18,「キツリフネ(ツリフネソウ科)」



黄色い花をつける釣舟草
 ウメバチソウやマツムシソウが咲き始め,路傍にも,ヨメナやキキョウ・オミナエシやツリガネニンジンなど色とりどりの花が咲き誇る秋がめぐって来ました。
 今回は秋に咲く花「キツリフネ」を紹介しましょう。水田に流れ込む溝の周辺や湿地のいたる所にピンク色のツリフネソウを見かけられる人は多いと思います。しかし,黄色のツリフネソウ=キツリフネを見かけられる人は少ないのではないでしょうか。ツリフネソウは花がちょうど舟を釣るように見える様子から名付けられました。キツリフネは黄色い花をつける釣舟草という意味です。キツリフネは,杉林や休耕田などの日陰に見ることができます。ホウセンカの仲間ですので,種が入ったさやに触れるとパンとはじけて種を散らします。この種を集めて家の周りの木陰にまいてみましょう。毎年のように花を楽しむことができます。野草の中にはキツリフネやカタバミのように種をはじく物・タンポポのように綿毛で飛ばす物・ヌスビトハギのように動物の身体にくっつく物など仲間を増やすためにいろいろな知恵を働かせています。このように,仲間を増やそうと努力する野草たちの生き方から多くのことを学ぶことも楽しいものです。
                                       中西 正一 先生


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