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Q4・核兵器はどう拡大してきたか

1938年、ドイツで核分裂発見。核兵器開発示唆される。1942年、アメリカでマンハッタン計画始まる。45年、完成した3発の内、1発を7月16日、米ニューメキシコ州の砂漠で実験成功させ、8月6日広島に、8月9日長崎に投下。

第二次大戦後に誕生した国連の第1号決議は「核兵器の禁止」であったにもかかわらず東西冷戦のもと、核の脅迫で優位に立つ「核抑止論」にもとづく核軍拡競争を激化させました。
1963年には、核開発で先行した米・旧ソ・英による、大気圏内での実験を禁止する部分的核実験禁止条約が結ばれましたが、地下実験は飛躍的に増加しました。またこの条約に入っていない仏・中国は大気圏爆発実験を継続し、80年の中国の実験まで続きました。

1970年には「核不拡散条約」(NPT)が発効し1995年にはこの条約の無期限延長が決められました。この条約は核保有国(米・ロ・英・仏・中)が核兵器を独占する一方、核保有国は核軍縮条約に努力するというものですが、核の独占は不平等とする批判は免れません。1998年にはインド・パキスタンが実験を行っています。また、闇ルートによる核の拡散も現実的であり、NPT体制の崩壊も危惧されています。
1996年には「包括的核実験禁止条約(CTBT)」(核爆発をともなう一切の実験を禁止)が国連総会で圧倒的多数で採択されましたが、米・ロは臨界前実験を継続しました。

核爆弾の威力も水爆(核分裂プラス核融合)の開発で飛躍的に増大し、1Mトンを超えるものもあり、今日では実戦的に広島型の10倍、150kトンクラスが多いといわれている。また使い勝手がいい1kトン以下の小型核兵器の開発もすすんでいる。 運搬手段も大型爆撃機から、水中発射可能な原子力潜水艦、大陸間弾道ミサイル、ポセイドンミサイル、ランスミサイル、さらにはレーダーに映らないステルス爆撃機など飛躍的に高性能になっている。そして世界にはいま3万発(作戦配備、及び貯蔵分)といわれる核弾頭がある。
戦後の46年アメリカがビキニ環礁で原爆実験。49年ソ連、52年イギリス、60年フランス、64年中国、74年インド、98年パキスタンが原爆実験。 52年にはアメリカ、53年ソ連、57年イギリス、67年中国、68年フランスが水爆実験。米・英・ソ・仏・中国は原水爆の保有国になる。
45年以来、核爆発をともなう核実験は2000回を超えています。

国別核実験回数
国名 大気圏内 地下実験 合計
アメリカ 215 815 1030
ロシア(ソ連) 207 508 715
イギリス 21 24 45
フランス 46 151 197
中国 23 22 45
インド
パキスタン
合計 512 1525 2037

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