実例に見る茅葺き屋根。もっと詳しく!

 

とにかく色々。

茅の運搬風景です。←一抱えが一把で、四束よりなります。これはヨシ。

←茅の束は根側が太い。だから単に重ねるだけでは次第に下を向いていってしまう。この事情は屋根の上でも同じ。だから先方に短めの茅“捨て茅(のべとも言う)”を入れて傾きを補正する。

←短い茅“捨て茅”を先方に打ってから普通の束を乗せる。

 

でもこの茅束は平らだ!?→ずん胴です。軒に用いるものです。

その秘密は、←茅を半分づつ向きを対向させて束を作ってあるから。

 

特に軒先の最上段に用いるものです。束ねてきれいに切断された茅。水切り茅と言います。耐水性の高い茅が使われます。ヨシがよく用いられます。

 

こんな感じで切断します→茅の束は皆、こんな風にして根元を切り揃えています。

←こんな風に屋根上で茅を置いといたりもする。

これから軒をつけます。←まず1層目のわらが乗りました。

←2層目のカルカヤを乗せて、軒先をはさみで整えている所。

"ガキ"という道具で表面を平らにしている所→

 

"ヒネ"を取り付けました。割った竹です。白いのはひっくり返しにしてあるもの。裏ヒネと呼ばれます。この上にまた茅が乗り、ヒネで押さえます。茅はヒネと裏ヒネでサンドイッチになっています。

軒の下には何もないので、押え竹のように縄を通して屋根裏の骨組みに結びつける様な事はできません。ですからヒネは、上の方の押え竹から吊り下げられたようになっています。押さえ竹が右上に少しだけ写っています。この写真では、吊り下げてる針金は殆ど見えてません。

 

これは軒の3層め。意外と知られていませんが、屋根を葺く時間の半分以上は軒を設ける時間です。(←こちらでは、の話です。全国的に見ると、軒をここまで装飾的にするのは希です。)

この後、茅がどんどん葺かれていって、軒にはかなりの重さが加わります。軒は3〜4層から成ります。一層ごとにしっかり抑えていきます。しっかり作らないと、後から屋根がずり落ちてきます。曲がり角のヒネには細い竹や、割った竹、柳の枝や梅の新枝が用いられます。(なを、通常の補修では軒をわざわざ付け直す必要はありません)

4層目の水切り茅が乗りました。排水上、一番大切な所です。緑の竹は“ヒネ”と呼ばれるものです。押え竹とは違います。茅をまとめるような役割をしています。黒い紐がついた方が押え竹です。こちらは茅を強く押さえつけて、茅がずり落ちるのを防いでいます。

←屋根に針を刺して縄を通します。

屋根裏には針を受ける人がいます。→

←これが針です。

針を使わず 手を突っ込んで縄を取ってしまう地域もあります。屋根表面(平という)は厚さにして50cm位しかありません。手を突っ込むと 大きな穴が空くので、水が漏れ易くなってしまいます。ですから次の上の層では、位置を横にずらして縄を取ります。

←次の層からは、縄は屋根裏まで通しません。押さえ竹へ通します。あらかじめ縄を取っときます。写真の緑の竹の上に茅が乗っかって、さらに別の押さえ竹が乗り、この縄で茅を挟み込むのです。

日光の当たらない北側では茅の寿命も短くなります。茅の乾燥が遅れる為です。最近は茅の間に波板を挟むようになりました。(まもなく職人もいなくなるだろうから、家を守るため仕方なくやっている事です。ふつう北側に施工します。)

波板は針金で押さえ竹に吊り下げられています。

←ガギで屋根の傾斜を調節し、表面を平らにしている所。

ガギにも色々→大きいのは屋根表面(平、ひらと言う)に用いるもの。中は、特にヨシの水切りに用いるもの。下は“目無し”と呼んで特に軒先に用いるもの。

だいぶ葺き上がってきました。これらの足場は、歩きと呼んでいます。

屋根の上から→

←棟を作っている所。

葺き終わった屋根は刈り込んでいきます→

←茅葺き用のハサミは先が上に反っています。

ハサミにも色々→大きいのは屋根表面(平、ひら)に用いるもの。小さいのは軒先の装飾に用いるもの。

床屋の要領。時々箒で掃く→ ツンツン小さく飛び出したのも再度刈り込みます。これを“ちり刈り”と呼んでいます。

 

←軒を仕上げている所。竹の筒は、ハサミにつける油が入れてある。

 

“刺し茅”という補修方法です→押さえ竹を境とした層をめくりあげ、棒状の茅を差し込んでいきます。正しくは、この場合でも、捨て茅が入れられます。

 

刺し茅にて葺き上がってきたところです→

 

かなり本格的に作られた軒→この竹は“くだ”と呼んでいます。

←釜戸は家の中にあります。

←釜戸の上には土壁が吊り下げてあります。火の粉が屋根裏に舞い上がるのを防いでいます。格子状の竹に泥を塗りたくって作っています。

←この白いロープ、結び目は無く、一本でつながっています。大変効率的です。“めんず結い”と呼んでいます。

薫製状になった屋根裏です→こうなれば腐りませんし虫も付きません。お飾りの文化財では火も使われず、腐食が進行します。

←手入れしてる茅

手入れしてない茅→

品質に違いが見られます。

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写真が手に入り次第更新します。