69,「キヌガサタケ」(スッポンタケ科)

 マツタケ・シメジ・タニワタリ等々キノコの季節を迎えました。今年は豊作でしょうか。キノコは,食・不食・毒・猛毒・食毒不明のキノコに大別されます。中でも毒キノコによる食中毒は命取りになることもあるので要注意です。それには毒キノコを覚えておくことです。毒キノコの代表的な物には次のような物があります。ツキヨタケ・テングタケ・ドクツルタケ・タマシロオニタケ・ニガクリタケ等です。
 ある日のことでした。帰宅途中の私の携帯に「珍しいキノコを見つけたので早く見てください」と言う知らせが入りました。車で走っていて山の斜面に見つけたのだそうです。ずっと山に生きてきた人の目は素晴らしいものです。翌朝その場所に駆けつけました。薄明かりの山の斜面にそのキノコを見つけました。
 キヌガサタケです。梅雨期と秋,竹林内に発生することの多いキノコで形の優美さから「キノコの女王」と呼ばれています。発見された場所は谷川沿いの雑木林でした。初めて見るキヌガサタケの優美さにしばし見とれてしまいました。真っ白のレース状のマントのような美しい傘を誰に見て欲しいのでしょうか。わずかの時間だけでも懸命に咲かせるキヌガサタケの姿に心を動かされました。
  
                                    中西 正一 先生


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