其の3 純情・発情 ドキドキナイト @犬夜叉の職場には 最近結婚した若い大工が何人もいる。 「んでよー。愛子ったらもう、すんげーんだよ。終わったのに”もっとして・・・” とか言うんだぜ」 「最近は女の方が激しいな。オレの彼女も積極的なんだぜ。 家に帰ったとたん、全裸になってベットに押し倒んだ」 こんな赤裸々な会話が昼間、作業場では聞こえてくる。 「初ってのはでも緊張するぜ・・・。彼女の肌触るのにも震えちまって」 「何純情してんだよー。このむっつりエロ男が!」 ガタン!! 若い二人の会話に耐えられなくなった犬夜叉、立ち上がる。 「て・・・て、てめぇらッ!!神聖な職場でなんちゅー会話してやがる!!」 「犬夜叉さん、顔赤いですよー。やだなー。ホントは好きなくせに」 犬夜叉をひじでつつく後輩たち。 「て、てめらといっしょにすんじゃねぇ!!」 「ところで先輩・・・。先輩のカノジョ・・・可愛いカノジョとはどうなんすかーv」 「マジ可愛いッスよねー。きっとあっちの方も・・・」 犬夜叉・・・後輩達に仁王立ち・・・ 「お、お前・・・。それ以上助平なこと言ってみろ・・・。その口、 カンナではいでやるーーー!!」 「わーーー!!犬夜叉先輩がキレターー!!」 大騒ぎの工務店のお昼時でした・・・ しかし・・・ 実際問題、犬夜叉はちょっと考え込んでしまう。 後輩に言われたこと。 ”結婚前提の付き合いで・・・何にもないなんて・・・。先輩、それ、まずいっすよ。 カノジョが先輩に飽きているのかも・・・” ”体が結ばれれば心も・・・って少女趣味かもしれないっすけど、 何もないってのは寂しすぎるし、第一・・・先輩の方がもたないでしょ?” 「ったく・・・。あいつらは女のことしか頭にねぇのか!」 そういう犬夜叉はかごめからのメールを心待ちにしているではないか・・・ (・・・くそ・・・。アイツらのやらしい会話でなんか変な気分だぜ・・・) 帰り道。 電柱の影でなにやら二つの影が動いている (ん・・・?) 猫だ。 二匹・・・ 一匹がもう一匹にのしかかり、腰を動かしている・・・ (なっ・・・!!!!) 犬夜叉、猫ちゃん達の愛の劇場に思わず目を逸らす しかし。 にゃおおおーんvv 猫夫婦、絶好調のようです。 (・・・怒) 「猫の分際でいちゃついてんじゃねーー!!」 変な苛苛を猫にぶつける犬夜叉・・・ (くそ・・・。なんだ。この苛苛は・・・) 犬夜叉は”抑えられない何か”に悶々しながら 家路に着く・・・ だが家に帰ると。 玄関の電気も中の電気も消えている 懐中電灯を持った楓が犬夜叉を出迎えた。 「おう。ばばあ。どうした?停電かよ」 「ああ。ブレーカーが落ちたみたいなんじゃ。悪いが犬夜叉。みてきてくれんかの?」 「わかった」 犬夜叉はブレーカーがある 風呂場までゆっくり歩く。 「けっ・・・。電気の配線、手抜きでもしやがったか・・・」 (えーと・・・この辺か・・・) 犬夜叉はライターをかざしてでブレーカーの在り処を手探りで探す。 (あった・・・。これか) 右手がスイッチらしきものを掴んだ だが左手に何か・・・ ぐにゃッ・・・ (ん・・・?) 果てしなく柔らかい感触が・・・ (ん・・・?こんなところにタオルなんかあったか・・・?) タオルより張るかに柔らかい・・・ 犬夜叉、二回、三回・・・にぎにぎする・・・ (なんか気持ちいいな・・・。それよりブレーカー・・・) カチッ・・・ ブレーカーのスイッチをあげ、明かりがついた・・・ するとそこには・・・ 「・・・!!!!!!!!」 バスタオル一枚の体に巻いたかごめが・・・ 顔が真っ赤です・・・ (・・・ってことは・・・ってことは・・・さっきの”アレ”は・・・) 犬夜叉の視線はかごめの胸に・・・ (〇▲×※★ーーー!!!!) 犬夜叉の顔もきゅいーんと赤面マックス!! 「・・・ば・・・馬鹿ーーーーーーー!!!!!」 ぶわっちーん!!!! ドタタタ・・・。 かごめは真っ赤な顔で二階へかけあがっていった・・・ 「・・・」 犬夜叉・・・頬に手跡くっきりついてしばらく放心状態・・・ 突然の(幸運な)出来事に 電気がついても風呂場に立ったままだった・・・ ワゥワゥワ・・・【その程度のことで”いっちゃって”どうすんのよ。ったくチェリーボーイが・・・】 「かごめの奴。思いっきりひっぱたきやがって・・・」 正気に戻った犬夜叉。 部屋でかごめにくらった手跡をまじまじ見ています。 「あれじゃあオレが悪いみてぇじゃねぇか」 ぶつぶつ文句をいいながらも。 犬夜叉の手に残るあの感触・・・ (・・・) 世の中にあんなここちいい感触があったなんて・・・ 犬夜叉、思わず左手をにぎにぎしてみる・・・ (///) もう一回・・・味わって見たいな・・・ ふわっとした・・・ (・・・なっ・・・。何を考えてんだ俺はーーー!!) ポカポカとあたまを叩き、自分を正気に戻す・・・ ごろんと布団に寝転がる犬夜叉・・・ それでもあの感触が頭から離れない・・・ 思い出すと 体がカァっと熱くなって・・・ ドックンドックン・・・血が騒ぐ・・・ (くそ・・・。やっぱなんか変だ・・・) 抑えられない得体のしれない”何か”を必死に耐えつつ犬夜叉は・・・ 眠りにつく・・・ ドアの向こうのゴマちゃん。犬夜叉の様子を伺いながぽそっと呟いた・・・ ワンワンワン・・・【それが発情ってもんなのよ。近所の犬達もアタシの姿みちゃぁ、興奮してるわ】