完成品ができるまで【塗装編】

普段私が行っている黒ブチ猫の塗装方法を簡単にご紹介します。
制作の参考にしていただければ幸いです。

【塗料&プライマー】
基本的にはGSIクレオスのラッカー系塗料で塗り、ウォッシングや細かなところはタミヤのエナメル塗料を使用します。

下地塗装剤のプライマーは、ホームセンターで売っているミッチャクロンマルチを使っています。
【下地塗装】
着色の前に塗料の食い付きをよくするプライマー(ミッチャクロン)を吹き付けます。薄い塗膜で十分な威力を発揮するので、毛のモールドが埋まらないように軽くサッとスプレー。以前はプラサフを使っていましたが、今のところ猫造形にはこれが一番しっくりきています。
【被毛の塗装】
まずは被毛の白を調色します。使うのはGSIクレオスのラッカー系塗料。小さじ一杯程度のつや消しホワイトに微量の黒、黄、赤を混ぜて色を落ち着かせます。つまようじの先にちょっと付ける程度で、赤は少なめに。
調色したホワイトをエアブラシで塗装。
【肌色系の塗装】
こちらも使用するのはGSIクレオスのラッカー系塗料。 小さじ一杯程度のつや消しホワイトに、少しずつ赤を足して薄いピンク色を作ります。そこに微量の黄と黒をプラス。
鼻は画像のようにマスキングをしてエアブラシで塗装。
耳の内側もエアブラシで。毛のあるところは薄くグラデーション塗装します。
肉球、口、まぶたのフチは筆塗りで。
ここはそれぞれお好みにより赤みを加えたり、白を足して淡くするなど調整してください。
舌を出しているモデルは、さらに赤と黒を加えて濃くした色を筆塗りし、乾燥後、白に近いライトグレーを舌の中央にうっすらとエアブラシ塗装。
【ウォッシング(墨入れ)】
先に塗ったラッカーの塗膜を侵さないエナメル塗料を使って、モールドを際立たせるウォッシングという塗装を行います。 小さじ2杯ほどのタミヤ エナメル塗料溶剤にフラットブラックを溶かし(細筆の先に少し付けた程度)、そこにフラットレッドとフラットイエローを微量加えます。
プラバンに筆塗りをすると、ご覧のようにシャバシャバ。
太い筆を使って大胆に全体を塗ります。エナメル塗料は、ラッカー系の塗膜を侵さないので、この状態からでも溶剤を使って拭き取ることができます。

ただし、つや消しの白へウォッシングする場合、濃度が高かったり、細い筆で少しずつ塗ったりすると染み込む場合がありますので注意してください。
白く残したいところは、乾く前に布等で拭き取り。
モールドを強調したいところや、陰影をつけたいところは、乾燥後、エナメル溶剤を綿棒に付けて、溝に溜まった塗料を残すように拭き取っていきます。 一度でうまくいかない場合は、様子を見ながら何度か繰り返します。
指の間は、クッキリとした「墨入れ」の効果が得られるよう、少し濃くした塗料を流し込みます。乾燥後、はみ出した部分はエナメル溶剤を付けた綿棒で拭き取る。
ウォッシング前のものと比べると、腕の間や指の間の影が強調され立体感が出ています。
【目の塗装】
まずベースとなる色の調色です。ラッカー系塗料の白と黄を同量混ぜ(画像程度の量)、そこに微量の黒と青を加えます。

模型映えするように黄色を強くしていますので、お好みに合わせて白を多くするなど調整してください。
調色したものを筆塗り。
眼球の周りをエナメル塗料の濃いグレー、もしくは焦げ茶で極細の筆を使い描いていきます。

はみ出したり太くなったところは、綿棒にエナメル溶剤を付け拭き取る。

綿棒(細紙軸)の軸を斜めにカットしたものに溶剤を染み込ませてかるく拭き取ると、比較的きれいに仕上がります。
目を閉じ気味のモデルや、閉じたモデルは、白を多く混ぜた明るめの線を引くか、ウォッシングの項目で指の間に行った「墨入れ」の要領で表現。
黒目もエナメル塗料の黒で描きます。失敗してもエナメル溶剤を付けた綿棒で拭き取れますので、何度でも描き直しOK。
最後はラッカー系のクリア塗料を筆で何度も塗り重ねていくのですが、塗膜の弱いエナメルで描いた黒目に、いきなり強い溶剤のラッカー系クリアを筆塗りすると 筆圧でにじむ可能性があるため、最初はエアブラシを使ってクリア(この場合は目の周りにもかかるのでつや消しのクリア)でコーティングしておきます。
コーティングが乾いたら、少し希釈したラッカー系クリアを筆塗り。5分ほどでそっと重ね塗りできるくらいには乾きますので、塗膜に厚みを持たせるため4〜5回塗ります。

この時、一度に厚塗りをすると、目とまぶたの境目に塗料が溜まり、涙目になってしまうので、注意しながら薄く重ね塗りしていきます。
次はクリアにブルーを微量混ぜたものを用意します。これも少し希釈して薄めに。

※クリアブルーを使ってもいいですが、ソリッドなブルーを混ぜた方が適度にムラができてそれっぽくなります。
それを2〜3回塗った状態。
あとは黒目の周りを重点的に、外側にいくほど明るくなるよう少しグラデーションをかけて塗り重ねていきます。

画像は最終的に15回ほど塗り重ねた状態。これくらいの深みが出れば十分でしょう。色味はよくても塗膜の厚みが足りないと感じる場合は、さらに無色のクリアを塗り重ねます。
【柄の塗装】
黒ブチ猫の柄は、ラッカー系塗料のつや消しブラックを使用しますが、 そのままではコントラストが強くなり過ぎるので、つや消しホワイトを10%程度加え、エアブラシでお好みの模様を付けていきます。
これで完成です。

以上、基本的な塗装方法を簡単にご紹介しましたが、実際は調色、希釈ともに様子をみながら少しずつ混ぜています。 決まった分量は無く、その都度納得できるまで調色していますので、あくまで参考程度にお考えください。







■完成品ができるまで【組み立て編】



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