59,「アゲハチョウ」



 チョウが美しく舞う春を迎えました。チョウには,成虫のまま越冬するチョウと蛹で越冬するチョウがいます。
 今日,紹介するチョウはアゲハチョウです。アゲハの仲間は蛹で越冬します。羽の色が黄色だったらキアゲハです。写真のように黄色が目立たなかったらアゲハです。
 チョウはまことに不思議な昆虫で,幼虫の時代に食べる食草に違いがあります。モンシロチョウの幼虫はキャベツなどのアブラナ科の植物を食べます。アゲハの幼虫はカラタチやサンショウの葉を食べます。
 アゲハの幼虫が小さい時は鳥の糞の色と同じ色をしています。大きくなると緑色に変わり葉の色とそっくりになります。もし,敵が近付いたならば頭の上から二本の朱色の角を出し異臭をばらまきます。いずれも敵から身を守るために備わった能力なのです。
 アゲハのように大型のチョウになると飛行距離も長く広範囲を飛び回ります。時には道に迷ってしまうこともあります。もし,迷ったら,その辺りで一番高い山の頂上に飛んで行きます。山の頂上からは四方八方が見渡せます。そこで、自分の飛ぶ道を確認して,また飛んでいくのです。人間にも自分の進む道があるように,チョウにもちゃんとした道(蝶道)があり,道をつけながら生きているのです。


                                  中西 正一 先生


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