【ダンジョン日報2】 第16-1号 06年06月27日

『アブドゥール繁盛記』



 強欲なる商人アブドゥール。ダンジョンの中に店を構えているというのに、近頃ずいぶんと客の入りが多いらしい。
 しかし、実際に買い物ができるだけの財力はなかなかないらしく、大抵はモンスターをけしかけられては退散させられ、冷笑とともに見送られる。
 今日訪れた客も、そのひとりとなるのか……。




今回のトピック 『出会い、そしてすれ違い』

 今日も今日とて兄、ブレイズにシューターに放り込まれたフレイムとその巻き添えを食ったトリガは、ダンジョンの奥で一人の女忍者と出会う。

セニア : 「あや、どちらさん…?」

 ファーストメンバーとセカンドメンバー、ついに出会いの時。しかし。

ジン : (どどどどだだだだ)「今ここにセニア来ませんでした!?」
フレイム : 「来ませんでした」(しらっと)

 会えない人もいた……。







◆ドルアーガの酒場◆ セニアとまぼろしの会話

 今回は、ファーストメンバーはすでにお金が有り余っているという話から始まった。


GM : ファーストはもう、クリア後で資金溢れてるのはしょーがない。いくらカネあっても、アブドゥールと取引したらあっという間に消えると思うがw
セニア : そうですね。アブドゥール足元見てます。強欲ー。
GM : まあ、それが最大の狙いではあるw
GM : ゲーム終盤のお金の利用価値があるだけでも、違うよねえw
セニア : やはり人間は強欲なんですなぁw
アブドゥール@GM : 「だからこそ、このような法外な取引もまかり通るのだよ……くく」
セニア : 「むきぃぃ! てっめぇぇ、くそう今すぐにでもそっち行って……」
セニア : 「……キメラの翼をお買い上げしてやるぅぅ!(何)」
アブドゥール@GM : 「何を怒っているのか分からんが……」(笑)
セニア : 「運が悪いのも、笑いを取ってしまうのも、ダマされるのもおっちょこちょいなのもオチがつくのも全部てめぇのせいだぁぁ!」
アブドゥール@GM : 「どう考えても自業自得? みたいなー」w
セニア : 「く、くぅぅぅ! 潜る、潜ってやる! 表の1F(涙)」
GM : ホントに行くのかw
セニア : 「おうともさ、意地でもさ!(涙)」
GM : じゃ、サクッとやろかw
セニア : え、いいんですか?
GM : やっとかないときちーが暴走しそうでw
セニア : いやぁ、潜らなくても買えた事にしてくれるかなぁとか!(何
アブドゥール@GM : 「ハ。」
セニア : 「な、今キングオブ冷笑したな!チクショー!」

 なし崩し的に、アブドゥールに会いに行くセニアだった。その先に違う出会いが待っていることを、彼女はまだ、知らない。




◆玄室C◆ 出会い

 当然ながら、今さら1層のモンスターなどセニアの敵ではない。スタナーの罠も、ローグ5体もゴブリン3体も、難なく撃破していく。


セニア : ざくざくざっくしー。

 と、そこに人影が……。


フレイム : 「鎧の重みで首が折れるかと思いました……」
トリガ : 「フレイムさん。落ちるのは勝手ですけど、人まで巻き添えにしないで下さい」
フレイム : 「君が耐えないからですよ(無茶)」
セニア : 「あや、どちらさん…?」
トリガ : 「変なレベルの人がいますよ!」
フレイム : 「どうも。突如現れた兄に『逝ってこい』という声とともに専用シュートに蹴り込まれた私です。貴方こそどなたでしょう?」
セニア : 「あたしはセニア。あんた等とご同業だよ、ちょっと買い物に行きたくて一人で潜ってきた。落ちるって言うか、ここ1階だけどねぇ」(笑)

トリガ : 「世の中には、身長の半分“落ちた”だけで死んじゃう探険家だっているんです。落ちるということを舐めてはいけません」
GM : スペランカーのことかー!!


