痩せたポチは・・・・・・
                                                 2012年3月2日
 今日、母犬、ポチを水浴びさせたが、本当に骨がごつごつと痩せている。
「えー、おまえこんなに痩せちゃったの?」
 と心が痛む思い。ポチは本当にデブ犬だったのだ。それが、子を産み授乳するうち、こんなに痩せてしまった。いっぱい食べているのに・・・・水で濡れるとふわふわの毛がぴったりして、痛々しいほど細い。
 顔なんて、えー、こんなに細い?っていうほど。

 まるでムーミンの中に出てくる。フィリージョンクみたいだ。(ただ、私はこれを英語で読んでいるので、日本語で、そう訳されているかどうかは知らない。Fillyjonk である。私が英語が得意で読んでいる・・わけでは全然なくて、これは、タイの難民キャンプで働いている頃、とても西洋人のボランティアスタッフも多かったので、いきなりタイ語、英語・・・そしてモン語にもまれる中で、私は一時期、英語恐怖症になったことがある。西洋人とみると、ガァ〜〜〜と目の前のシャッターが降りてしまい、英語が話せなくなった・・・・その時、やはり難民キャンプで働くイギリス人のお爺さん神父さん、ファーザー・ビルの英語教室に通い始め、一緒に読んだのが、[Tales from Moominvalley] (ムーミン谷の話??)なのだ。まぁ、私は英語の基礎がわかっていないわけではなかったし、ファーザー・ビルに褒められなだめられ、まぁ、相変わらず下手だが、恐怖症は乗り越えた。

 その時に読んだ、このフィリージョンクなる、神経質で、人生に悲観的、「穏やかな平和な日々なんて見せかけで、絶対に破壊が訪れる」と信じていた動物が、嵐にあってすべてを失ってしまうけれど、その後、かえって、そうよ、人生は楽観的に、楽しまなくちゃ・・・みたいになる・・・みたいな話・・・・それを読んだ日、タイで住んでいたメコン河沿いの地域が、竜巻に遭った。一瞬にして、屋根が吹き飛び、天井から雨が降ってすべてのものがずぶ濡れになり、電線もずたずたになった・・・・津波のように人命を奪うようなことはない程度だからだが、こういう時って、笑うしかない・・・・っていうような・・・・・無事であったボランティア会の事務所に駆け込んで、酒を飲んで笑って一夜を過ごした。そんな経験をしたものだから、このフィリージョンクの話は、なんだか特別な思いを持っている。

 さて、どうでもいい話だが、普段、毛がふさふさのポチは、まるでムーミンみたいだが、濡れて毛がぺったとついた骨ばったポチはフィリージョンクみたいだった。






 トーベ・ヤンソンという人は、本当に動物をよく観察していたんだろうなぁ・・・・・と思ったのでした。フィンランドの豊かな自然の中に生きていたから、こういうお話もできたのだろうし・・・・本当に、人間に対しても動物に対しても観察眼のするどい人だったんだろうなぁ・・・と思ったわけです。

 本当に、お話もイラストもすばらしい。私は、今も、たまに読みます。

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