もう、あいこのA●S好きは皆様の知る所だと思いますが・・・
ここまできたか。ってな、3部作パクリに挑戦。
元ストーリー知ってる人にはおもしろくもなんともないだろうなぁ。ごめんなさい。
―――――"恋するだけじゃ傷つかない"?
SEQUENCE MEDITATION
学校のない第2土曜日。
近くの女子校のコたちと3対3で飲んだ。
女の子達はソコソコ可愛くて、適当に頭が悪くって、
こういう時の相手としては悪くない。
3人の中では一番可愛い子がオレの隣に座って話しかけてくる。
落とすのは簡単だと思ったけど、気分じゃなかった。
友達に悪いと思いつつ、途中で席をたつ。
軽く酔いの回った頬に夜の風は心地よい。
今まで何人かの女の子と付き合ってみたけど、長続きしたことはない。
来る者拒まず、去る者追わずの付き合い方をしてきたから当たり前かもしれないけど。
幸い、割とモテるオレは別れても次の子には不自由しないし。
でも、最近は近づいてくる子たちの相手をするのも面倒で。
健全な高校生男子としてはこれじゃーいかん!と、思ってみても
どーしよーもない。
時計を見るとまだ9時をまわったところだった。
今からなら駅前の方を遠回りすればちょうど予備校帰りの兄貴と
一緒になるかも、と方向転換する。
オレと兄貴はめちゃめちゃ仲がいーってわけでもないと思うけど、
他のヤツに言わせると、オレはブラコンなんだそーだ。
ガキの頃はお互いライバル視してたから、ケンカが絶えなかったが
中学に上がる頃から、ケンカも減り、年も1つしか違わないせいもあって
今ではどっちかってーと、"兄弟"ってゆーより"友達"の感覚に近い。
言葉の足りないオレの気持ちを理解してくれる存在は、ありがたい。
"親友"と、言ってもいいかもしれない。
・・・兄貴の方は、あいかわらず兄貴面したがるけど。
兄貴の通う予備校の前まで来て、足を止める。
ちょうど授業が終わったところらしく、中から人がゾロゾロと出てくる。
が、その中に見慣れた赤い髪はない。
一足遅かったか。
しばらくそのまま待っていたが、人が減っても出てくる気配がない。
なんとなくつまらないが最初から「もしかして、会えるかも。」程度の気持ちだったので
さほど気にもせずに家へ向かう。
近道となる公園に差しかかった時。
視界の隅で何かが揺れた。
そちらに視線を移すが、何もない。
風に揺れたブランコかなんかだったのか。
再び歩き出すと、今度はさっきよりはっきりと"何か"が見えた。
が、目を凝らして見渡してみても、やはりそれらしきものは見あたらない。
ちょっと嫌な考えが頭をよぎるが、兄貴じゃあるまいし、と頭を振る。
きっと、まだ少し酔いが残っているんだと、一人で納得して
「何も見てねーぞ」と声に出してみる。
ひとつ息を吐いて、歩きだそうとしたところで後ろから肩をたたかれた。
「うわぁあぁぁっ」
我ながら情けない声だと思うが、こういうものはとっさに口からでてくるんだから
しょーがねぇだろ。
心臓をバクバクいわせながら振り返ってみると、そこにいたのは
オバケでもなければ、幽霊でもなかった。
・・・誰だ?コイツ。
暗がりの中でもわかる、綺麗な赤い髪。
あぁ、でも色で言うと烈兄貴のより激しい赤かな。
その兄貴に負けず劣らす小柄で華奢な体つきで
中性的な雰囲気を持ってるけど・・・
やっぱ、オトコ・・・だよな?
不覚にも男であろうそいつに見とれていると
そいつが無言ですっと手を出した。
「・・・・・?」
よく見ると、その手にはオレの定期入れがある。
なんだ、拾ってくれたのか。
サンキューと言って手を出すとそいつはついっと手を引き
オレの手は空をきる。
ムカッ。
不機嫌を隠さないオレの顔をみると、ずっと無表情だったそいつはニッと妖艶に微笑んだ。
一瞬、目を奪われるが、ハッと思い直して
定期を取り返そうとする。
と。
その腕を捕まれてバランスを崩したオレはそいつに倒れ込むような体勢になり、
―――――――そのままそいつに口付けられた。
うぎゃー!男とキスしちまったよー!!
