続・居場所を探して
〜タンポポの種〜
>其の六・一瞬の片思い 永遠の切なさ @
犬夜叉。
仕事中に携帯の待ちうけ画面を見る。
(・・・///)
かごめの写真・・・
それに明日は・・・。
”久しぶりにかごめと二人っきりで過ごせる日”
(・・・。どーせなら買いモンなんかじゃなくて
一日中部屋で・・・)
部屋で何をする気なんですか?犬夜叉君。
(す、するってへ、変な意味じゃねぇったら)
軍手で頭を抱えて悶々とする犬夜叉・・・
後ろで後輩たちがにやにやしている
「・・・な、なんでいっ。てめぇら・・・」
「・・・先輩ー。屋根の上でやらしー想像してたんでしょー?
ったくー。先輩にもすみにおけないなー。ぐふふ」
(!)
図星を突かれ、犬夜叉動揺。
「あー。もしかして明日休みだからって一日中変なことしてよーって
魂胆なんでしょv体力いりますよー。ビタミン剤のんできますーぅ??」
「今日こそてめぇの脳みそカンナで削ってやるーーー!!」
瓦の上・・・
後輩の悲鳴がひびいたとさ・・・(笑)
そして。
犬夜叉クン街に待った”かごめとずっと一緒の日”
犬夜叉はかごめの部屋の前で待つ。
「おい。まだかよ。早くしろ!」
「ハーイ。準備できたヨ・・・v」
キィ・・・
ひょこっとかごめが姿を現す・・・
「・・・」
「久しぶりのお買い物だから・・・。お洒落しちゃったv」
髪をふわっと毛先をカールさせ、
ピンクのワンピース・・・
「///」
犬夜叉、一瞬時間を忘れて見惚れる。
「ねぇ。何か感想くらい言ってよ」
「・・・ばっ。め、めかしこんでどーすんだ。ただ買い物にいくのに」
「・・・。犬夜叉と一緒に行くからお洒落したのに・・・」
ちょっと拗ねるかごめもまた・・・
(・・・可愛い)
「じゃ、行こうか♪」
犬夜叉の腕につかまるかごめ
(・・・完全にかごめのペースだな・・・(汗))
でもちょっと視線を下ろすとかごめと可愛い瞳が・・・
(///)
昔は人前で腕を組んで歩くなんて恥ずかしいと思っていたけれど・・・
今は照れくさいけど
嬉しい。
好きな人が隣にいる幸せ・・・
かごめの瞳を見つめながら犬夜叉は素直になっていく
自分の心を感じていた・・・
「・・・。おい。まだかよ」
「もうちょっと待って」
試着室の前で貧乏揺すりする犬夜叉・・・
(これだから女の買いモンは!!)
短気犬夜叉、苛苛がたまっておりますが・・・
「お待ちどう様ーーvv」
シャ・・・ッとカーテンが開く・・・
「お待ちどうさまじゃねぇよ。またせやが・・・」
肩がはだけ、
膝より上の超ミニスカート・・・
(・・・)
「・・・。やっぱり・・・。ちょっと派手よね・・・。店員さんに強引にすすめられたんだけど・・・」
「・・・」
犬夜叉、かごめに釘付けのご様子です。
「犬夜叉ったら!聞いてる??」
(・・・はッ!!)
