84,「ササユリ」(ユリ科)

 〜立てばシャクヤク 座ればボタン 歩く姿はユリの花〜ユリの花が美しい季節を迎えました。ユリにもたくさんの種類がありますが,この町で自然の中に生えているユリはサワユリ,コオニユリ,ヒメユリです。コオニユリは,川沿いの岩山で観察することができます。ヒメユリは,自然の中で見たことはありませんが「昔は,この辺りにたくさん生えていたのですよ。」 と話してくださる方がおられます。濃赤色の可愛い花でした。
 今回は皆さんお馴染みのササユリをご紹介しましょう。ササユリはいつでも誰でもが手にできるユリでした。花を摘んでは匂いを嗅いだり,花びらを探って蜜をなめたりしました。雄しべの花粉で鼻先やほっペが赤くなり笑い合ったものです。学校へも持って来る子どもがたくさんいたので学校中がササユリの香りに包まれました。
 ササユリにも色々あるようです。1992年に見せてもらったササユリは一輪の花に花びらが10枚,雄しべが10本もありました。また,ササユリは普通1本の茎に一輪の花を咲かせますが,写真のように毎年たくさんの花を付けるものもあります。これらササユリも最近では激減しあまり姿を見かけなくなりました。でも,山の手入れをされたササ山ではササユリを見ることができます。
 〜自然は人を育て 人は自然を守る〜と言うように山の手入れをすることで多くの草花が守られてきました。やはり人と自然は共存関係にあるのですね。

                                    中西 正一 先生


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