星馬豪、一生の不覚!!
慌てて離れると、そいつは何でも無かったようにまたもとの
無表情顔に戻ってやがる。
そいつが、ゆっくり近づいてくるのを見て、
オレはファイティングポーズを構えてみる。(あまり意味なさそうだけどな。)
すると、そいつはオレのシャツの胸ポケットに
定期入れをストンと入れて、そのまま立ち去った。
背中を向けたままヒラヒラと手を振ってるのがまた悔しい。
オレ、もしかして見ず知らずのヤツにからかわれた?
くっそ〜!!
と、何もやり返せずにいたことをむちゃくちゃ悔しがっていると
再び赤い髪が目に飛び込んできた。
今、出ていった公園の入り口からダッシュで向かってくる。
こちらも再びファイティングポーズを取ってみる。
が、しかし。
そいつはオレのことを無視して目の前を走り去る。
あれ?
今の、あいつじゃない。
もっと、見慣れたその赤は。
「烈兄貴ー!」
大声をあげると、烈兄貴はピタッと立ち止まってこちらを恐る恐る振り返った。
ぶんぶんと手を振りながら走りよるとあからさまにホッとした表情になる。
過剰な恐がりは子供の時のまま。
「兄貴、今帰り?」
「うん」
並んで歩きながら、家に向かう。
「いつ頃予備校出た?
オレ、前まで行ったけど見かけなかったぜ」
「あー、コンビニ寄ってたから」
兄貴が手に持ってたビニール袋をあげてみせる。
アイツとバカやってる間に追いつかれちまったってことか。
「お前こそ、今日は友達と遊びに行ったんじゃなかったか?」
「そうだったんだけど・・・ダルイからふけてきた」
「ふーん」
たいして興味なさげな返事。
「兄貴、予備校帰りっていつもあの公園通ってんのか?」
「あぁ、そのほうが近いだろ」
「そりゃぁ、あんなダッシュで走れば早く家つくよな」
思わず語尾に笑いが含まれてしまう。
「・・・何がいいたい?」
あーぁ、この時点で兄貴がニッコリと綺麗に笑ってることに
気づいていれば、オレは余計な一言を言って
殴られることもなかったのに。
「そんなに怖いんなら公園なんか通んなきゃいいのに」
バキッ。
「ってぇーな!」
「自業自得」
なにおー!と、兄貴の方を見ると
街灯に照らされた顔がかすかに赤くなっているのが見て取れた。
兄貴の恐がりは今に始まったことじゃねぇんだから
そんなに恥じることもねーのになぁ。
こーゆー可愛いトコがあるから頭イイ優等生のわりに
他からも敬遠されたり、ってことが無いんだろうな。
ま、外見が可愛い、ってのも原因だろうけど。
そーだよな。さっきのキスだって、あんな得体の知れねーヤツじゃなくて
兄貴とだったら・・・。
って、おい。
何考えてるんだ、オレ!
・・・まだ酔ってんのか?
そんなに、酔いが残るほど飲んでないことはわかってたけど
とりあえずは考えが変な方向へいってしまったのは
酒のせいにしておこう。
その前に。
その"得体の知れねーヤツ"としたキスは、
「男とのキス」とゆー先入観による嫌悪感はあっても、
その感触はけして不快なものではなかったことに。
オレはまったく気づいてなかった。
「豪っ、何ぼーっとしてんだ。おいてくぞ」
「人のこと殴りつけておいて、よくそーゆー冷たいコト言えんな」
オレはいつの間にか数歩先を歩いていた兄貴に追いつくと、
再び並んで歩き出した。
―――――ホントの君は何が欲しい?
続き・・・・もあるらしい
これは・・・いいの?ねぇ、いいの??<自問
たまに(?)はいいか。こんなのも。<自答
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