朝 鮮 本

その4:『喪禮備要』


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『喪禮備要』は、李氏朝鮮中期の礼学者「申義慶」が朱熹(号:晦庵など、尊称:朱子)の「家礼」を基に編集した葬儀祭礼、死後祭礼の手引書。同書は、不分巻の一冊であったと言われる。現伝は、申の友人、金長生(号:沙渓、1548〜1631)が、一般人に分かりやすく校正し直したもので、萬暦48年(1620年)の金長生の序、天啓元年(1621年)申欽の跋を付し、順治5年(1648年)の金集(金長生の孫)の識を付して刊行された。一冊本とニ冊本があるが、構成は、上巻・下巻の二巻から成る。

金長生は、韓国礼学の宗匠として知られる。礼学研究と後進養成に努め、沙渓先生として親しまれた。他に「經書辨疑」,  「近思録釋疑」, 「典禮問答」, 「家禮輯覽」, 「疑禮問解」等の著述あり。
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所蔵本:
上巻・下巻揃いで一冊にまとめられたものと、下巻を欠く上巻のみの1冊のものがある。

(A)上巻・下巻揃いの一冊本:
縦32.5×横22.5cm
有界 8行17字 (序)
整版。
刊行年:巻末に、「崇禎四戌申春嶺栄改刊」とある。崇禎四年は辛未のため、崇禎元年(1628年)から起算して、4度目の戌申の年という意味と解す。1848年の再刊本である。

(B)上巻のみ一冊の本:
縦29.7×横20.3cm
有界 8行17字 (序)
整版。
刊行年:下巻が無いため不明。
注:(A)とは版木が異なる。

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上記絵図をクリックして下さい。拡大表示されます。

写真は、(A)に比べ、字、絵、図とも出来良く、かつ、刷りの良い(B)上巻の3枚を掲載した。


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