11,「モグラの生態」



 この辺りには2種類のモグラがいます。大きいモグラがコウベモグラ,小さいモグラがヒミズです。モグラは,昼も夜も活動しせっせとトンネルを掘って地中をパトロールし餌を探しています。田や畑や草原の所々に黒土が盛り上がったところが見られますが,これは「モグラ塚」といってトンネルを掘り進むうちにたまった土を地上に押し上げて捨てたところです。モグラの食物のほとんどはミミズ類(70%〜90%)です。大食いで,すぐに腹がすくので昼も夜も餌を探しまわるのです。地中にいるコガネムシやガの幼虫・さなぎも食べます。よく,サツマイモをモグラがかじったと言いますが,それはモグラのトンネルを利用しているアカネズミなど野ネズミの仕業なのです。
 モグラは大変きれい好きで,巣のどこかにトイレを作り,そこで用をたしています。また,巣もきれいな草を敷きつめ清潔にしています。雄は雌が子どもを生む頃には雌と雌と別れて一人暮らしをしますので,子どもの世話は雌だけがします。子どもは2〜5匹で,生まれて40日もすると親から別れ新しい土地にめいめいの縄張りを作り生活します。
 モグラは畦などに穴をあけ農家から嫌われますが,モグラがいるということは土地がよく肥えている証拠。きれい好きで愛嬌のあるモグラと人間が共存できる工夫をこらしたいものです。
                                      中西 正一先生


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