ツリフネソウはこの町の至るところで見ることができます。ピンク色に染まった鮮やかなこの花の群落に出会うと感激します。湿地に生えているので容易に抜くことができます。しかし,茎が折れやすく傷付けないように採るのは大変です。それよりも一年草ですから種を採取して育てる方が早道です。時々ピンク色の花に混じって白色のツリフネソウを見かけることもあります。 ツリフネソウはぶら下がった花が帆かけ舟に見えることから名付けられました。ユーモラスな名前ですね。この花をよく見ていると面白いことに気付きます。ぶら下がった筒状の花のしっぽが巻き貝のようにくるくると巻き込んでいることです。さらに良く見ているとハチがこの花のしっぽの部分に集まってくることです。 実は巻き貝のように巻き込んだ花のしっぽの部分から甘い蜜を出しているのです。 ツリフネソウと同じ仲間にキツリフネやホウセンカがあります。これらの仲間に共通していることは,よく熟した実をつまむとぱっと開いて種を飛ばすことです。茎をゆるがしただけでもはじくことがあるので面白いですよ。自然いっぱいの町です。子どもたちにも,小さい頃から,これら植物が持っている不思議さや面白さに直接触れあい感性豊かな子どもに育ってほしいものです。 中西 正一 先生 |