飛翔
最近、自分が解らなくなる時がある。
のだめのピアノを聴くのは好きだ。
一緒に弾くのも悪くない。
三喜家のサロンでやったようなアンサンブルも心地よかった。
のだめにはピアノを弾いてほしい。
その為にオレは何ができる?
食事を作ること?
楽譜が苦手だから、見本を聴かせてやること?
一緒にあの変なアニメをみること?
のだめの事を考える時間が増えた。
彩子と付き合っているとき、ここまで彼女を思うことはなかったように思う。
どうもオレはのだめを独占したいらしい。
最初、保護者のような、飼い主のような、そんな気持ちのはずだった。
いつからだろう?
別の感情が存在しているように感じるようになったのは。
「千秋先ぱーい」
「なんだよ」
「千秋先輩、つれない」
ほら、捨て犬のような目でオレを見るんだ。
笑っちゃうよな。
「のだめ、次レッスンだろ?しっかり受けてこい」
「千秋先輩、今日の夕飯何デスか?」
「んー、裏軒行くか?」
「わーい、いってきまーす」
レッスンに向かう後ろ姿を見送る。
運命の出会いって、この場合も当てはまるんだろうか?
「小学生の初恋じゃあるまいし……」
自嘲する。
「もう少し普通の女だったらなぁ」
普通の女だったら?
普通じゃないから興味を持ったんじゃないか。
空を仰ぐ。
飛行機が見える。
「もしかしたら、のだめと一緒なら・・・」
飛べるかもしれない。
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千秋自覚?
少しくらいは気づいていて欲しいと思う。
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