2007年02月08日

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適当RPG【修羅の力】リプレイ


第二話【幕間】 『よりいずるもの』


◆はじめに◆


 適当RPG小説『修羅の門』とのリンク企画第2.5回。
 今回は、 適当RPGシナリオ『修羅の門』第二話『憑依竜槍』【mixi】 の後半にまつわるセッションです。

ブレイズ : 「というわけでいつの間にか居る俺だ。実は最初から見てたという話がないでもないが」



今回の参加メンバー


イスト
魔法剣士

ブレイズ
司教

シーマ
怪盗

フレイム
戦士

ジン
 



◆01◆ 取調室にて

 前回の直後にあたるエピソードである。 そこにブレイズが、いた。
 テオはリコルを看るために席を外している。
 ジルとタックはいない。小説では上手いことに、帰ったことになっている。


シーマ : 「それはそうと…そもそも何を聞き出すんだっけ?」(笑)
GM : あらすじ確認しますか(笑)
GM : ドラグニルが危険とかいう今日この頃。ナイスなタイミングでリコルさんが襲われました。
リコル : むしろ襲いました。
GM : なんとか(?)撃退しつつ、しかし槍は変な力に呪われたままです。
GM : しかし、その呪いをジンがいとも簡単に解いてしまいました。さあ、なぜでしょう?な、お話です。
シーマ : 「あ、思い出した。詳しい事は後で話しますって言ったわよね、ジン」
リコル(のPL) : 取調室の流れ的には、イストの後でブレイズとシーマだと思う。物理的に行くのは後…(笑)
シーマ : 「で、何をもったいぶってるわけ?」
リコル(のPL) : つ「カツ丼」
ジン@GM : 「もったいぶってる……と、言いますか」
ジン@GM : 「知られたくありませんでした。できれば」
ブレイズ : 「吐くなら吐け。喋る気がないなら黙って墓まで持っていけ」
ブレイズ : 「世の中な、どうにもならんことはどうにもならんのだ」
ブレイズ : 「躊躇すれば失われるのは時だけではない。機会も失われるのだからな」
ブレイズ : 「……ちっ、貴様がとっとと話さんからガラにもなく説法めいたことを口にしてしまっただろうが!」(ぉぃ
ジン@GM : 「はうあ」
シーマ : 「そうよねー。話すと言っておいてなにそのモタツキぶり。話がまわりくどい人って、どこぞの誰かさんみたいにウザがられるわよ?」
ブレイズ : 「堅苦しくやるのは村で飽き飽きなんだよ! 俺が爆発(文字通り)しねえうちにとっととやれ、さもなくば死ね、いますぐ角で頭打って死ね!」
シーマ : 「死体になったら喋れないわよー。この世界には死人から言葉を聞くような呪文もないし」(笑)
ブレイズ : 「(いつのまにか手榴弾を手に持っている。ピンに指をかけようとしている)」
シーマ : 「(面白そうなのでセニアから借りたシルヴァンボウを構えている)」←いつの間に再び借りたのか(笑)
シーマ : 「はー。腕がしびれてきたわね。さっさと話し終わらないと《アットピンホール》つきで引き金引いちゃうかも…」(笑)
ジン@GM : 「……チョウの目的が何なのかは、私には分かりません」
ジン@GM : 「ただ、過去にあったことを話す事しかできません」

