とにかく痩せたい。痩せなくては。
そう思ったら、おにぎり1個さえ食べるのが怖くなってしまった。私は極端に食事量を減らすことから始めた。
野菜やこんにゃく中心の食事。
1週間で5kg落とせた。そうなったら、今度はもっと体重を落としたくなった。
朝はりんご半分をレンジにかけたもの。
昼は抜き。
夜は市販のダイエット食品(10kcal未満のスープや、こんにゃく麺など)…食べるのが大好きな以前の私からは、とても考えられない食事量だった。
そんな食生活を続けていても、変に意欲的で
学校にも行っていたし
エアロバイクの代わりに、自転車で8kmほど漕いできたり
縄跳びを最低1時間するなどして運動もしていた。
空腹が心地よくて、運動が快感だった。頑張ったら頑張った分・我慢したら我慢した分、体重が減る。
体重計の上でその結果が目に見えて分かる。
体重を落とすのが楽しくてやめられなくなった。
痩せたいと云っても、「身体を細くしたい」ではなく「体重を減らしたい」だった。いつしか、そうして痩せていく内に「ガリガリになって皆に哀れんでほしい」「心配されたい」
と、思うようになってきた。
鬱の辛さや、劣等感に打ちひしがれてばかりの苦しい大学生活を分かってほしかった。
辛い私に気付いて欲しかった。
大学では失敗ばかりで上手くいかないけど、それを誰よりも痩せることで優越感を得て埋めようとしていた。1ヶ月で9kg落とした頃、不調が誤魔化せなくなってきた。
登校時、早く歩けない。何をするにも力が出せない。
運動の為に行った温水プールも、激しい動悸で25mすら泳ぎきれない。
そして手足の冷え,貧血,生理の停止,不整脈,頭がふらつくような変な感覚…。学校ではみんなに心配される。
「ガリガリじゃん」とか「ご飯食べてる?」とか。
それでも私は痩せてるとは思えなくて、こんな太った身体を見られたくなくて
皆に心配されたくてやっていたことなのに、それが逆に負担になってきて
だんだん学校へ行けなくなっていった。どうしても食べたくて過食してしまった時は、自己誘発性の嘔吐をしていた。
下剤は副作用が苦しかった為、乱用するほどではなかったが
ダイエットサプリに関しては、1ヵ月分を1日で飲み干すほどだった。
菓子パンを毎日チューイング(噛んで飲み込まずに出す行為)してた。
美味しそうなケーキなどを買ってきて、自分は食べず家族に食べさせたり
家族の分だけ料理を作り、油分や砂糖など多めに使ったりしていた。
他者から食べ物の話をされるとキレていた。
毎日食べ物のことと、体重のことばかり考えていた。164cm 38kgになってフラフラしていても、まだまだ痩せたかった。
太るくらいなら死にたかった。