仕事部屋ではBLOGで記載したネタをまとめたり、普段の業務でお世話になっているIT関係について記載したいと思います。
排痰補助装置
何度かブログでも記載しています。
平成22年度の診療報酬の改定で新設されました。
新設C170 排痰補助装置加算 1800点
注)人工呼吸を行っている入院中の患者以外の神経筋疾患の患者に対して、排痰補助装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。
平成
このため入院中の患者さんにカフアシストを使用しても病院側は診療報酬を取れません。また「神経筋疾患」に限定されていることも
特徴です。人工呼吸器を使用する排痰困難症例には効果が期待できると思われます。
平成22年の診療報酬で認められるまでは、多くの患者さんが自己負担でレンタルをしていました。レンタル費用は地域や取扱うメーカにより
異なったそうですが、一般的に1ヶ月3万円が多かったようです。
2011/8/19
カフアシスト
排痰補助装置として現在の主流となっている機種です。
カフアシストの導入は私個人としては、環境の整った病院で短期間入院でのカフアシスト導入を推奨しています。しかし、当県には入院でカフアシストを導入できる医療機関が限られるため、当院が関係する患者さんは訪問看護スタッフと連携して在宅でのカフアシスト導入を行っています。もちろん医師の指示の元で、基本的には初回導入時には医師の訪問診療中としています。
カフアシストについて興味を持たれた方は、
医学書院から出ている石川悠加先生編集の「これからの人工呼吸NPPVのすべて」がお勧めです。
2011年1月現在 C170 排痰補助装置加算 1800点は「神経筋疾患」「呼吸器を使用している」「在宅療養中」であることの3条件を満たさないと医療保険として適応になりません。左図の写真はマスクを用いて使用できるようになっていますが、気管切開をされ、人工呼吸器を使用中の場合でも使用できます。
2012年4月の診療報酬の改定では、3条件の中で「神経筋疾患」が「神経筋疾患等」となりました。これよにり神経筋疾患以外の患者さんへの排痰補助装置の使用が可能となりました。詳しい条件は、主治医の先生や院内で呼吸療法に従事しているスタッフにお問い合わせ下さい。(2012年7月28日追記)
2012/7/28 一部に追記
臨床工学技士と在宅医療
在宅医療に携わるようになり5年が経過しました。今でもよく思い出すのですが、畳の部屋の真ん中で人工呼吸器が動いている「衝撃」を忘れません。現在では主に在宅人工呼吸療法に従事していますが、睡眠時無呼吸症候群へのCPAP療法や在宅酸素療法等で臨床工学技士の関わる余地は大いにあると感じています。
しかし、私たち臨床工学技士が在宅医療へ参画するためのハードルが、診療報酬上のメリットがないことです。これは、収益の観点からみれば、利益を得られない分野に人員を増員は困難です。医療で「利益」という言葉を使うと語弊があるかもしれませんが、医療がサービス業である以上は、一定の利益を上げて医療機関の経営を維持しなければなりません。利益を上げられない場合には、医療機関が潰れてしまいます。そうならないためにも、一定の利益は必要です。
私が勤務している状況は、かなり特殊な状況と言えると思います。在宅医療が注目され、超急性期と慢性期の2極化しつつある今、ますます在宅医療へシフトするのではないかと考えている次第です。在宅医療にシフトする患者数が増加すれば、当然医療機器を使用するケースが増えます。在宅人工呼吸器のTPPVの増加率に大きな変化はないようですが、NPPVの増加率は著しいものがあります。COPDの患者さんが増加する中で、在宅酸素療法も増加することが想像されます。自宅での医療機器の使用には、安全管理の面では臨床工学技士が介入すべきと考えています。
今後も在宅医療での臨床工学技士の業務についてブログ等で情報発信をしていきたいと思います。
2012/1/3