48,「ヒラタケ(ヒラタケ科)」



 普通なら夏から秋に見られるヒラタケが見事に発生しました。
 近くの林にヤマグワの枯れ木が立っています。その大木の根元から空を仰ぐように,幹全体にぎっしりとヒラタケが生えました。傘の径12〜18pもありました。枯れたヤマグワの地表すれすれから幹全体に大量に生えたヒラタケに圧倒されました。
 ヒラタケは,普通,夏から秋にかけて広葉樹の枯れ木や倒木に多数重なり合って発生します。傘の径は4〜18p,淡灰褐色,灰褐色,ねずみ色で,開くと扇形〜半円形になります。ひだはほぼ白色で垂生します。柄は白色で短く,白毛があるかまたは無毛です。
 ヒラタケによく似たキノコに毒キノコのツキヨタケがあります。ツキヨタケはひだに発光性があり,暗い所では黄白色に光って見えます。ひだのつけ根に環状の隆起帯があります。縦に割ると基部に黒褐色のしみがあるのでヒラタケとの区別がつきます。キノコを食べる時は,まず,毒キノコをしっかり覚えて,毒キノコかどうか確かめてみることが大切です。分からないことは,専門家に聞くことが大切ですね。
                                       中西 正一 先生


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