フレイム : 「ところで忍者さん、ジンという元精霊使いに心当たりは?」
セニア : 「………ハ」
フレイム : 「物凄いレベルで冷笑しましたね?」
セニア : 「いや、知りません、知りませんよ」
セニア : 「しっかし蹴り落とすって…落ちてくるのはブレイズぐらいのもんだと思っていたが…」
フレイム : 「兄ですよ」
セニア : 「……そ、そお」(ずささささ)

 そして、会話の裏ではローグ4体が何気に倒されているのだった。



ローグ@GM : 「ぶっちゃけ、勝てるわけねーじゃんさー」




◆玄室D◆ 取引
リコル : 「フレイムとトリガだと………落とされたなこれは」

 アブドゥールの部屋に着く頃には、何故かリコルも加わっていた。


アブドゥール@GM : 「……やれやれ。またお前か」
セニア : 「やいてめぇ! 裏ではよくも騙しやがったなっ」
アブドゥール@GM : 「勝手に押しかけておいてひどい御託だな。あの場にわたしが居合わせる予定など本来はなかったのだぞ」
セニア : 「まぁそこは水に流して、あたしにキメラの翼を売っておくれなさい」
アブドゥール@GM : 「ま、今回は条件を満たしているから取引には応じよう。『キメラの翼』だな。いいだろう」
アブドゥール@GM : 「それはそうと、ジンとかいう男が私を訪ねてきて、お前の行方を知りたがっていたぞ?」
セニア : 「会ったらブッコロスと伝えておいてくれ」


トリガ : 「セニアさんって、ジンさんの話と随分違う人のように見えるんですけど。」(こそ)
フレイム : 「まぁ、目の前にお花畑フィルターが掛かってる人ですから、ジンは(何)」
トリガ : 「ですよねえ。どう贔屓目に見ても、あの話には繋がらないですよねえw」
セニア : 「あの話って何だよ!? つーかいやジンなんてヘタレは面識ございませんけども」(……会ったらブチ殺す)
リコル : 「なんか、妄想してたのはよく覚えてるけどけっこー聞き流してたからなあ」
フレイム : 「今や侍ですがね。ある種、伝説の(嘘じゃない)」
リコル : 「うん、伝説を築いた侍だよね…」
セニア : 「…うじゃ、悪寒もするし。あたしこの辺で失礼するわ…」(汗)
リコル : 「セニア、そっちの買い物はもういいの?」
セニア : 「ああ、今買った…」(ひらひら)
アブドゥール@GM : 「毎度あり」(ニヤリ)
セニア : 「うじゃ、あたしはこれで失礼するわ。しゅぱぱん」(セニアは去っていきました)


◆玄室D◆ 取引2

 さて、残されたのはセカンドパーティのメンバー。


GM : モンスターの落とす宝物を、最大で3品、10倍の値段で買うことができます。
トリガ : 「セカンドパーティーの貧乏さでは、アブドゥールのお世話にはなれないですよねえ」
フレイム : 「リコルは今、所持金は?」 フレイムが今6300持ってるんだよね。1700あればドラグニルの材料、『皆朱の槍』買えるよ? 合計8000G。
リコル : 「あああ…あるうーーー!!」
リコル : 「よし、フレイムに6300借りて、槍を買う!」
アブドゥール@GM : 「思い切った買い物をしたものだな」
トリガ : 「すごい借金ですよ! リコルさん!」w
リコル : 「もうそれはプレイヤーのうんめーよ。返せるだけマシw」
トリガ : 「どんな利子を要求されるか分かりませんよ」(///

 トリガはそこで何を想像して赤面しているのか問い詰めたい。


トリガ : でもドラグニルに必要なもう一つの材料アイテム、『毒巨人の爪』は2000G×10倍で2万Gですよw
アブドゥール@GM : 「ポイズンジャイアントと戦いたいなら、今召喚してやってもいいぞ?」(笑)
フレイム : 「毒巨人はそのうち倒せばいい」


◆玄室D◆ すれ違い

 と。


ジン : (どどどどだだだだ)「今ここにセニア来ませんでした!?」
フレイム : 「来ませんでした」(しらっと)
フレイム : 「というか誰ですかセニアって?」
トリガ : 「ほら、あの人ですよ。ジンさんの脳内の恋人の」
フレイム : 「ああ。あの脳内恋人の」
ジン : 「ええー!? 後姿見たから追いかけてきましたのに!」
アブドゥール@GM : 「ストーカーか君は」(何)
ジン : 「ああ! アブドゥールさん! 私ついにセニアの後姿を発見したんですよ!(輝)」
アブドゥール@GM : 「妄想もたいがいにしておいた方が身のためだぞ」(遠い目)
ジン : 「も、妄想だったんですか…、疲れ目かな…」(部屋の隅で丸くなる)


