ちょうど20年前に製作されたチラシがありましたので、ご覧頂きましょう。阪急バス・西日本鉄道「ムーンライト」、京浜急行電鉄・弘南バス「ノクターン」の成功により火がついた夜行高速バスブームはついに、横浜博覧会「YES89」を間近に控えた横浜にも及び、まず1989年2月28日、神奈川中央交通と奈良交通による横浜〜奈良線「やまと」号が運行を開始しました。翌3月の23日には相模鉄道も夜行バスに参入して近畿日本鉄道との共同運行による「ブルーライト」を開業させた他、既に品川発着の夜行バス数ルートの運行を開始していた京浜急行電鉄も、ジェイアール東海バスと共同運行の「ラ・メール」をスタートさせています。神奈中・相鉄・京急の3社はこの後も次々に夜行高速バスを開業させていく事になります。そして、その宣伝のため、3社連名(というか(社)神奈川バス協会)による宣伝のチラシが製作されました。
 
 画像のチラシはは1989年9月に作成されたものです。車両が3社ともP−MS729SA系(通称「パンダ」)というのが時代を感じます。もちろん当時としては最新鋭だったのですが。京急は神戸線「アンカー」ですね。裏面には運行路線の一覧が記されていて、それによると神奈中が奈良・京都・大阪(大阪駅)線、相鉄が大阪(あべの橋)・田沢湖・金沢線、京急が名古屋・神戸・名張(三重県・品川始発)を運行していました。
(事業社名は当時)

 この後も各地への路線の展開は続いたのですが、21世紀に入って以降、夜行路線は縮小に転じます。相模鉄道が2008年8月一杯で全面撤退しましたが、他社も横浜発着は全般的に不振で、神奈中も子会社の湘南神奈交バスから2008年に横浜神奈交バスに再移管した直後、1号路線の奈良線が廃止されて現在は京都・大阪の2路線のみ、京急も神戸線が早々に廃止になり(阪神・淡路大震災の影響もあったと言われています。)、名古屋線も2008年に廃止になりました。
 代わって、江ノ電バスの新規参入もありましたが(3路線中2路線は相鉄の代替、他1路線は市南部の戸塚が始発)、昨今では、他地域が始発の路線を横浜経由に改変するケースが目立つようです。特に京成バスの横浜新規停車が増えています。また、神奈川県とは何の縁もなかった東北急行バス・西東京バスの横浜停車という、以前ではちょっと考えられない形態も見られるようになりました。この他、他社の代替ではありませんが、西武バスの横浜停車も増えつつあるようで、季節運行の宇和島線も大宮・池袋から来て横浜を経由していきます。

 2009年5月一杯を持って横浜神奈交バスも夜行高速バスから全面撤退する事になりました。神奈中グループも20年の夜行バス運行の歴史に幕を下ろす事になります。路線自体は西日本ジェイアールバスが運行形態を見直した上で単独運行とし、神奈中バスは引き続き支援業務を行なうとの事です。
 また、和歌山線は京成バスから成田空港交通に移管される事が既に表明されています。(2009年4月21日)

横浜博覧会の頃
  みなとみらい線開通の節目に製作したアーカイヴ。

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1988年 アステローペ試乗会
  ユニークな構造とスタイルで人気を集めた個性派バスの試乗会の記録。

1枚の下敷きから
  YES89でもらった下敷きには、神奈川の貸切バスの華やかな頃が映し出されていました。

「横浜市営バス 消え行く系統(みち)の記憶」を横浜市交通局内のコンテンツに移動しました。
(2012. 7. 1)

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1989年発行 横浜発着夜行高速バスのチラシ

思い出の路線バス
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