完成品ができるまで【組み立て編】

普段私が行っている組み立ての工程を簡単にご紹介します。
製作の参考にしていただければ幸いです。

【パーツの洗浄】
パーツには離型剤というシリコーン系の成分が付着していますので、専用液を入れた超音波洗浄機で洗います。ご家庭で作られる場合は、次のブラシ洗浄の工程を念入りにやっていただければ特に必要ありません。
強力な離型剤は洗浄機だけでは落ちきりません。歯ブラシ等に中性洗剤とクレンザーを混ぜたものを付けてゴシゴシと磨くように洗い落とします。 洗い残しがあれば塗装後にはがれたりすることがありますので、時間をかけてしっかりと落とします。
【ゲート、パーティングラインの処理】
成型時にできるゲート(湯口)と呼ばれる不要部分はニッパーで切り取り、デザインナイフ等で整えます。
各パーツにはパーティングラインというシリコン型同士の合わせ目にできる筋や段差がありますので、リューターやヤスリを使い、毛並みを復元するように処理していきます。 赤く示した部分がパーティングライン。
このような筋が付いています。
私は主にリューターを使っていますが、ご家庭で作られる場合はデザインナイフや彫刻刀、ヤスリ等を使って、埋まった溝を掘るような感じで処理してください。 表面がツルっとしているパーツでしたらサンドペーパーでゴシゴシ削れるのですが、こういった毛並み表現のあるモデルはちょっと厄介です。根気よく復元していきます。
処理後。
いろんな角度からライトをあてて確認し、完全にパーティングラインが消えるまで処理します。
【接着】
パーツ同士の接着には、瞬間接着剤か2液混合タイプのエポキシ系接着剤が一般的です。 私は瞬間接着剤(シアノン)を使用しています。

※接着前にパーツ同士がぴったり合うか確認してください。
【接合部の処理】
接着したパーツ同士の合わせ目は、極細ノズルを付けた瞬間接着剤で埋め、硬化促進剤をスプレーします。接着剤は高粘度タイプを使用してください。模型用のパテでもいいでしょう。
接着剤が硬化したら、パーティングラインの処理と同じ手順で毛並みを復元します。
まれに気泡による小さな穴が開いている場合がありますので、これも接着剤やパテで埋めてから毛並みを復元します。
【洗浄】
全ての接合部の処理が終わったら、モールドに詰まった削りカスや手脂を落とすため、最後にもう一度洗剤で洗います。
以上で組み立ての工程は終了です。パーティングラインや接合部の処理に多少時間はかかりますが、作業自体はそれほど難しいものではありませんので、模型制作の経験がない方も是非チャレンジしてください。

※「その15」は右腕を接着してしまうと舌の塗装が困難になりますので、塗装が終わった後に接着し、接合部を修正します。



 ■完成品ができるまで【塗装編】につづく



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