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ギター/ベースのスケールの覚え方

●Introduction
 ギターやベースを少しやってくると『スケール』という言葉が出てくる。スケールというのは、音の並びの事である。何も特別なものではない。(日本語では「音階」と訳されるので、スケールと音階は同じものである。)

 たとえば、Cメジャーの曲があれば、ドレミファソラシの音を使う事になる。基本的に#や♭が付いた音は使わない。したがって、ピアノであれば、Cメジャーのキーであれば白鍵だけ弾けば良い。
 一方、ギターやベースはフレットが半音刻みになっているので、音程ピッチは規則的だが、逆に言うとドレミが等間隔に並ばない。そこで、ギターやベースでドレミが指板上のどこにあるかを示したものが「スケール」だ。冷静に数えていけば全く難しくも何ともない。

 とりあえず今回は、アドリブなどの高度な技は置いておき、単純に「音の位置を覚える」という観点でスケールを覚えていくことにする。



●スケールは何の役に立つのか?
 調べてみるとわかるが、世の中には様々なスケールがある。
 メジャースケール、ナチュラルマイナースケール、メロディックマイナースケール、ハーモニックマイナースケール、ペンタトニックスケール、リディアンドミナントスケール、オルタードドミナントスケール、ハーモニックマイナーP5thビロウ、ミクソリディアン♭6thスケール、ホールトーンスケール、コンビネーションオブディミニッシュスケール、スパニッシュ8ノートスケール…

 もちろん、それ以外にもたくさんある。全部数えたら切りがない。しかし、それにも増して感じてくるのが「これらを覚えて何になるのか?」ということだ。

 その予感通り、実は:

  スケールだけを覚えても何の役にもたたない

 スケールとは、外国語(日本語を含めて)で言うところの発音記号のようなポジションにある。

 たとえば、英会話を勉強しようと思ったとする。英語には英語なりのネイティブな発音がある。たとえば「ス」という発音は、サシスセソのスと同じ発音のス(sと表記される発音)もあるが、軽く舌先を噛んで出す「ス」(th。θと表記される発音)もあって、英語ではそれを使い分ける。「バナナ」も英語では最初の「ナ」と後ろの「ナ」は発音が違う。英語の発音は(日本語である)カタカナでは表記しきれないので、英語にカタカナでふりがなを付けても正確に相手に発音を伝えることはできない。
 英語はスペルだけでは発音がわからないので、より正確な発音を示すには発音記号に頼ることになる。

 発音記号とその発音が正確にできるようになったところで、英会話ができるようになる訳ではないのと一緒で、スケールを覚えたところでアドリブができるようになれる訳ではない。
 しかし、英語などの言語の理解のために、その言語圏の母音や子音の構造と発音記号の対応を知っておいた方がいいのと同様、各音楽ジャンルで多用されるスケールの構成を知っておいて損はない。

 そういうスタンスにあるのがスケールである。

 西洋音楽の代表的な音階(スケール)の一つが、「ドレミファソラシド」(メジャースケール)であるが、これも「西洋音楽という言葉」の根幹を支える「母音や子音の一覧の一つ」である。
 西洋音階が「ドレミファソラシ」の7音階に対して、ブルースやロックで使われるペンタトニックスケールは「ドレミソラ」の5音階だったりする。フラメンコをやるならスパニッシュ・8ノート・スケールといった、8音階のスケールが使われたりする。音楽ジャンルが変われば構成する音階(スケール)も変わってくる。

 だから、どんな音楽をやりたいのかを抜きに、闇雲にスケールを覚えても何の役にも立たないのだ。


 普段耳にするポピュラーミュージックの多くは、メジャースケールかマイナースケールの上に成り立っているので、それさえわかればおおむね何とかなる。
 ここでは、様々あるスケールのうち、西洋音階であるメジャースケールを基本として覚える事に注力することにする。



●メジャースケール・マイナースケール
 メジャースケールは「全音-全音-半音-全音-全音-全音-半音」という並びの音階を言う。
 ギターやベースのフレットは、半音単位で刻まれていて、半音2つで全音1個になる。したがって、ギターやベースでのメジャースケールは、全音部分がフレットが一つ置き、半音が隣のフレットという並びになる。

(弦1本でのメジャースケール)


