23,「ミノムシ(ミノガ科)」



チャミノガは,小枝で蓑を作り,木の枝に付着
 ミノムシは,ミノガの幼虫が木の葉や小枝で作った「巣」の状態のことで,蓑の虫という意味があります。ミノムシは,冬の風物詩として誰にでも親しまれてきました。皆さんもきっと手にされたことがあるでしょう。

 ぶらりミノムシ
  死の影そろり
 西日本,全滅の危機

という見出しの朝日新聞(1月12日)の記事が飛び込んできました。中国から入って来たと見られる天敵の寄生バエが猛威をふるっているというのです。このハエは現在,九州をはじめ中国地方,四国や大阪,名古屋,東京などに広がっています。私は,早速ミノムシを探してみました。チャミノガ(写真のもの)は見つかるのですが,オオミノガの蓑は見つかりません。絶滅の危機というのは「オオミノガ」のことでした。
 オオミノガが主に木の葉で蓑を作り,ぶら下がるのに対して,チャミノガは主に小枝で蓑を作り,木の枝からぶら下がらずにぴったり付着しているので区別がつきます。本当に,オオミノガがいないのか,みなさんも調べてみてください。ところで,ミノガの仲間は世界に約300種が分布し,日本には約10種分布していると言われています。オオミノガが中国からの寄生バエによって絶滅させられるように,環境問題は国際的な問題としてクローズアップされています。
                                       中西 正一 先生


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