47,「マガモ(ガンカモ科)」



 渡り鳥には夏鳥と冬鳥がいます。代表的な冬鳥にはツルとカモがいます。今回はカモの仲間のマガモを紹介しましょう。写真は1羽が雄で2羽が雌です。野鳥の仲間は雄の方が雌より美しい姿をしています。それには二つの理由があるようです。その一つは,雄は美しく見せて雌を引きつけるためです。もう一つは,敵に目立つようにして一家を守るためです。キジもヤマドリもそうですが,雄は敵と戦うために足の後ろ側に鋭い蹴爪(けづめ)を持って生まれてきます。このように,お父さんには一家を守る義務が与えられているのです。
 ところで,マガモを見られたことがありますか。福山の芦田川などではよく見ることができますが,この辺りの川やダムでも時々見ることができます。特に雄は緑色の頭が美しく目を引きます。いつもは見られないマガモなどに出会うと幸運に恵まれるような気持ちになります。
 私は,野鳥の研究をするまでは「カモのように水の上に浮かんでいる鳥は魚を餌に生きている」とばかり思っていました。しかし,カモの仲間が昼間は安全な湖や川や沼の水面で生活し,夜になると地上を歩いて草の実をついばんだり,泳ぎながら水中に首をつっこんで水草をとったりして生活していることを知り驚きました。カシやナラの実を好んで食べるオシドリなどもいます。鳥たちにとって,草の実も水草もドングリも大切な大切な食べ物なのです。
                                       中西 正一 先生


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