13,「ツミ(ワシタカ目・ワシタカ科)」



 ツミは,ハトくらいの鳥ですがとても速く飛ぶので目にすることはまれです。ツミは猛きん類で小鳥・ノネズミを主なえさにしています。小鳥は,素早く逃げることのできるやぶや林にすんでいます。その小鳥を捕るためにツミは速く飛び急旋回が出来ます。今まで県内の観察例は少なく1974年庄原市で衝突死,1997年神石町相度で一羽。永野で一羽・窓ガラスに衝突したり鉄砲に撃たれて死んだ例があり,いずれもはく製として保管されています。
 ところが,この町にもツミがすんでいました。公民館の窓ガラスに衝突し落ちたツミを館長が持って来てくださいました。しばらくするとショックも和らぎ元気になりました。猛きん類らしい鋭く輝く目。爪は,私たちの手にぐさりと突き立つ恐るべき鋭さでした。じっくり観察し写真も撮った後,大空へ逃がしてやりました。
 ところで人間が住む環境を考える時,その物差しの一つが猛きん類の存在です。ワシタカなどが多いということは,餌になる小鳥が多いことを意味しています。人間がいつまでも地球で暮らせるために,小鳥がたくさん群れ飛びワシタカの仲間が多くせい息する環境づくりに努力したいものです。
                                       中西 正一先生


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