フレイム : ……いい加減アホは放っておいて、経験点の算出に。
アブドゥール@GM : 「今帰っても大した点数は出ないと思うがな」
アブドゥール@GM : 「ところでどうだね? 多分君たちは全然消耗してないだろうw」
リコル : 「雑魚ぐらいなら何か召喚してもらってもあまり痛くないと思うよ。幼竜の血かな…」
ジン : 「ドラパピーですかー、がんばってー」
フレイム : 「貴方もやるんですよ」


◆玄室D◆ 召喚
アブドゥール@GM : 「……あー、ドラゴンパピーを召喚すればいいのだな?」
フレイム : ドラパピと、何か。召喚イベントだから、幼竜の血持ってるドラパピと、同じB6の雑魚のどれかがランダム。
フレイム : 最悪を考えよう。
アブドゥール@GM : 「くっくっく。すまんな。召喚のダイスが3336だった」(笑)
GM : ドラゴンパピーが4体、5体。んで、4体の方が奇襲w
リコル : 「フレイムの想定した最悪とどっちがマシ?」w
フレイム : 俺が想定した最悪に大分近いかな。ドラパピ10体で全部【火の息】が最悪。
リコル : 今は奇襲だから【火の息】は来ないよね?
GM : 奇襲ターンだろうとブレスや魔法は飛んでくるよ。《狙撃》ができないってだけ。
リコル : あ、そうなんだ…うーん今のうちに色々かけようと思ったのに。
フレイム : リコルは《神の衣》。
リコル : 使うしかないねw
フレイム : オーダーは一つ。「凌げ!」(w
GM : では、奇襲に参加したドラゴンパピー4体が【火の息】を発射。4人とも4回、抵抗判定ダイスをどうぞ。ドラゴンパピーのブレスの抵抗の目標値は14ディス。
GM : ダメージは1射目10、2射目10、3射目13、4射目12でっす。
トリガ : では、《神の衣》を貰ったら頑張って抵抗しましょうw
リコル : 《神の衣》使った。MPPもらわないと《全治癒》が使えなくなった(笑)
フレイム : いや、私がMPP預かってるからw
リコル : このターンで投げてー。2回復すればいけるからー。

 そして抵抗判定。悲鳴が湧き起こりつつ、全員が15〜30点近いダメージを受ける。


フレイム : リコルにMPP投げます。
フレイム : うお、ぎりぎり、3。MP3点回復しました。
ジン : 一番やばい人ー。癒しまーす。
フレイム : まず《全治癒》やってからです。リコルは《全治癒》にTPを最低1は入れるようにw
リコル : 次のターンでないと唱えられないよ? 《神の衣》使ったから。
フレイム : 「……そうでしたね」
アブドゥール@GM : 「おや……これはまずいんじゃあないかね?」(ニヤニヤ)


◆玄室D◆ 撤退

 危機的状況に陥った一行に、コーラー、フレイムが下した判断は――。


フレイム : 「……提案がありますが」
フレイム : 「私は転移の指輪を持っています」
リコル : 「逃げる?」
フレイム : って、ちょっと考えます。待ってね。
GM : ドラゴンパピーは9体います。
リコル : 次…TPいっぱい入れて《静寂》とか無理?
フレイム : 1グループ防げても、もう1グループ居ます。
ジン : 私、今魔術判定2Dです(汗)
トリガ : 次のターンの私へのブレスのダメージと白兵戦のダメージは気にしなくて良いですよ。《間一髪》使いますから。
フレイム : それも、TPによる死亡回避も既に視野に入れて、「こいつらに勝てる」かどーかを考えているw
リコル : 次、ブレスをTP復活と《全治癒》で凌いだとして…何体潰せるか。白兵で死ぬね。
アブドゥール@GM : 「トリガ君が昔取った杵柄で、《電光石火》を撃って1匹でも奇襲参加を防ぐべきだったんじゃないかと思うがね」(笑)
フレイム : ……ん、リコルの古代語魔法のレベルが足らない。帰ろう。そして、クレスポを誘って表のB5辺りに潜ろう。
フレイム : 有体に言おう。《灰燼化》。
アブドゥール@GM : 「使える奴がいないな」
リコル : ああ…それかあ…。
ジン : 「後衛は…必要なんですね」(ほろり)
GM : じゃ、次のターンで転移の指輪ですかね。
フレイム : 「……大赤字ですが仕方ありません。指輪よ!」
アブドゥール@GM : 「またのお越しを」(ニヤリ)

GM : 今回の経験点は、一人あたま6点です…w



 こうして、セカンドパーティは初の敗北を喫した。





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