61,「ウメバチソウ・シラヒゲソウ」(ユキノシタ科)



        金色の 小さき鳥の 形して
            イチョウ散るなり 夕日の丘に
                           与謝野晶子


 紅葉が夕日に映える美しい秋を迎えました。紅葉が散る季節には可憐な草花の種も散っていきます。その中には,絶減寸前の草花もあります。今回は何としてでも残して欲しい2つの草花を紹介しましょう。
 その1つがウメバチソウです。真っ白に咲いた可憐な花が梅の花に似ていることから名付けられました。昭和の50年代には野原一面に咲いていましたが,今ではわずかに見られるだけです。11月には小さな小さな種を落とします。いつまでも咲き続けるよう守って欲しい花です。
 もう1つはシラヒゲソウです。シラヒゲソウは白色の花びらが糸状に切れ込んでいることから名付けられました。実に不思議な花ですね。
 シラヒゲソウは山間の湿地に生えています。この町にも数ヶ所で見られていましたが,道路工事などによりなくなってしまった所もあります。この花も是非守って欲しい花の1つです。このように,この町にも絶滅の恐れのある花がたくさんあります。皆様のご理解を得て守り続けていきたいものです。

                                    中西 正一 先生


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