大銀杏
大音寺の墓域にある。イチョウは中国原産の落葉高木。国会議事堂前をはじめイチョウ並木も各地にあり、珍しくはないが、日本には鎌倉時代に渡来といわれる。寺院に大木が多く、僧によってもたらされたと考えられている
この木の高さは20m幹周り3.9m、斜め上に伸びた枝が広がり、東西19m、南北17mの樹冠をつくっています。市内では最大級のイチョウの木です。春に新緑の青葉が、秋に黄色く色づき、落葉後は、新芽がでるまでは大きな枯れ木のようです。
この木は雄株なので実であるギンナンはなりません。雄株の花粉はとても旺盛で精力絶倫とのこと。出島3学者の一人、阿蘭陀商館医ケンペル(1690年来日、ドイツ人)によって世界中に紹介されました。
クロガネモチ
モチノキ科モチノキ属の常緑高木。5月には淡紫色の小さな花を散状につける。この木は境内にあり、雌株なので秋口から冬には深紅の小振りの実を一杯につけます。
長崎近郊の山には自生しており、街路樹にもなっているので、この木も珍しいわけではないが、樹高15m、幹周り2.6mはクロガネモチとしては極限に近い大木である。この木は、やはり出島3学者の一人、出島商館医ツンベリー(1775年来日、スエーデン人)も、著作「日本植物誌」の中でこの木を紹介しています。
因みに出島3学者の最後の1人はシーボルト(1823年来日ドイツ人)である。
シーボルトは先人、ケンペル・ツンベリーの功績を称えた碑を出島にのこしている。シーボルト顕彰碑は県立図書館横に小曽根乾堂篆刻によるものがある。この顕彰碑でシーボルトは「施福多」と表記されている。