45,「アオサギ(サギ科)」



 羽を広げると1m50pを超す大型の野鳥です。大切に飼われている池の鯉を捕られて腹立たしい思いをされた方は多いことでしょう。
 アオサギは川,水田,干潟などに生息し,水の中をゆっくり歩いたり,じっと立ち止まって待ち伏せしたりしながら魚を捕らえます。大きな魚はくちばしでさして捕ることが多いようです。捕らえた魚はくわえ直して頭から飲み込みますが,岸に打ち付けて殺したり,飲み込む前に洗うこともあります。
 この辺りでは1年中生活しているので雪の降る池にじっとたたずむアオサギを見られることもあるでしょう。そんな姿を見ると可愛くも思います。
 全国的にはアオサギのコロニー(集団で生活する形態)は減少していると言われています。しかし,ここでは増加しているように思います。その理由として考えられるのがダムの増加です。ダムの近くの橋の辺りには毎年大きなコロニーを作りますし,ダムにもコロニーをつくります。ダムをはさんだ対岸の崖や林は安心して巣づくりができる場所なのです。巣は梢に小枝や枯れ草を積み重ねた粗雑なものです。産卵期は4〜5月,卵数は3〜5個,抱卵日数は25〜28日くらいです。約50日で巣立ちます。
 私たちが子どもの頃にはアオサギを見たことがありません。ダムができるなど環境の変化によってアオサギは増えたのでしょう。しかし,その陰に減少していく生き物がいることも見逃してはならないでしょう。
 
                                       中西 正一 先生


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