| イギリス滞在記 第2章〜生活編 | ||
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| 1. 初めての小冒険 | ||
E塚さんが帰り、ホテルに一人きりになると不思議とさっきまでの眠む気はどこかへ消えてしまい、あれこれと好奇心が湧いてきました。 まずホテルの周辺がどうなっているのか気になります。外を見ると雨は上がっている様子なのでちょっと探検してみようと思い立ちました。ついでになにかおやつと飲み物でも買ってこようと思い、財布の中身を円紙幣からにポンド紙幣に入れ替えます。こっちに着いてまだ一度も買い物をしていないので小銭は無く、小銭入れは円が入ったまま持ちました。念のためパスポートも持っていざ外へ。 ああなんという開放感、「ここはイギリス!ここではだれも僕の事を知らないんだ」と思うと、なんだか自分が別の人間になったような錯覚にとらわれます。 まずは先ほど車で来た道を逆にたどってみる事に。大通りから入った、ホテルに通じる道は「ヴェルサイズストリート」ちなみにロンドンではどんな小さな通りにも名前がついています。歩道にはハナミズキのような街路樹が植えられていて、早くも紅葉が始まっています。通りの両側は一戸建ての住宅が並んでいてそれぞれの家には小さな前庭があり、芝生が青々としています。 屋根を見上げるとどの家にも暖炉の煙突のようなものが備わっていて、それが街並に特徴的なアクセントをつけています。ただ煙突といってもサンタクロースが入ってくるような、1本だけ高く屋根から突き出た煙突とは違い、高さは低く、等間隔に何箇所もあるのです、さらにどう見ても口はふさがっており、その代わりにそのふさがっているらしい部分に素焼きの植木鉢を伏せたような突起物が幾つか並んでいて、その一つ一つが排煙口の役目をしているようです。 ![]() しばらく歩くとやや大きな通りに合流し、その通りを行くとさらに大きな通りと交差しています。交差点から周囲を見回すと、まず地下鉄の駅の入り口が目に入りました。赤い円とその真中に青地に白抜きで「UNDERGROUND」と横長に書かれた地下鉄のマーク、その下に「Swiss Cottage」と書かれていました。 こうして地下鉄「スイスコテージ駅」の場所を確認し、次に食料品を売っている店を探しました、すると大通りの反対側に小さなコンビニのような店が目に入ったので、横断歩道を渡り店の前まで行ってみました。 外から店内をのぞくとスナック類や飲み物も売っている様子なので入ってみる事にします。 スナック類の棚には日本でも見慣れたマクビティーのクッキーなんかもありますが、どれも包装の仕方が日本より簡素です。他には見たことの無いスナックやチョコレートが並んでいます、次にパンの棚に目をやるとこちらも品揃えが日本と違っていて、まず菓子パンのようなものはありません、その代わり、いわゆる食パンやフランスパンといった、形やサイズや小麦の種類がさまざまに違うものが豊富に揃っています。食パン類はサンドイッチ用なのか、どれも薄くスライスされていました。 僕はその店でとりあえず手軽に食べられるものをと思い、リッツのクラッカーとマクビティーのチョコレートクッキー、それからミネラルウォーターとコカコーラ(結局食べた事のあるものばかり選んでしまいました)をかごに入れレジへ向かいました。 |
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