39,「オオアカゲラ(キツツキ科)」



 「キツツキが子育てをしていますよ」と教えて下さる方がおられました。いつもガスや灯油を配達されるので地域の様子をよく知っておられます。ありがたい。私は早速,観察に出かけました。
 「ケッケッケッ」と警戒して親が鳴きます。キョキョキョと雛が応えます。鳴き声からすると,アカゲラかオオアカゲラだなとログハウスの片隅に隠れて巣穴に来るチャンスを待ちました。
 この辺りにはアカゲラ・オオアカゲラ・コゲラ・アオゲラが棲息しています。アカゲラとオオアカゲラは姿も鳴き声も似ていますがオオアカゲラの方がやや大きく脇腹に縦斑があるので見分けがつきます。
 隠れ待つこと30分。やっと親が巣穴に飛んできました。オオアカゲラです。めったに見られない光景に私の心臓は高鳴りました。それからというもの何日も通いやっと写真に収めました。
 オオアカゲラは生きた松の木に巣穴をあけていました。でも,よく見ると幹の一部が枯れています。なかなか良い木を選んだものだと感心させられました。キツツキが枯れ木をたたく音を聞かれたことはあるでしょう。あの音をドラミングと言います。1秒間に18〜22回たたきます。キツツキは,争いをなくし平和に生活するために,山々に音を響かせ縄張りを主張する知恵を身につけてきたのです。
                                       中西 正一 先生


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