 各音はピアノのようには等間隔に並ばない。そこがギターやベースの音階を把握する上で最もややこしい部分である。
 しかし、これが基本中の基本である。

 まずは、童謡でも何でも良いので、とりあえずこの位置を意識しながら、弦1本だけで何か何か弾いてみると良い。



 マイナースケールには何種類かあるが、ナチュラルマイナースケール(自然的短音階)は、ドレミをラ(A)から並べ直した音階である。

(弦1本でのマイナースケール)




 メジャーとナチュラルマイナーは、構造的には単に並べ替えただけという関係である。メジャー(長調)とマイナー(短調)の違いについては、とりあえず別記しておいたが、指の配置を覚えるという意味ではメジャースケールもナチュラルマイナースケールも同じものだと考えることができる。

 少なくとも、覚える事が1つ減る

●ペンタトニックスケール
 ギターのスケールで欠かせないのがペンタトニックスケールだ。
 ロックやその起源であるブルースが、このペンタトニックスケールをよく使うし、民族音楽もこのスケールで成り立っている事も珍しくない。
 ペンタトニックの「ペンタ」という名前が示す通り、音が5個しかないスケールである。
 具体的に言うと、ドレミのうち、ファとシを抜いた「ドレミソラ」の5音だけで構成されるスケールのことだ。

 メジャースケールを覚えて「ファとシは弾かない」という具合にした方が、覚えやすいんじゃないかと(個人的に)思う。

 ロックを極めるつもりなら、ペンタトニックスケールから積み上げた方が良いのかもしれないが、もう少し幅広い音楽を目指すなら通常のメジャースケールから引き算した方がいいかもしれない。

 ペンタトニックスケールにもメジャースケールとマイナースケールがあるが、今回は割愛する。


 ※スケールの成り立ちという側面で言うと、あちこちの民族音楽でペンタトニックスケールが基になっていることから、原始的な音楽はペンタトニックスケールになることが多いと言える。「ドレミのうち、ファとシを抜いた」というのは、覚え方の話であって、成り立ちから言うとメジャースケールとペンタトニックスケールは何ら関係ない。心地よい音を求めた結果ペンタトニックスケールになったというだけであり、メジャースケールと比較した結果ドレミからファとシを抜いたものと等しいというだけである。
●クロマチックスケール
 1オクターブを半音ずつに区切って12個並べたスケールがクロマチックスケールである。
 ギターやベースでは、単純に1フレットずつずらして弾いたものに相当する。
 スケールとして名前はあるが、調感が無いため音楽的にはほとんど意味のないスケールなので、実質的にスケールとしては使い物にならない。
 せいぜい、ギターやベースの指の運動に使う程度である。

 『クロマチックスケールなら弾けるぞ』と自慢するのは、初心者のお約束である。



●その他のスケール
 必要に応じて覚えて頂ければ良いだろう。詳しくは他のサイトの方が詳しいので調べていただきたい。


●指板上のドレミの位置
 ということで、ドレミの位置さえ覚えてしまえば、メジャースケールもナチュラルマイナースケールもペンタトニックスケールも攻略できたも同然である。

 そこで、参考までにギターの指板上のドレミを24フレット分、全部書き出してみた。
 これを覚えれば良い訳である。

ギターの指板上のドレミ配置(全部)


………。
こんなの一度に覚えられるかっ!

私は暗記が苦手だっ!(重要)



●チャーチモードスケール
 ギターのポジションの丸暗記なんて絶対に無理(少なくとも自分は)なので、部分的に細切れで覚える事にする。

 そこでチャーチモードスケール(Church mode scale)である。教会旋法とも言う。名前は立派だが、中身そのものは長音階を並べ直しただけに過ぎない。

ドレミファソラシド…アイオニアン(Ionian Scale)
レミファソラシドレ…ドリアン(Dorian Scale)
ミファソラシドレミ…フリジアン(Phrygian Scale)
ファソラシドレミファ…リディアン(Lydian Scale)
ソラシドレミファソ…ミクソリディアン(Mixolydian Scale)
ラシドレミファソラ…エオリアン(Aeolian Scale)
シドレミファソラシ…ロクリアン(Locrian Scale)

 これらの名称は覚えていて損はないが、知っていて得になるような事はあまり無いと思う。そもそも「並べ替えただけ」だ。「メジャースケールの『ミ』(主音をドとした移動ド表記におけるミ)から始まる並びで弾く」という文章が「フリジアンスケールで弾く」と言い換えているに過ぎない。