犬夜叉、覚醒。
「・・・。ねぇ。どう思う?これ・・・」
「ど、どうって・・・(照)」
周囲の男達の視線がかごめに集中しているのに気づく犬夜叉。
(・・・(怒))
「そ、そんなの似合ってねぇ!!全然、絶対、似合ってねぇ!!!」
「そうね・・・。やっぱりこんな派手だよね・・・。でもそんなはっきり言わなくても・・・」
しゅん・・・とするかごめ。
「ほ、他の男がじろじろみるだろっ!!そんな露出過度なモン・・・」
鼻の頭をポリポリかく犬夜叉。
(犬夜叉・・・)
犬夜叉の本意が嬉しくて
かごめは早々に試着室から出る・・・。
ファッションビルを出る二人・・・
「・・・」
犬夜叉はさっきのことがまだ照れくさいらしく、だまったままだ・・・
「・・・」
かごめは犬夜叉のTシャツをくいっとひっぱった。
「・・・んだよ」
「ちょっと耳かして・・・」
かごめは背伸びをして犬夜叉の耳元でなにか囁いた・・・
ボソボソボソ・・・。
(・・・!!??★★●▲)
「・・・っ。ば、馬鹿ヤロッ。こんな所で言うなッ(喜)」
「・・・ごめん・・・」
照れくさくて顔が見られない・・・
犬夜叉はかごめの手をぐいっと引っ張って
真っ赤な顔で歩く・・・
”私の肌を見せられるのは目の前のシャイな好きな人だけだからね”
照れくさくて互いの顔は見られないけれど・・・
手はちゃんと繋がっている・・・
しっかりと握り返してくれる・・・
かごめは確かに犬夜叉の気持ちを感じていた
(・・・そば・・・ずっといたい・・・)
やっと掴んだ幸せ。
満たされた気持ちに包まれかごめは歩く・・・
歩く・・・
だが犬夜叉が突然立ち止まった。
〜♪
(・・・。この音色・・・)
犬夜叉が足ととめたのはCD屋の前・・・
そして聞こえてきた音色は・・・
(・・・桔梗のバイオリン・・・)
かごめは恐る恐る犬夜叉を見上げる・・・
(・・・犬夜叉・・・)
少年のように照れていた犬夜叉はもう姿を消し・・・
切なげな大人びた男の顔・・・
犬夜叉の視線の先には
桔梗のCDの宣伝ポスターが貼られて・・・
(・・・。今のあんたの瞳には・・・あたしは映ってないのね・・・)
今更だけど・・・
割り切らなければいけないことだけど・・・
(・・・痛い)
”犬夜叉の中から桔梗を消えることは永遠にない”
確かに手を繋いで
そばにいても
結婚という約束をしても
”犬夜叉の心から桔梗の記憶が消えることない”
これだけは
どうにもならないこと・・・
(・・・心の中の桔梗ごと・・・。私は受け入れないといけない。
わかってるけど・・・)
犬夜叉の刹那を帯びた横顔・・・
遠い空の下にいる桔梗に想いを馳せている
どうにもならない
ヒトの心。
(・・・。そばにいても私には・・・。そんな切なくて苦しそうな顔みせてくれないよね)
「・・・。犬夜叉・・・」
「・・・っ。あ・・・。す、すまねぇ・・・。お、オレ・・・」
「・・・やっぱり・・・。やめようか。婚約・・・」
かごめは犬夜叉の腕から離れ・・・俯く・・・
「・・・!??」
「・・・。今から行ってもいいよ・・・。今ならまだお互いフリーだし」
(・・・私何行ってるの?こんなこといったら犬夜叉が一番困るってわかってるのに・・・)
言葉と感情がかみ合わない。
「な、なに言ってんだ!!いい加減にしろよ!」
「それはこっちの台詞でしょ!!今あんた、誰とデートしてるの!!
桔梗じゃないわ!!私よ!!私なのよ!!私なのよ!!!!」
犬夜叉に詰め寄るかごめ・・・
「・・・ごめん・・・。混乱しただけよ・・・」
「かごめ・・・」
「・・・。私・・・。先帰るね・・・!!」
かごめは買った服がはいった紙袋を置いたまま
走り、青信号が点滅する横断歩道を走った。
だがトラックが急に右折してきて・・・!
「・・・かごめーーーー!!!!!!」
キィィィーーーー!!
かごめの耳には・・・
目の前に迫ってくるトラックのブレーキ音が・・・
桔梗のバイオリンの音に聞こえた・・・