営業所別最長路線編
20年ほど前、学校の図書室で(こんな事書いたら歳がバレるな…)「神奈川中央交通60年史」を読み、巻末にあった資料の営業所別の担当系統一覧表に距離が書いてあったのを見た私は、それではと営業所別の最長系統の乗りつぶしを行ないました。ここではその時の乗車前(あるいは乗車後)に撮った写真をご覧頂こうと思います。他に車窓などの写真を撮ったわけではなく、また、時刻や運賃などの記録も取らなかったので、今イチ説得力がないんですが、車両は皆既に存在していないわけで、非冷房車とか、冷房車の「ペンギンマーク」など、あるいは乗場付近の様相が変わっているところもあって貴重な部分もありますから、そのあたりを楽しんでいただければと思います。画像は乗車順です。
(綾瀬・多摩・厚木北各営業所は当時はなかった)
相模原
相模原駅~上溝~相武台前駅~国立相模原病院
19.0㎞
正面の行先表示に経由地の記入がなくてかなり大雑把ですが、相当な大回りです。相模原駅前で出発前に撮影したものですが、相模原駅も大きく変わりました。
この系統は現在は廃止。
秦野
大秦野駅~中沢橋~平塚駅
21.0㎞
大秦野駅と平塚駅を結ぶ系統はいくつかあるのですが、この系統は七国峠を越え、ローカルな区間を走ったという記憶があります。大秦野駅前で撮りました。後方に待機所が見えます。(今は神奈中のホテルが建つ)大秦野駅は1987年に秦野と改称されました。
この系統は〔平76〕として現存しているが、秦野駅は南口発着になっています。
舞岡
戸塚駅~こども医療センター~本町~横浜駅東口
17.2㎞(復路17.5㎞)
戸塚駅~横浜駅東口を井土ヶ谷・本町経由で結ぶ系統のうち、一部は寄り道してこども医療センターの敷地に乗入れます。その分だけ距離が長くなります。現在は〔横44〕と番号が与えられています。
撮影した戸塚駅のバスターミナルは、東口再開発のために設けられた仮設のものです。往復で距離が異なるのは、再開発前は戸塚駅付近で往復のルートが異なっていたためで、現在は同じルートです。
大和
横浜駅西口~鶴ヶ峰駅~亀甲山~鶴間駅
20.5㎞(復路20.3㎞)
現在も〔横04〕系統として1時間に1本は走っています。横浜駅から20㎞を越える系統があるとは意外かもしれません。横浜駅からの一般路線では、他事業者も含めて最長かも。
大和営業所は横浜市緑区に中山操車場を新設、後に横浜神奈交バスに委託(今は神奈中中山〔営〕)としましたが、この系統は大和〔営〕本体が引き続き運行しています。
左に見える「ブル」は舞岡〔営〕の平戸団地行(今はありません)。どちらもフルモデルチェンジ前の末期の冷房車で、夏期の冷房使用時期にはペンギンのマークを付けていました。
2024(R6)年8月5日現在では、土曜ダイヤの1往復のみ運行。
茅ヶ崎
平塚駅~用田~綾瀬市役所~さがみ野駅
?㎞
実は今回このページを作成するため、図書館で「60年史」を読み直してみたのですが、なぜかこの系統は記載されていません。ではどうしてこの系統が茅ヶ崎〔営〕の最長だと思ったのだろう?「平塚駅~桜ヶ丘駅 21.0㎞」という記載はあるから、あるいはそのあたりからこっちの方が最長だろうと判断したのかもしれません。(あやふやでゴメンナサイ)
この系統は後に平塚〔営〕に移管されたそうですが、現在は廃止。
写真はさがみ野駅前で到着時。
平塚
小田原駅~国府津駅~二宮駅~平塚駅
22.6㎞
この系統は神奈中全体でも最長で、〔平45〕として現存していますが、休日の早朝1往復だけとなってしまいました。平成の世になった時点では、平日6往復・休日3往復の運行がありました。小田原駅前での撮影。ここも駅の大改良、ペデストリアンデッキ整備に合わせて、雰囲気はかなり変わりました。
