| イギリス滞在記 第2章〜生活編 | ||
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| 4. ホテル暮らしと初出勤 | ||
翌朝、心配していた時差ボケはそれほどでもなく、日本から持ってきた目覚まし時計ですっきり目が覚めました。天気は昨日と打って変わって晴天。出勤の身支度をして1階の食堂へ朝食にいきます。 席について周囲を見回すと宿泊客は外国人ばかりで日本人は僕一人、すぐに黒人のウェイターがやってきて、お決まりの朝食の料理の皿を運んできます。 肉類はソーセージ、ベーコン、スクランブルエッグなど、パンは三角形の薄切りのパンで白いのと胚芽入り?のブラウンのやつ、どちらもカリカリにトーストされています。パンは最初に適当な量をウエイターからもらい、食べ終わるとすぐにウエイターがお代わりを薦めに来ましたが、あまり時間が無いので「No thank you」と断り席を立ちました。それから一旦部屋へ戻り、枕の下にチップを置いて出勤です。 きのうの打ち合わせ通りにスイスコテージの駅へ向かい、E塚さんと落ち合いました。 スイスコテージはロンドンを南北に走るジュビリーラインという地下鉄路線で、まずここから4つめのグリーンパークまで行き、そこで東西に走るピカデリーラインのヒースロー行きに乗り換え、7駅目が目指すハマースミスです。 E塚さんが言うにはロンドンの地下鉄は時刻表はあってないようなものだとか、まず切符の買い方を教わって買い、改札を通りホームへ。地下鉄のホームは照明が薄暗く、レールの脇をネズミがちょろちょろと走り回っています、ホームの先のトンネルの入り口は真ん丸く掘られていました、やがて来た地下鉄の車両はトンネルの形にあわせたのか、ちょうど飛行機の胴体のようなまん丸い形をしています、当然ドアもそれにあわせてRがついています、背の高いイギリス人が車内のドア際にたつと首から上は車外にはみ出してしまう感じです。 車両に乗り込むと英語のアナウンスで「まい・ど・ギャッ」・・・と聞こえてきました。 はじめは”Mind door gap"(ドアの隙間にご注意ください。)といっていると思っていましたが、あとになって”Mind a gap"(ホームと車両の隙間にご注意ください。)といっているんだと知りました。 地下鉄の車内を見渡してまず目に付いたのは、日本でいう「つり革」の代わりに、壁から斜め下に向かってスプリング状のバーが出ていて、その先端にゴルフボールくらいの大きさのプラスチックの球体が付いています、これにつかまる訳ですが、日本のように上から下がっているのとわけが違い、壁から突き出てグニャグニャ曲がるようなものなので急ブレーキのときなど果たして体を支えられるかはなはだ疑問です。 まわりの乗客は朝の通勤時間帯のせいか、勤め人風の人でわりと混んでいましたが日本の通勤ラッシュほどではなく、比較的ゆったりしています。 座席はドアの両側は壁を背にした2人掛けのシートとその奥は2人がけシートが向かい合ったボックスシート、そのボックスシートにはピアスと刺青をした2〜3人の若者が土足を向かいのシートの角に乗せて座っていて、室内でも土足の欧米文化では普通なんでしょうが、畳文化の日本人から見るとちょっと不潔な感じがします。 グリーンパークでピカデリーラインに乗り換えるとキングス〜、ナイツ〜(騎士の〜)、アールズ〜(伯爵の〜)、バロンズ〜(男爵の〜)などという、いかにも英国らしさを感じさせる駅名が続きます。 やがて地下鉄は地上に出て、まもなくハマースミスに到着しました。 |
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