しかし、夕方には帰ると言ったかごめ。しかし、何のおとさたもなく、いつも通り、犬夜叉が迎えに行った。
その頃。日暮家では・・・。
「いっただきま〜す」
こちらも夕飯時。しかし、食卓にかごめの姿はない・・・。
「あれ?そういえば、おねーちゃんは?」
「あら、ホント。かごめはどうしちゃったのかしら?今気がついたわ」
とりあえず、かごめ母はかごめの友人宅へ電話をかけてみるが、知らないという。
「また、あっちに行ったのかしら」
しかし、学校から帰った形跡はなく、カバンもない。
ガラガラ!バタン!!
かごめの部屋から物音が。
草太は犬夜叉だと直感してかごめの部屋に行く。そして、かごめがいなくなったと伝えた。
「もしかしたら・・・北条君とかけおちしたんじゃ・・・」
「なっ・・・」
「北条のおにいちゃんとどうすればいいかって悩んでたし・・・ってあれ?、もういない・・・」
犬夜叉、飼い主じゃなかった、かごめ捜索開始!!
草太はくすっと笑う。
「全く・・・。弟にまで気をきかせるなよなぁ・・・。それにしても犬夜叉の兄ちゃん、相変わらず単純なんだから・・・さ。かごめ姉ちゃんの事は兄ちゃんにまかせてファミコンでもしよーっと」
草太の「かけおち」の一言にすでにピリピリ状態。犬夜叉の脳裏にはこんなかごめと北条の姿が。
かごめ:“ごめん。犬夜叉。あたし、やっぱり、北条くんの情熱に負けたの”北条:“現代には現代の相手がふさわしいのさ・・・”
「だあああ!うるせーー!」
そんな想像をしながら、犬夜叉は街の屋根をひょいひょいとかごめの匂いをたどっていく。
その頃かごめというと・・・。
科学室。
学校で一番暗くてそのドアからどんどんと叩く音がする。
「誰かいませんかーーー!・・・っているわけないわよね・・・。こんな時間に・・・」
放課後、実験道具を片づけてくれと教師から頼まれたかごめ。しかし、用具室の鍵が壊れてしまい、閉じこめられた。
「・・・。それにしても・・・一段と怖いわね・・・」
人体模型の骸骨さんがぶらさがってかごめにごあいさつ。
「・・・」
「あーあ・・・。きっと犬夜叉まってるんだろーな・・・」
とかごめがふと窓をみると・・・。
耳の影、ふたつ。
「!!犬夜叉!?」
ガッシャーン!!
犬夜叉、学校のガラスを見事にぶち破って登場。
「かごめおまえ、何やッてんだこんなとこで!」
「あんたこそ何しに来たのよ!あーあ・・・学校のガラス割っちゃって・・・。なんてことすんのよ!!」
「んだとー?!おめーががっこーからかえらねぇつうから、探しにきたのによ!けっ。くるんじゃなかったぜ!」
というのは半分で実は、「ほーじょーとかけおちした」と勝手に想像した等と言おうものなら、かごめはきっとまた怒るにちがいないと思う犬夜叉。
「んもー・・・。はあ・・・。でも助かったわ。出られないかと思った・・・ずっとここにいるのは怖いし・・・」
と、かごめの肩にことんとある物体が・・・
「きゃーーーー骸骨ーーー!」
かごめは犬夜叉に飛びつく。
「な、なんだよ。突然・・・」
「だ、だって・・・」
「ったく・・・。あっち(戦国時代)じゃ、外あるけば、骨なんざごろごろしてんだろーが・・・」
ぶつぶつ文句をいっている割には犬夜叉、どことなく照れて嬉しそう?
「怖い物はこわい・・・はっ」
かごめ、抱きついたままな状態に気づきぱっと離れた。
「と、とにかく早く帰りましょ・・・」
「そ、そうだな・・・」
科学用具室の鍵を犬夜叉はバキッと壊して二人は廊下に出た。
(科学の先生、ごめんなさい・・・)
「ここががっこーか・・・。なんか箱の中みてーだな」
「まあ、コンクリートの箱みたいなものだけど・・・」
犬夜叉は興味津々にあちこち見て廻る。
「おい、あれ、何だ?」
音楽室。犬夜叉はのグランドピアノ上に乗る犬夜叉。
「ピアノっていうのよ。ほら、こうして弾くの」
ポロン・・・♪
いきなり音がでてきて驚く犬夜叉。
「ふふ。ね、この曲しってる?」
ポロン・・・♪
かごめはとある有名な曲のメロディを弾く。
「しらねーよ。そんなもん」
「犬のおまわりさん★」
「・・・。なめてんのか?」
「うふふふ・・・」
それでもいたく、犬夜叉はピアノを気に入ったらしく、しばらくかごめの弾く「犬のお巡りさん」を聴いていた。
それから二人は夜の学校中をまわる。二人だけの学校。
暗くて怖いけど、二人なら・・・。
かごめはデート気分でドキドキしながら犬夜叉の腕につかまる。
「嫌?」
「・・・。べ、べつにいいけど・・・」
今夜だけ、二人だけの時間。
恋人同士の初めてデートするみたいに、ドキドキして、笑って・・・。
だから今だけ・・・何も考えないで、二人だけの・・・。
夜空の月はそんな二人をじっと見つめていた。