2024(R6)年3月30日最終運行をもって廃止。
横浜
横浜駅西口~鶴ヶ峰駅~今宿~中山駅
17.5㎞
この系統は〔横51〕系統として現存しているが、担当が舞岡〔営〕→大和〔営〕(中山操車所・横浜神奈交バス中山〔営〕)→中山〔営〕になっています。横浜〔営〕は港南区の笹下車庫が本体で、栄区に分車庫(本郷車庫)がありましたが、笹下の車庫を廃止し、本郷車庫が横浜〔営〕となりました。
現在の横浜〔営〕の最長系統は桜木町駅~上大岡駅~大船駅と思われます(距離は不明)。
横浜駅西口の入場時を撮影。非冷房の「ブル」。
津久井
八王子駅~高尾駅~大垂水峠~相模湖駅
〔八07〕
21.0㎞
実は「60年史」にはなぜかこの系統の記載がなく、「八王子駅~上野原」(30.9㎞)と「相模湖駅~上野原」9.9㎞)とあったので、両者のキロ数から引き算でこの系統のキロ数を割り出したものだと思います。当時も1日3往復でしたが、現在も土・休日は3往復走っています。
(平日は1往復が高尾山口駅~相模湖駅に短縮)
八王子駅北口で撮影。ターミナルの改良前です。
戸塚
戸塚駅西口~横浜新道~横浜駅西口
15.4㎞
この系統は後に〔横32〕系統と番号が付き、さらに後に舞岡〔営〕に移管されたが、やがて東戸塚駅西口~横浜駅西口に短縮され、減便の後、2003年に廃止されました。戸塚駅西口で撮影したもので、左側には一足先に廃止となった新道経由の川上団地行が待機しています。(行先表示が見づらいけれど)ここは現在は鳥が丘循環の中型車のみの発着になり、上空には駐輪場が設けられています。
現在の戸塚〔営〕の最長系統は大船駅西口~俣野公園・横浜薬大前(旧ドリームランド)~立場ターミナル(11.0㎞)と思われます。
藤沢
本厚木駅南口~社家~石川橋~藤沢駅北口
22.4㎞(復路22.6㎞)
今にして思えば、よくこんな系統があったもんだという気がします。平成の世になった時点では、午後に2往復運行がありました。それどころか現在は社家・厚木駅付近を走る路線バスは全滅です。
いすずキュービックは当時の最新鋭だったのでは?
こうして作り終えてみると、この頃が(私にとっては)神奈中の全盛時代だったのではないかと思います。当時はここにあげた以外にも15㎞以上を走る系統は決して少なくはなかったのですが、1990年代末期から神奈中の路線・系統は縮小傾向になり、藤沢の項で述べたように路線バスの空白地域も生まれるようになりました。前段でも記しましたが、車両番号や運賃、時刻などの記録を一切残していなかったのは悔やまれます。普段の何気ない記録が、後々貴重なものになるんだということを、改めて知ったような気がしました。
伊勢原
伊勢原駅北口~上谷戸~上煤ヶ谷
13.6㎞
もう夕暮れ時で、撮影した伊勢原駅北口の待機所は影になってしまっています。従って行先表示がまったく読み取れないと思いますがゴメンナサイ。
この系統は後に廃止となり、上煤ヶ谷側では神奈中のワゴン車を利用した清川村営バスが運行されていましたが、これも2009年には廃止になっています。
町田
調布駅~下黒川~調布駅〔鶴22〕
15.0㎞
当時も1日1往復だった系統で、神奈中バス(一般路線)では唯一多摩川を渡る系統です。
(現在は休日の早朝のみの運行)
鶴川駅前での撮影。
2024(R6)年3月9日最終運行をもって廃止。
相模原
宮ヶ瀬~上煤ヶ谷~上飯山~本厚木駅
22.6㎞
この写真は当時の宮ヶ瀬の折返所で撮影したもので、宮ヶ瀬ダムが完成した現在では宮ヶ瀬湖の底。
左にもほんの少し神奈中バスが見えるのが分かるでしょうか?三ヶ木行の津久井〔営〕車で、宮ヶ瀬で接続するダイヤだったのですが、2002年秋に宮ヶ瀬~鳥屋間が廃止され、乗り継ぎは不可能になってしまいました。