 そしてジンは語り始めた。





◆02◆ 憎しみを与え続ける
ジン@GM : 「先ほどお話したとおり、私は以前あの仮面を……『修羅』をその身に介した事があります」
ジン@GM : 「その時、何故か私は死にませんでした。そして生き残ってしまったが故に、引き取られたセニアの家もまたチョウに襲われた……のだと思います」
ジン@GM : 「そして、セニアもまた、『修羅』を宿しました……たまに、目が赤くなるでしょう? それが、その証なんです」
シーマ : 「え? …気づかなかったわね」(素)
ジン@GM : 「竜の血を受け継ぐ東方人の資質。そして、怨念や狂気に近しい心の持ち主。かつてのチョウはそれを求め、幼い子供に的を絞ったそうです」
イスト : 「………」
ジン@GM : 「そして、あの仮面を付けられた私の兄がセニアの家族を惨殺し。その狂気の中、最終的に選ばれたのがセニア。だったそうです」
ブレイズ : 「仮定が多くて話にならん。……で?」
ブレイズ : 「誰から聞いた。その与太は」
ジン@GM : 「現在。修羅、そしてチョウを封印している人です」
シーマ : 「封印って…フツーに街中に出没してんじゃん、あのイカレ女」
ジン@GM : 「……あれは思念体です。実体ではない」
ブレイズ : 「つまるところ、不浄なる者、か」
シーマ : 「アブドゥールが使ってたアレみたいなもんか。あっちはリコルの飛び膝蹴り通じたけど」(笑)
ジン@GM : 「私は、その人に言われて……セニアを護るため。……セニアが『修羅』として目覚めないようにするため、ここに来ました」
ブレイズ : 「無駄足になりそうだな」
ジン@GM : 「無駄足……ですか?」
ブレイズ : 「手段も分からんのに付きまとうだけだろうが。それがお前の護る、か? 下らん」
ジン@GM : 「……忘れさせないこと、です」
イスト : 「忘れさせないこと。とは?」
シーマ : 「忘れさせたいとか言ってなかった? 前」
ジン@GM : 「私は、そうしてやりたかった……」
ジン@GM : 「けれど表に出さず、心の奥底で狂気を溜め込むこと――それが、怨念を集めることにも繋がってしまう」
ブレイズ : (つまんなさそうに窓の外を見ている)
ジン@GM : 「少なくとも、私を憎しみの対象としてみている間は。セニアは人間としての憎悪を持っていられる」
シーマ : 「考えナシにボコられてたんじゃなかったのね…信じられないけど」(笑)
イスト : 「一つ聞きたいんだが?」
ジン@GM : 「何でしょうか?」
イスト : 「その方法で、修羅とやらに目覚めなかった人間がいるのか?」
ジン@GM : 「……私の兄が、そうでした」
イスト : 「その兄は、今どうしている?」
ジン@GM : 「死にました。正確にはチョウに殺され――そして、『修羅』となりました」
シーマ : 「だめじゃんそれ」
イスト : 「そうか…。ならば方法が間違っていた可能性もあるな」
ジン@GM : 「正しいのかどうかは、分かりません……。ただ、これしか方法を見つけられていない」
ブレイズ : 「久々にセメントに言うが、馬鹿だな。お前」
ブレイズ : 「忘れさせたい? ハ、寝言は寝て言えというのだ阿呆が。貴様があの女に何を見ているか知らんが、その程度で折れるように見えるか、あの阿呆が。出口も分からんのにどこまでも真っ直ぐ進むぞ? きっと倒れるまで止まらん」
ジン@GM : 「せ、セニアを阿呆言わないでください」
ブレイズ : 「阿呆に似合いの馬鹿、か。まあつりあいは取れているな。かなり人間としては駄目な方だが」
イスト : 「セニアには今の方法を話しているのか?」
ブレイズ : 「どうせ何も話しちゃおらんさ。馬鹿だからな」
ジン@GM : 「……彼女に、言えると思いますか」
イスト : 「逆に聞こう。なぜ言えない。忘れさせないことが方法だと言うのなら、それが一番の早道だろう?」
ジン@GM : 「言えませんよ。憎んでくださいと言われて、憎める人が居ますでしょうか」



◆03◆ 仲間
ブレイズ : 「方法が見つからない。だから胸に秘める。底なしだな。底なしの馬鹿だ。しかも悪い方の馬鹿だ。進む事を知れ。犠牲無しに進めると思うな、倒れようが吹き飛ばされようが、その気概も無く足を止めて『他に手段が無い』だと!?」
ブレイズ : 「いいか。一度しか言わん。良く聞け」
ブレイズ : 「貴様は、俺の仲間を愚弄する気か」
シーマ : 「…ブレイズ、あんた」
ジン@GM : 「……っ」

GM : (セニアを仲間だと思ってたんディスカ!?)


ブレイズ : 「貴様が何を知る。あの女の何を知っている。ああ、そうだな。俺よりもお前が良く知っているというだろうさ。幼馴染だったか?」
ブレイズ : 「貴様は知らんだろう。まだ吹けば飛ぶような弱さでともに味わう恐怖を」
ブレイズ : 「貴様は知らんだろう。あの女とともに味わった闇の深さを」
ブレイズ : 「貴様は知らんだろう。あれの背を見ながら呪を唱える頼もしさを」
ブレイズ : 「貴様は知らんだろう! あれの強さを!」
ジン@GM : 「……貴方は、セニアを知っているというんですか?」
ブレイズ : 「俺の仲間を馬鹿にするな、というのだ! 俺がともにあろうとした仲間だぞ!」
ブレイズ : 「それがただの女であってなるものか! 馬鹿でどこか抜けていようが、あれは俺の仲間だ! つまりは、世界で最高の冒険者ということだぞ!」
シーマ : 「過去のセニアは知らなくても、今のセニアが…いかに成長していったか。それはあたし達の方が、ずっとよく分かってるつもりよ」
イスト : 「(わずかに笑顔になって、眺めてる)」
ジン@GM : 「……今の話を聞いても、あの子を仲間だと言ってくれるんですか?」
ジン@GM : 「今のうちに殺そうとか、思ったり、しないんですか?」
ブレイズ : 「今度は俺を馬鹿にする気か」
シーマ : 「……殺してどうするの。救われないじゃない。誰も」
イスト : 「それを言ったら、俺はブレイズをこの場で始末する羽目になるが?(笑)」
ジン@GM : 「恐れてました……それを。あの子が危険なものだと知って、貴方達がなんと言うか」
ブレイズ : 「どこまでも見下げ果てた男だな、貴様は」
シーマ : 「危険とやら、あの迷宮の中にどんだけ転がってたと思ってんのよ」
フレイム : 「……うちの前衛に勝手に三行半を突きつけないでください」(ずっと見てた奴)
シーマ : 「今言った話くらいで、ケツ巻いて逃げ出すようじゃ、とっくの昔に離れ離れになってたわよ、あたし達」
イスト : 「そうだな。今の話を聞いて騒ぎ立てるのは、ヒーくらいのものだ」
ジン@GM : 「……ヒーさんはいつも騒いでるじゃないですか」
イスト : 「その通り。つまりは、態度を変える奴はいない。ということだ」
ジン@GM : 「愚かでしたね……愚か者、ですね」
ブレイズ : 「……つまりは、お前の言う信などその程度、ということか」
ブレイズ : 「これ以上下らん事を言うなら去ぬるがいい。今なら追いはせんぞ」
イスト : 「その辺にしておけよブレイズ。このままだとお前と侍少年で、どんどんとプラスとマイナスにテンションが移動していって、厄介このうえない」
ジン@GM : 「でも、よかった……皆さん、セニアを信じてくれて……」
イスト : 「あー、セニアを信じる。と言うのとはちょっと違うな」
ジン@GM : 「え…?」
イスト : 「俺たちはセニアを仲間としている、自分たちの判断を信じている。だから、相手がどんな奴だったとしても、態度を変える必要がない」
ジン@GM : 「イストさん……」
イスト : 「だから、たとえブレイズが爆弾魔だろうと、ジーナが村正持ってから、ちょっと危なくなってようと関係ないのさ(笑)」
ジン@GM : 「有難う……貴方達になら……っ(どす)
GM : 言葉の途中。突如、ジンが倒れた。
GM : その胸は、突如出現した黒い槍に貫かれている。
シーマ : 「…ちょ…!」
フレイム : 「……!」