 スケール名はともかく、各チャーチモードスケールが弾ければ、指板上のどこからでもどんな調でも弾けるようになる。



●チャーチモードスケールを覚える
 チャーチモードスケールで検索していただければわかるが、ギターでドレミを弾くための配列として、それぞれのポジションがある。たとえば、
Ionian Scale
|○| |○| |○|
| | |○| |○|
| |○|○| |○|
| |○|○| |○|
|○| |○| |○|
|◎| |○| |○|

Dorian Scale
|○| |○|○| |
|○| |○|○| |
|○| |○| | |
|○| |○| |○|
|○| |○| |○|
|○| |○|○| |

などだ。当然、Phrygian、Lydian、Mixolydian、Aeolian、Locrianと続くし、この配列も一例にしか過ぎない。
 実際調べると、アイオニアンスケールだけで何パターンも出てくる。実際の所、単にドレミから順に音が並んでいるからアイオニアンと呼んでいるに過ぎないので、このポジションの並びが正しいアイオニアンスケールだというものは無い。

 ちなみに、Ionian Scaleの◎の位置をC音(6弦8フレット)に合わせると、そこでCメジャースケール(=ハ長調で使う音の配列)になるし、1音ずらしてD音(6弦10フレット)に合わせればDメジャースケール(=ニ長調で使う音の配列)になる。覚える事ができれば応用範囲が広がる。

 理屈の上では、アイオニアンスケールをずらすだけですべての調に対応できる事になるが、調の移動に伴って音域もずれてしまうため、アイオニアンスケールだけ覚えても応用が利かない。

 また、スケールは、押さえる位置のパターンを丸暗記するだけではダメで、これらのスケールパターンを自在に扱えて初めて意味がある


 さて、ありがたい事に参考となるサイトもいくつかあるので、参考にしつつ練習を続けてみた。

 しかし、実際、スケールを意識して何か弾こうとすると、途中で今何の音(ドレミの何の音)なのか、見失って訳がわからなくなる。
 しかも、アイオニアンスケール1つとっても、並びが何パターンかあって、実際の曲にどのパターンを使えば一番良いのかわからないし、根本的な問題として1つのスケールですら一度に暗記できない。  スケールパターン1種類につき6弦分の配列・合計で20個近くのポジションが不規則に羅列されるので、全く頭に入ってこない。

 コードを覚える場合は全体の瞬間的な動きなので機械的な訓練で何とかなるが、スケールは時間的な流れを伴うので、機械的な訓練だけでは身につかないという問題もある。


 いろいろがんばってはみたが、全く身につく気配がない。

 半年経って何も身についていないということは、練習のやり方を間違えていたという事である。



●暗記のしかたを編み出す
 コードの練習方法がどこにもないのと同様、スケールについても練習方法がどこにも無い。
 全く無い訳ではないが、スケールの練習として探してみてもドレミファ…、ドシラソ…と順番に上がったり下がったりという練習ぐらいしかない。こんな練習が現実的に意味があるかという疑問もあった。指の練習にしかならないだろう。
 日本語の勉強で言い換えると、日本語を覚えるのに「あいうえおかきくけこ」と言って練習するようなものだ。これはアナウンサーが滑舌を良くするために「あえいうえおあお」と言ってるのと同じで、滑舌は良くなるが、日本語の勉強にならない。

 スケールの練習も同じで、単純に順番に上下しても、現実のメロディは必ずしも順番に行き来しない。
 そこで1音飛ばし、2音飛ばしのような練習も考えられるが、結局のところ形だけを覚えてしまって、実際の演奏への応用が利かない。

 やはり一番効果的なのはスケールポジションを意識しつつ、出したい音を的確に出す訓練(要するに耳コピ)ではないだろうか。


 ちっとも暗記できない自分の馬鹿さ加減を披露することになるが、こうなったらとことん馬鹿馬鹿しい方法を編み出すしかない。
 そこで、自分でスケールパターンを作る事にした。

 暗記しやすく、思い出しやすい事が重要である。



●チャーチモードスケールの暗記のしかた
 紆余曲折を経て、作った覚え方は、以下の通りだ。

音名の読み方を統一する
 まず、音の呼び方。移調や転調をしても相対的な呼び方が変わらないようにするため、音名は移動ド形式で呼ぶ事にする
 日本にはCDE(英語読み、ドイツ読み)や、イロハ(日本読み)は絶対音という風習がある関係もある。固定ドでは、ラの音(A,イ)=440Hzと決めて動かさない表記のため、移調や転調すると主音のポジションが変わる上に#(嬰)や♭(変)が出てきて面倒になる。
 度数表記(T、U、V、W、X、Y、Z)も考えたが、読みにくいのでやめた。
 ドイツ読みの場合は、C#(英語:C Sharp)がCis(シス)となったり、D♭(D Flat)がDes(デス)となるなど、簡潔に読めるので移調転調に強いのだが、そもそもドイツ読みに慣れしていないので、これもパス。
 移動ドでは長調の主音が常にドになる上、基本的に#や♭が登場しないので便利である。加えて絶対音感なんて今更身につかないので、ラが440Hzでなくても困りはしない。
 相対ドだと、調を問わずメロディラインを読み取れるようにする狙いもある。

