新札幌駅
(撮影/2009年7月8日)
JR千歳線と市営地下鉄東西線の接続駅(地下鉄は「新さっぽろ」)で、JRは本州からの寝台特急以外が全列車停車、さらに隣接して外資の高級ホテルも建つなど、札幌市の東の一大ターミナルとして栄えています。
JR駅に隣接したビルの1Fにバスターミナルがあります。防寒対策として、ガラス張りの仕切りが設けられているのが北海道らしい所です。新札幌のJHBは、市営バスの民営移譲が本格化するより前から、市営の旧白石〔営〕の路線を引き継ぎ、運行範囲を拡大させていました。
札幌駅バスターミナル (出口)
(撮影/2009年7月8日)
ターミナルビルの反対側から出発するのは53系統(啓明線)、啓明ターミナル行です。市営バスからの転換系統で、この車両も旧市営バス(528-3970・旧琴に93-13)です。
このバスターミナルに乗り入れていた市営バスの内、JHBに引き継がれたのはこの系統のみです。
(他はじょうてつが引き継ぎ)
琴似営業所
(撮影/2009年7月8日)
2003(H15)年4月1日に、市営バスからの転換で業務を開始しました。画像には写っていないが、右手に事務所棟があります。車両は旧市営バスが引き続き中心だが、最近はJHB転換後に投入された車両(エルガミオなどがあります)の他、横浜市営等の中古車も配置されているようです。
中央部の黄色い車両は、白ナンバーの教習車への転用です。元臨港バスと思われます。
看板と木々のためわかりづらいが、左手にCNG充填施設があります。これも車両共々市営からの引き継ぎで、JRバス全体でも唯一のCNGノンステップ車が配置されています。
動物園正門前~(総合グラウンド入口※)
(撮影/2009年7月8日)
JHBでは2008(H20)年より「ぶらりサッポロ観光バス」を運行しています。札幌駅バスターミナル~大倉山競技場前間を4月29日~11月3日の間(2009年)運行。日中40~45分間隔。車両はローザベースのボンネットバスを使用。200円均一で、専用の一日乗車券(700円)も発売。このバスの運行開始により、旧市営バスの専用車を使用した円山公園駅~大倉山間の路線は廃止となったようです。
左手は札幌円山球場です。札幌ドーム開場までは、ジャイアンツ戦などプロ野球の試合が盛んに行なわれていました。現在もファイタースがたまに使用します。
※総合グラウンド入口は停車しない
札幌
札幌駅前(札幌西武前)
(撮影/2009年7月8日)
ターミナルではなく、駅前の西武百貨店前から発車する系統もあります。全て市営バスからの転換系統。
52系統・琴似工業高校前行(市営時代は〔西52〕)
54系統・長生園前行(市営時代は〔西58〕で、改番時に琴似営業所行と分離)
58系統・琴似営業所行(市営時代は〔西58〕)
後に見える中央バスも市営バスから転換された新川営業所行〔西71〕系統です。
(中央バスは今の所改番を行なっていない)
なお、札幌の西武百貨店は2009(H21)年9月30日をもって閉店します。丸井今井の問題もあり、北海道では百貨店業の不振が本州以上に際立つように感じられます。
1987(S62)年の民営化の時点では散発的ながら、まだ道内各地に路線が多く残されていた北海道のJRバスだが、バス部門分社の前後で急激に廃止が進み、現在のジェイ・アール北海道バス(JHB)では深名線
(深川~幌加内~名寄・鉄道の代替)・日勝線
(浦河~様似~えりも~広尾)を除くと、札幌市を中心とした路線網を残すのみになってしまいました。
一方で札幌市営バス
(2004(H16)年廃止)の民営譲渡により、特に清田区・中央区・西区で路線が緻密になり、2003(H15)年には琴似営業所も市営からの引継で開設されました。
元々市営バス譲渡より以前から国鉄・JRバスでは珍しく市内路線が充実していた事もあり、市営交通と連携した営業制度が採られていて、共通カード
(ウィズユーカード)や共通一日乗車券の発売、市営地下鉄との乗継割引も引き続き行なわれています。
一方で元々の国鉄・JRバス路線網で幹線的な存在だった札幌~小樽・北広島・江別方面の直通便は大幅な削減が行なわれました。これらの路線の便は大半が札幌市郊外の宮の沢や大谷地・新札幌を起点とするようになっています。
なお、市営バスからの転換系統はしばらくの間市営バスのものをそのまま使っていたが、2006(H18)年4月、元々のJHB路線共々全面的に改番が行なわれています。基本的には札幌駅発着系統は漢字をつけず、他を始発終着とする場合に始発地の地名1文字をつけるというルールになっています。
最近の動きとしては札幌ドーム開場に伴う観客輸送の実施、ラッシュ時の女性専用バスの運行等が挙げられます。
高速バスは小樽・旭川・紋別・帯広・えりも・広尾行があるが、えりも・広尾を除くと、中央バス等他社との共同運行です。
(他に期間限定で苫小牧東港・キロロリゾート行を運行)
〔参考サイト〕
「HRIB北海道バス総合研究所」
http://www.geocities.jp/hokkaidobussoken/
JHBでは、オリジナルのトミカを発売中です。手前の新エアロクィーン貸切車は〔744-7951〕、奥のエアロスターは〔524-9905〕の社号が打たれています。どちらも実在しますが、後者は実際はワンステップだがトミカはノンステップがベースになっています。
どちらも1個900円。各営業所(深川・様似も含む模様)の他、JHBのトラベルセンターとJR日高本線・様似駅で発売。また、通信販売も行なっているようです。JHBのHPで確認してください。
時計台前
(撮影/2009年7月8日)
有名な時計台。JHBはもちろん、中央バスやじょうてつ、さらに道内各地からの高速・長距離バス等も次々に通過していきます。
時計台はもちろん札幌市内の有名な観光地の一つですが、高層ビルに囲まれていて、ガッカリという観光客も多いと聞いています。ただ、羊ヶ岡展望台のような郊外と異なり、札幌駅に近い大都会の中心なのだから、ある程度は仕方がないでしょう。むしろクラシカルな風貌が、無機質なビル群の中で存在感を誇示しているようにも感じられます。それよりも狭い道(ちなみに一方通行)なのに、路上駐車が多い方が気になりました。バスの運行の上でも問題では?
米里線・新札幌線・手稲線・小樽線・啓明線等
開拓の村
(撮影/2009年7月8日)
森林公園駅から10分程度の所にあります。一時期はクラシックなボンネットバス「フロンティア号」が新札幌駅から運行されていた事もありました。
撮影日の時点では旧札幌停車場は外壁工事中でした。鉄道ファン的な視点では「馬車鉄道」が見物でしょう。
札幌駅バスターミナル (入口)
(撮影/2009年7月8日)
札幌駅前の駅ビル「ESTA」の1階にターミナルが整備されています。3番線の傍らにはJHBの案内所もあります。
宮の森シャンツェ前
(撮影/2009年7月8日)
市営地下鉄東西線・円山公園駅からの〔円14〕(市営バス時代は〔西14〕)系統の終点です。ここは20年以上前、市営バス時代に訪れた事があるのですが、その時とかなり様相が変わっている気がします。場所自体が変わったのでしょうか。運転手によれば、JHB転換時点で既にこの位置だったと言う事ですが。
画像の車両は市営から引継の〔524-1981〕。市営時代は〔琴ふ91-33〕です。JHBでは在来車両も含め、札幌圏では全車両行先表示のLED化を完了させています。