英語版へ To English Version
トップページに戻る
本のページに戻る

毎日新聞08/30 <特集・科学技術>米国の大学が「トップ10」を調査

標記の件、ジョージワシントン大学の記事の概要は以下の通りです。http://gwforecast.gwu.edu/index.asp にはかなり詳細な科学技術予想が述べられています。エネルギー、環境、農業・食料、ITハードウエア、ITソフトウエア、ITサービス、製造、医療、宇宙、輸送の10分野について、それぞれ2030年ぐらいまでの時間軸で何が達成されるか、図示されています。毎日の記事ですと、今後10年間のブレイクスルー、10項目のみをあげていますが、より興味深いのは、次世紀のブレイクスルー、10項目であり、それも添付いたします。このウエッブサイトには、それぞれの分野について、より詳細な説明もあります。以上

The GW Forecast (http://gwforecast.gwu.edu/index.asp)January 1, 2000 (Prof. William E. Halal)

Breakthrough,   Date,   Confidence Level
Top Ten Breakthrough for the Next Century
"Maglev" trains connect major cities  2012  +/- 5 years
Children can be genetically desighed  2012  +/- 5 years
Optical computers are developed  2015  +/- 5 years
Automated, intelligent highways are developed 2015  +/- 5 years
A base on the Moon is established  2015  +/- years
Cloned/artificial organs can replace most body parts 2020  +/- years
Human land on Mars  2022  +/-  5 years
Genetic therapy can cure most illnesses  2025  +/- 5 years
Average human life span reaches 100 years 2030  +/- 3 years
Human travel to nearby star system  2050  +/- 10 years

毎日新聞08/30 <特集・科学技術>米国の大学が「トップ10」を調査
 21世紀初めの10年間に実現する主な科学技術は何か。この関心あるテーマに、米ジョージワシントン大のウイリアム・ハラール教授の研究グループが専門家への調査などをもとに、「トップ10」をまとめた。コンピューター関連の技術が大半を占めており、IT(情報技術)革命の進行が当面続く見通しだという。

 (1)携帯用情報機器
 インターネットの使用に加え、テレビ画像を送ることのできる携帯用情報機器が普及する。2003年までに先進国の30%の人がこれを使う。携帯用機器の販売台数は当面、年率60%で伸び、パソコンの20%を上回る。携帯用機器がポスト・パソコンの世界を形成する。
 (2)燃料電池自動車
 ガソリンではなく、燃料電池を使った自動車が普及する。水素と酸素をもとに電気を作るのだが、日本のトヨタや米フォード社は03年ら04年にかけて電池車を発売するだろう。燃料電池はすでにビルや病院で代替電源として使われており、既存の電源よりも効率的で安価な電源だという。米連邦政府は燃料電池が「火の時代」を終わらせると述べている。
 (3)精密な農業
 トラクターがそれぞれの土地の天候や土壌、水位などのデータを衛星から受信し、搭載されたコンピューターが種まきやかんがい、農薬散布の量を決めるなど、精密な農業が普及する。それに伴い、小規模農業から、技術を駆使する大規模農業への動きが加速される。
 (4)オンライン・ショッピング
 98年に米デルコンピューター社が始めたオンライン・ショッピングは1日当たり約1500万ドル(約16億円)の売り上げに達している。足を運ばなくてすむ利便さに加え、店舗や販売員などを必要としないため価格が安いことが成功を招いた。米国では2007年までに小売業の売り上げの約30%がオンライン・ショッピングで占められる。
 (5)テレリビング
 テレリビングは通信を意味する「テレ」とリビングを合わせた造語だ。買い物や労働、勉学、趣味、宗教活動などを、居間でインターネットを利用してできるようになる。大型の壁掛け型モニターが安価になり、この動きを促進する。
 (6)バーチャル・アシスタント
 現代人の忙しい生活を助けるバーチャル(仮想)・アシスタント(VA)が約10年後に実用化される。VAは人工知能を搭載し、メールの送信や電話の応対などの仕事を代行する。
 (7)遺伝子組み換え作物
 害虫に耐性のある作物や収量の多い作物をつくる遺伝子組み換えは、根強い反対運動に直面しているものの、組み換え作物は着実に増える。開発途上国の人々のビタミンA不足を解消するため、ビタミンAの豊富なイネが開発される。
 (8)コンピューター化された保健医療
 コンピューター導入の最も遅れている産業といわれる保健医療がコンピューター化される。患者の誕生以来のデータがコンピューターに記録され、診察にもより利用されるようになる。
 (9)代替エネルギー
 風力や太陽光、バイオマス(生物資源)発電などの代替エネルギーは今後10年間で、エネルギー源の30%を占めるようになる。中国やインドなどのエネルギー需要増大に伴って石油価格が上昇し、代替エネルギーとの価格差が減少する。
 (10)スマートロボット
 日本のソニーが開発したロボット犬「アイボ」は芸当をしたり、学んだりすることができる。こうした次世代ロボットの開発が進んでおり、10年後には家事や障害者の介護をするスマートなロボットが登場する。

◎ジョージワシントン大による技術予測の方法 
ハラール教授の率いる研究グループはまず、文献調査や専門家のインタビューなどをもとに、技術の開発状況や社会に与える影響度などを把握した。次に、近い将来に実現する可能性があり、社会や生活への影響の大きい約100項目の技術を選んだ。提携している世界各国の専門家65人を対象に、各技術がブレークスルー(技術的突破口)を迎えるのはいつか、市場や社会に普及するのはいつかなどを質問し、その回答をもとに研究グループが「トップ10」をまとめた。このグループは分野ごとに詳細な技術予測を実施しており、その正確さから国際的に高い評価を得ている。ハラール教授は「ほとんどの予測が3年以内の誤差で実現してきた」と自信を示す。
 インターネットのホームページ(http://gwforecast.gwu.edu)では、予測の詳しい内容を、図解などを用いて、理解しやすい形で示している。[2000-08-30-12:32]

The GW Forecast (http://gwforecast.gwu.edu/index.asp)
January 1, 2000 (Prof. William E. Halal)
Top Ten Breakthroughs for the Next Decade
Breakthrough,   Date,   Confidence Level
Portable information devices accessing all media are common  2003  +/- 2 years
Fuel-cell cars enter the market 2005   +/- 3 years
Precision farming is common     2005   +/- 3 years
Mass customization of cheap, high quality goods is common 2007  +/-  3 years
"Teleliving" --interactive wall monitors are used for work, shopping, etc  2008 +/-  3 years
"Virtual" electronic assistants help people conduct their work  2008 +/-  3 years
Genetically modified foods gain wide acceptance 2008  +/-5 years
omputerized health care is available  2009  +/- 4 years

Alternate energy sources are widely used  2009  +/- 4 years
Smart mobile robots used in homes and factories 2010 +/-5 years