音を3音ずつ区切る
 ここからスケールを組む作業に入る。
 まず、ドレミファ…を3音ずつ区切る。具体的に言うと(ド,レ,ミ)(ファ,ソ,ラ)(シ,ド,レ)(ミ,ファ,ソ)(ラ,シ,ド)(レ,ミ,ファ)(ソ,ラ,シ)(ド,レ,ミ)と区切る。(ド,レ,ミ)で始まって(ド,レ,ミ)に戻ってきたので、これで全部である。

3音をそれぞれの弦に割り当てる
 その3音を1本の弦に割り当てて、6弦側から:6弦→(ドレミ)、5弦→(ファソラ)…と割り当てる。
すると:
1弦→(レミファ)
2弦→(ラシド)
3弦→(ミファソ)
4弦→(シドレ)
5弦→(ファソラ)
6弦→(ドレミ)
となる。
これはドから始まるスケールなので、アイオニアンスケールという事になる。

 もう一つ例を出す。たとえば、6弦→(ファソラ)で始めるとする。
すると:
1弦→(ソラシ)
2弦→(レミファ)
3弦→(ラシド)
4弦→(ミファソ)
5弦→(シドレ)
6弦→(ファソラ)
となる。
 これは、ファから始まるスケール=リディアンスケールという訳である。

 しかし、このまま実際の位置に置き換えて覚えるようにすると、また7通りできてしまって覚えるのが難しくなる


音の並びを詳しく見る
 3つずつの音のまとまりをよく見ると、

(ラ_シド)のように(全音・半音)
(ド_レ_ミ)のように(全音・全音)
(シド_レ)のような(半音・全音)

3パターンしかないことに気づくはずだ。(半音ずつ隣り合う音階は無い)
 各スケールは、この3パターンがどのように組み合わせられているかを覚えれば良い事になる。

 しかし、このままでは覚えるべきパターンが莫大に増えてしまい、逆に覚えるのが困難になる


 こんなチャートも作ってみたが、逆に混乱を招くだけなのでボツにした。


 どうすれば効率的に覚えられるだろうか?

 覚え方は人それぞれではあるが、いろいろ考えた結果、全部を統合したものを一度に覚えた方が効率が良いという結論に至った。最終的にアイオニアン〜ロクリアンの7種類をそれぞれ覚えなければならないが、要するにドレミを並べ替えた関係でしかないので、それぞれ単独で形を暗記するのは効率が悪い。

超多弦ギター
 ということで、まず、隣の弦と必ず5半音差になるようなチューニングをしたギターを仮定する。(レギュラーチューニングのギターは、3弦と2弦だけ4半音差だが、ここを他と同じように5半音差にする。余談だが、多弦ベースは全弦5半音差でチューニングする事が多い。)
 ついでなので、同じように高域・低域に弦をたくさん追加する。
 そうやって作られた「超多弦ギター」の「メジャースケール」を作り、最初にこれを覚えてしまう。
 その「超多弦ギターのメジャースケール」が、これだ。

覚える事1

   ←ナット   ブリッジ→

 3つの音の組み合わせそれぞれのゾーンに赤、緑、青と色をつけた。その3パターンが見事に規則的に並んでいることがよくわかる。(重なり方も重要なので、注意!)
 音の並びがきれいなパターンになる事を見せるために14弦ギターという、とんでもないものができてしまったが実際は7〜8行分だけ覚えれば良い

覚える事2

 さて、実際のギターは、1,2弦だけ半音ズレている。
 超多弦ギターのメジャースケールの一部を切り取っただけではダメで、ギターの場合は1,2弦の配置だけブリッジ側に1フレットだけずらして当てはめる必要がある
 エレキベースの場合は、多弦ベースでも5半音差で弦を張っていくことが多いため、意識的にずらす必要は無い。


