいになくなっていました。昼間、またドスンドスンと音が2度したので、今度こそ・・・と出ていくと、まだ無傷のマンゴーが2つ落ちていました。拾ってほくそ笑んでいると、大家のおばちゃんに見つかりました。「キヨコ!あんた欲しいのなら、もっと拾っていいのよ。うちのマンゴーは、そりゃあおいしいのよ!ほら、もっとあげるよ」と、すでに拾ってあったマンゴーを腕いっぱいにくれました。さらに、「ほら、これも拾いなさい。鶏がつつくようなのが、一番おいしいのよ」と、鶏をおっぱらって、マンゴーを拾ってくれました。ビエンチャンにいるのもあと2日だけ。マンゴーを腹一杯食べられるのなら、太ってもいいや!と思ったりしています。

 6月3日4日と、2泊で、難民帰還村であるシヴィライ村に行ってきました。彼等とは、もう15年以上のつきあいです。今、ちょうど陸稲の種籾まきの時期です。昼前に村に着くと、村の人たちは大方出払っていてひっそりとしていました。

 2日目、陸稲の種まきについていきました。山の畑まで歩いて1時間ほどですが、夜明け方に、バケツをひっくり返したほどの土砂降りでしたので、道はどろどろ。でも、みんなゴム草履でスタスタ歩いて行きます。彼等に言わせれば、ゴム草履が一番滑らないそうです。私はとてもゴム草履で山道は歩けない。(でも、私も運動靴をはいていかなかったので、サンダルでしたが・・・)雨も降っていたので、私はすっぽり雨合羽を着て、1人で濡れないようにと大げさな格好をして歩いていたので、回りの人からは滑稽に見えただろうなぁと思います。

 畑に行く人々の横を、3人のパンツいっちょの男の子たちが、走り抜けていきました。

「水あびに行くの?」と聞くと「水牛を探しに行くんだよ」と、一応、陸上での用事を仰せつかっているようですが(彼等は、水牛は牛を野放しにしているので、たまに存在を確認しに行く)、雨の中を裸の少年たちは、水に飛び込んでは遊び、岸に上がっては水牛の方へ駆けて行き、水牛を蹴る真似をしては、きゃあきゃあ走り回り、笑い転げてました。雨の時は、水中でも陸上でもパンツいっちょで駆け回るのが一番幸せ!そんな子どもでいるのが一番幸せ!・・・と、そんな光景でした。

さて、焼畑の陸稲の種まきの話題はさておき、(長くなるので・・・)


水牛とはなかよしさ


 先日、友人と、ラオス人の赤ちゃんには蒙古斑はあるのか?という話題になり・・・・う〜ん、それはまだわからないのですが、モンには蒙古斑はあるのか?ということを、村のお母ちゃんたちに聞きました。

モンにはあるんです。村のお母ちゃんたちのいう話では、

「ポーダー・ポー(大山姥さま?とでも訳したらいいのでしょう。年老いた山ん婆)が、空から人間(赤ん坊)をこの世に送り出す人(天使ではなく、妖怪?)なのだけどね、赤ん坊が産まれる前に、やんちゃできかん坊だとね、お尻にえい!と、藍の汁をつけるの。それで、お尻に藍のシミがたくさんある子は、キードゥー(きかん坊)だと言うのよ」というのです。

 その話をしてくれた、若いお母さんガーの娘のレンガオは2ヶ月だが、お尻だけじゃなくて、足とかにも、薄青いあざがあります。大きくなると消えていくそうですが・・・。

 ネンの娘、ヤーユアには、目のそばに黒いあざがあります。これは、大きくなっても消えない生まれつきのあざ。日本では、レーザーとかで小さいうちに取ってしまうものでしょう。

この種のあざは、まだ赤ん坊のうちに子どもを亡くした親が、赤ちゃんを葬る時に、顔やお尻、腕などに、鍋の焦げの炭を塗りつけて、「私の子だという印をつけておくから、また私の赤ちゃんに生まれてちょうだいね」と願ったものだそうです。赤ちゃんは、他の親に生まれ変わることもあり、生まれつきあざを持った子は、その、誰かにつけられた印の子の生まれ変わりなのだそうです。

蒙古斑には様々な話があるらしいです。私が一緒に仕事をしているソムトンさんの話では、ポーダーポー(大山姥さま)が、赤ちゃんがこの世に生まれ出そうとする時、それまでいた洞穴から、大きな世界に飛び降りようとするのだけれど、赤ん坊は世界があんまり大きいので、みんな恐くなって尻込みをしてしまう。そこで、大山姥さまが、「それ行け!」と、後ろからお尻を叩いて、送り出すのだそうです。その時にお尻に青黒いあざができて、生まれてくるのだそうです。

などということでした。ソムトンさんも、「でもね、科学で証明されている話でもないし、わかんないけどね・・・」と真顔で言うし、こういう話は、なんだかとっても面白いし、もっと聞きたいなぁ、と思います。

明日帰るので、家の掃除をしたり、洗濯をしたりしながら、書いています。

では、ラオスからこんにちは・・・、気ままに書きましたが、読んで頂き、ありがとうございました。日本では、あまり「こんにちは」する話題もないと思いますが、また、機会あるごとに送らせて頂きたいと思っています。

6月11日の朝には、日本に戻ります。では!日本でまたよろしくお願いいたします。                           

  6月7日 ビエンチャンにて

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