◆04◆ 『修羅の槍』

 それは異様な情景だった。黒い槍に貫かれたままのジンの口が開く。


???@GM : 「話しすぎだ、愚か者めが」
GM : 倒れたジンの口から滑り落ちたのは、ジンの声色とはまったく違う声だった。
イスト : 「ふん。やはり魔法剣士が裏で糸を引いていたか」
ブレイズ : 「この胸糞悪い邪気は……アレ、か?」
イスト : (リコルのドラグニルから吸い取ったモノ。だろうな)
ブレイズ : 「なんだ小物か」
???@GM : 「貴様ら。今更忘れろとは言わん、せいぜい、あの小娘を脅しておけ」
イスト : 「お前如き弱者の話を伝えたところで、ただの笑い話でしかないことも気づかんのか」
???@GM : 「は、勇ましい限りだな」
シーマ : 「その子をどうする気? 傷物にしたらタダじゃおかないわよ?」
???@GM : 「さあな。それはチョウが決めることだ」
イスト : 「とっとと尻尾巻いて失せろ。下衆がッ!」
???@GM : 「なら、そうさせてもらおうか。槍を介してだと、あまり長く操れないからな」
GM : そう言うと、虚ろな目をしたままのジンはゆっくりと立ち上がる。
???@GM : 「俺は『修羅の槍』ソウメイ。縁あらば、又会うこともあるだろう」
ブレイズ : 「予言してやる。ありがたいお言葉だから良く聞けよウスラトンカチ」
ブレイズ : 「何がどう転んでもお前は負ける。何故なら俺たちを敵に回したからだ」
イスト : 「ブレイズ」(《快癒》をジンに掛けろ。と目で合図)
ブレイズ : 「(わずかに頷く)」
ブレイズ : 「――癒しよ!」 《快癒》をジンに。
ジン@GM : 「……っ!!」(瞬く間に傷がふさがると同時に、再び生えた槍に貫かれる)
???@GM : 「無駄だ。苦しめるだけだな」
イスト : 「さてそれはどうかな?」
イスト : 「操ってる貴様の槍の力で、対抗できるものならしてみろ」 《戦姫の槍》を槍の先端に激突させて槍を抜く!
GM : しかし、槍が届く前にジンの姿は掻き消える!
シーマ : 「…《瞬間移動》ね。逃げられたわ」
ブレイズ : 「……次にやる時は《願う》必要があるかもしれんな」
シーマ : 「できることなら、そんなリスクしょいたくないけどねー
GM : と、ジンが姿を消したのと、ほぼ同時。宿屋のドアを押し開いて駆け込んでくる陰が一つ。
GM : 初めて見るその人影は、その手に黒い竜槍を携えていた。
???@GM : 「間に合わなかったか――」
シーマ : 「遅いわよこのヘボ助が!」(ごめす)
シーマ : 「…あれ? あ、知らない人ね。よく見たら。『間に合わなかった』なんていうから、てっきり事件関係者かと…」(オロオロ)
フレイム : 「理想的なカウンターでしたね(淡々と)」
ブレイズ : 「関係者には違いなかろうが(槍を指して)」
ブレイズ : 「……誰と間違ったか知らんが、シーマ。顔面の中央はさすがに痛そうだな」
イスト : 「今の状態のシーマに近づくとは運が無かったな」
リコル(のPL) : 誰だか知らんが、いきなり来て、いきなりシーマに殴られるのか……(涙)
GM : なんて、災難な。
GM : てなところで、次回に続く!デス

 次回、この一撃の行き先は、何故かジーナになっているのであった……。






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