 覚えるのは、この2つだけである。


 一番面倒なのは超多弦ギターのスケールだが、色で覚えてしまえば苦でもないだろう。
 赤のゾーンが2弦分あって、その上に緑のゾーンが3弦分ある。その上が1フレットずれて青のゾーンがあって、その上にまた赤のゾーンが重なっている。この繰り返しだ。もう覚えたと思う。
 心配なら、方眼紙に「ラシド、レミファ、ソラシ…」と言いながら超多弦ギターのスケールを書くと覚えるだろう。


●具体例
 各種スケールは、超多弦ギターのスケールを部分的に切り取ったものである。ギターの場合は、1,2弦だけブリッジ側にずれる。それだけだ。

【例1】
 たとえば、6弦を(ド_レ_ミ)に合わせて上6行を切り取れば(ドから始まるスケールなので)アイオニアンスケールとなる。
 (ド_レ_ミ)は、緑のゾーンの中央になるので、6-5弦の2本が緑、次の2本(4、3弦)が青、次の2本(2、1弦)が赤という配置になる。

 通常は青のゾーンの真上に赤のゾーンが来るが、赤のゾーンが1-2弦なので1フレットずれている。

【例2】
 6弦を(ミファ_ソ)に合わせて上6行を切り取れば(ミから始まるスケールなので)フリジアンスケールとなる。
 (ミファ_ソ)は、青のゾーンの高域側になるので、6弦1本だけ青。その上の2本(5、4弦)が赤、次のが緑のゾーンなので、3本まとめて(3-1弦が)緑というゾーン配置になる。

 フリジアンスケールという名前はともかく、スケールポジションがイメージしやすくなるはずだ。

 この方法によって自分が今どのゾーンのどの場所を弾いているかを意識しやすく、自分が今どの音を弾いているかが見失いにくくなる


●スケール一覧
 以下に、チャーチモードスケールの一覧を示す。他のサイトにある図と基本的に変わらない。
 ただ1つ、他のスケール一覧と違う点は、よく見れば、各ゾーンに「色がついて見えてくる」という点だ。それぞれのスケールで、どの色のゾーンであるかを意識しながら眺めると、スケールが理解しやすいはずだ。
 (↓の図で色が変わるような仕掛けをしている訳ではない。)

アイオニアン(Ionian Scale)


ドリアン(Dorian Scale)


フリジアン(Phrygian Scale)


リディアン(Lydian Scale)


ミクソリディアン(Mixolydian Scale)


エオリアン(Aeolian Scale)


ロクリアン(Locrian Scale)



 決して効率の良い押さえ方をしている配列ではないが「それぞれ互いに少しずつ位置がずれているだけ」という関係でしかないので、丸暗記する必要すら無いだろう。


●練習のしかた
 練習のしかたが正直言ってよくわからない。しかし、ドレミファ…ドシラソ…と1音ずつ上下する練習がスケール練習として無意味であることと、好きな曲が一番の教材になる事は間違いない。

 最終的には自分が出したい音の通りに手が的確に動けば良いので、スケールポジションを意識しつつ聞き慣れた曲のメロディやギターソロを弾くような訓練が良いかもしれない。
 TAB譜を見てコピーするような指板の場所を押さえる手順を覚えるのではなく、メロディだけ記憶して、その音を出すように指を動かす。
 特に、メロディラインコピーでは、長調であればドかソの音、短調であればラの音で曲が終わる(一区切りついたように聞こえる)ので、ドかラの音(主音)が指板上のどこにあるかを探ると、一気にスケールが見えてくる。(他の所でスケールを解説している場合、ドの音だけ色が変えてあるのは、そのため。)

 CDを流しながら弾くと、上手く弾いているように聞こえてしまうが、流行曲のCDだと「off vocal(要するにカラオケ)」が入っているので、ギターでボーカルパートを弾いてカラオケをやってみるといい練習になるかもしれない。

 練習課題となる曲を整理するための最初の耳コピが大変ではあるが、耳コピをしながらスケールの判定の訓練も兼ねて、iTuneのプレイリストをスケール別に整理するとスケールごとの練習曲リストが作れる。
 


 各スケールは、弾く場所が固定的に決まっている訳ではないので、私の場合はC音(6弦8フレット)を基準にした。Cアイオニアンスケールだと、そのままCDEFG…というハ長調音階になって便利という理由からである。
 たとえば、C-エオリアンというスケールは、C音から始まる「ラ」から並ぶ音階である。これは、♭が3つ付いた調(E♭メジャー=変ロ長調またはCマイナー=ハ短調)のスケールと同じになる。



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