46,「オオカマキリ(カマキリ科)」



 カマキリの仲間は,体が細長く,前足がかま形で,成虫・幼虫ともに肉食性です。日本には,2科10種が分布しています。皆さんがよく見られる大きなカマキリのほとんどがオオカマキリです。オオカマキリのたまご(卵のう)は球形に近いもので,よく見かけられると思います。
 いわゆるカマキリはオオカマキリより少し小さくて,卵のうは細長くてかたいのが特徴です。茶色をした5pくらいのカマキリはコカマキリといいます。前足のかま形のところに美しい模様が見られます。コカマキリの卵のうもカマキリに似ていますが小さいのが特徴です。冬,山仕事をしていてカマキリの卵のうを見られたら,その形で何カマキリか判断したり,何カマキリが多いか調べてみたりするのも面白いですよ。
 ところで,カマキリの雄にとって,雌との交尾は命がけです。雄は雌をみつけると後ろのほうからそっと近づきます。交尾前に雌に気付かれたら餌にされてしまうからです。交尾がすむと,雄は食べられてしまうこともありますが,うまく逃げることもあります。
 私は,交尾しているカマキリを捕まえてきて,何回か観察してみました。雄は雌の体にしがみついたまま食べられてしまいました。まず最初に雄の頭を食べてしまうのには驚きました。雌は雄の羽を残す以外は全て食べ尽くしてしまいます。カマキリの恐るべき不思議な世界です。 
                                       中西 正一 先生


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