66,「いぼ神社」

 「21世紀は水の時代」と言われています。水を輸出している国もあります。我が国ではどうでしょうか。ガソリン1リットル90円台の時代にあって,誰もが飲んでいる飲料水はペットボトル1本100円以上ですから「21世紀は水の時代」と言われるのもうなずけます。我が国は山国で水の豊かな国でした。至る所に清水が湧き私たちの喉を潤し田畑を潤して来ました。ところが時代の流れと共に山や水田は荒廃し続けています。また,私たちの生活も変わり生活排水を大量に流しています。
 このような中にあって「昔は冷えて美味しい水がぎょうさん流りょうたがのう」と言われた美味しい水がどんどんなくなってきています。
 しかし,一方では,大昔から名水として地域の人々から信仰を受けてきた名水が生き残っています。その中の1つ「いぽ神様」を紹介しましょう。「いぽ神様」は昔からいぼを落としてくれる水として信仰されてきました。県境にあり林道を約100m下った所にあります。大きな1本杉の袂に小さな社があり糸を引くようにわずかの水が出ています。アトビー性皮膚炎・癌にも効くと言われ訪れる人が増え続けています。わずかな水を求める人たちの姿に水の大切さを強く感じるのです。
 ・・・自然は人を育て人は自然を守る・・・
 未来に生きる子ども達に豊かな自然と水を残したいものです。
 
                                    中西 正一 先生


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